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投稿日:2009/12/19(Sat) 18:38:57
私は、今週は、都心で、14日、15日、16日の三日間を佐藤優(さとうまさる)氏との対談で過ごした。丁度、中国から習近平(しゅうきんへい)国家副主席(中国でNo.6) が訪日して、天皇陛下と面会(会談、謁見ともいうらしい)した。 わざとらしい右翼の車たちが、都心の皇居の周りや、祝賀会が開かれるホテルの周りで街宣車を連ねて騒いでいた。
私は、この一週間も、すべての発言と行動において小沢一郎・民主党幹事長が優れていて正当であり、まったく間違いがないことを知った。 私、副島隆彦が、「小沢一郎が日本の実質の国王である」と、書き始めて、何冊かの本でもそのように書いたのは、5年前ぐらいからだ。今もこの考えに全く変わりはない。
日本の愚劣極まりない各省官僚(高級公務員)どもの恐るべき醜悪(しゅうあく)な居直りとサボタージュ(体制破壊攻撃)と、鳩山政権への攻撃はひどくなっている。この者たちを、片づけなければならない。 それと、やはり新聞5社・テレビ5社の計10社の日本のメディア=マスゴミによる、小沢・鳩山政権攻撃のひどさである。
私は、まずこの6日間の、愚か者の例の宮内庁長官ハゲタではなかった、羽毛田(はけだ)の、許すべからざる発言に筆誅(ひっちゅう)を加えなければならない。 「天皇を、中国の要人に謁見(面会、25分間)させるのに、一か月前ルールというのがあるから、それを民主党が破ったので反対した」と言い張って、鳩山政権の一員でありながら、偉そうに「自分が天皇陛下のお体を預かっている」と言わんばかりであった。
副島隆彦のこの事件への考えを書く。私の最近刊の中国本「あと5年で中国が世界を制覇する」(ビジネス社、2009年8月刊)をきちんと読んでもらえば、分かることだが、習近平(しゅうきんへい、シー・チンピン)は、3年後の2012年の10月の中国共産党の党大会で、国家主席(中国の最高指導者。英語で言えば President 大統領 である。ほぼ同時に共産党総書記にもなる)になる人間である。このことは、もう決まっていることなのだ。私はそのように本で書いた。そのとおりになったということだ。
だから、習近平の来日、そして天皇に会いたいというのは、国家元首どうしのお付き合いを始めたい、という国家としての意思表示なのである。もっと分かり易く言えば、お披露目(ひろめ)だ。大国の行動は、諸外国への行動で明らかとなる。 習近平は、中国共産党の最高会議の決議によって次の国家最高指導者としてのお披露目をする旅に出たのだ。だから先々週に、まずドイツに行きメルケル首相に会っている。その他の欧州の国々の国王(国家元首)たちにも会っている。
そして習近平は、アジア歴訪を始めた。日本が韓国よりも先である。このあとフィリピンやインドネシアなどに順を追って行く。そういう国際社会のルールになっているのである。日本は、国際社会(=世界)の大きなルールに逆らってはいけない。 私、副島隆彦が、先々週に書いたとおり、「私たちは世界の大勢(たいせい)に逆らってはいけないのである」のとおりだ。
天皇陛下が国家元首であるかどうか、は日本国内の憲法学者たちの本(法学部の教科書)ではグチャグチャいろいろ書いているが、外側世界から見れば天皇が国家元首だ。そこへ次期の中国の国家元首(大統領)がお披露目のご挨拶に来る、ということになれば、当然、天皇はお会いになるし、天皇もそのように思っている。
小沢一郎が主張したとおり、「天皇は内閣の助言と承認によって国事行為を執り行う」(憲法7条)である。これを、「外国首脳との会見は、国事行為ではなくて、『天皇の公的行為』である」という屁理屈(へりくつ)を、今度は反論として言い出した馬鹿たちがいる。
諸外国は、日本の憲法体制に服さない。国家と国家のお付き合いを代表者(主権者)たちは当然に行う。外国の国家元首に会うということは、憲法7条の第9項の「外国大使を接受する」よりも上位の国事行為であることは明らかだ。 何を偉そうなことを、国内基準で、この馬鹿官僚たちは言っているのだ。
そして、このような事件にして、「天皇のお体を私が守っている」というような、すなわち、玉(ぎょく)あるいは、玉体(ぎょくたい)を自分が握っているから自分が強い、という発想である。この羽毛田(はけだ)宮内庁長官の発想は、戦前なら、十分に国家反逆罪=大逆罪である。 戦前の「天皇機関説」の亡霊(おばけ)の腐った破片のような、このハゲタが出しゃばってきて事態を紛糾させた。
しかも、12月15日に行われたこの天皇面会については、「中国の国家副主席の習近平を、日本国天皇とどうしても会わせろ」とねじ込んでいたのは、小沢一郎(小沢は、李克強=りこっきょう、次の国務院総理=首相になるだろう、と気が合う)ではなくて、何と、中曽根康弘(日本のオカマの首相)であったことが、15日に「世田谷通信」というネット記事から判明した。
中曽根が、ヘンリー・キッシンジャーというアメリカ・グローバリスト(globalists 地球支配者義者)の頭目の半世紀にわたる忠実な子分であり、キッシンジャーは、世界基準では、中国派であり、中国利権屋であるから、その要請を中曽根が政府(平野官房長官)に橋渡ししたのだ。
これで、自民党のバカどもも、読売新聞(まだ極悪人のナベツネが指令を出している)以下のマスゴミどもも、肝が冷えて、自分たちの発言である「小沢が、天皇を、政治目的に利用した」発言のすべてが、一瞬に無効になり、消えて無くなった。
この者たちは、恥知らずにも、自分の無知と非に基づく発言と論評を、もう、ひとことも謝罪しない。 禿げた(ハゲタ)の馬鹿がひとりでやったことだ、として逃げの一手である。「小沢一郎が天皇を政治利用した」の記事は、新聞にたくさん証拠として残っている。
あんなに日本国民の中の天皇右翼たちを、激昂(げっこう)させて、テレビでも、「天皇を利用しようとして小沢は傲慢である」と扇動した者たちは、今、口を拭(ぬぐ)っている。
日本国民の中の右翼体質の馬鹿どもも、自分の不明を恥じることをしないで、居直っている。私たちの会員の中からも、「副島先生は、あんな小沢一郎を褒(ほ)めるのは理解できない」と言って退会する者が数人出た。勝手にやっていろ。馬鹿ども。お前たち程度の、オツムでは、また、戦前と同じで、外国の恐ろしい勢力に扇動されて、戦争に連れて行かれるのだ。 本当の敵は、まさしく、お前たち自身の、その「愚鈍で、悪い頭」のその脳の中に住んでいるのだ。このことに気付きなさい。
だから、「小沢による天皇の政治利用」を言いつのった自民党の安倍晋三や大島理(おおしまただもり)以下も、それから、大新聞で、小沢の悪口を書いた、軽薄(けいはく)幹部どもも、顔色をなくして、ひたすら黙りこくることになった。 残ったのは、在日系の気持ちの悪い日本右翼を名乗る 奇怪な連中だけだ。彼らの街宣車も翌日にはきれいに都心から消えていた。すべてはやらせだ。
私、副島隆彦には、今度のハケダ事件は、一瞬、2.26事件の再来のように思えた。あの昭和維新の青年将校(皇道派)たちも、大きくはアメリカに操(あやつ)られて騙されたのだ。彼らは、日本を中国にぶつけて侵略させるための大きな権力者共同謀議(コンスピラシー)の 捨て駒にされたのだ。井上日召(いのうえにっしょう)たち極右テロリストを背後から操(あやつ)った勢力がいる。直情型の頭の悪い右翼体質人間というのは、いつの時代も、救い難い者たちである。
私、副島隆彦は、この、禿げた(ハゲタ、厚生労働省の次官あがりだという)のような、愚劣極まりない官僚(「天皇の官吏」を自任する者たち)を、冗談ではなく逮捕して大逆罪(たいぎゃくざい)で銃殺刑に
処すべきだと思う。
天皇ご自身の意思を、全く無視して、「自分たち天皇の官吏が、天皇の体(玉、ぎょく)を握っているのだ」という最悪の人間どもだ。まさしく、君側の奸(くんそくのかん)である。天皇陛下と私たち日本国民の本当の敵は、愛国や憂国を標榜し扇動する者たちの中にいる。
それで、国民に人気があり、立派な人格者だった、犬養毅首相(5.15事件で)や、”だるま宰相”の異名を取って国民に愛され、昭和恐慌からの脱出に成功した高橋是清(2.26事件で)らを、「君側の奸」として殺害した。彼ら政友会の政治家たちは、皆、「中国には借款(しゃっかん、経済援助)を与えよ。戦争をするな」と言っていた。だから、邪魔者として殺されていった。日本は無謀な戦争に突入させられた。これが一番大きな目から見た昭和史の真実だ。
このハゲタが5年前に宮内庁長官になってから(小泉政権が任命した)、雅子妃殿下を苛(いじ)め抜いた男だ。そして雅子妃と愛子様を必死で守っている皇太子殿下(次の天皇)をして、「宮内庁の職員たちが雅子をいじめる」と思いあまって公言させた、元凶の男だ。そしてこのことで天皇皇后両陛下が、どれだけ心痛したことか。 まさしくこのハゲタこそは、天皇のお体を一番、害した男だ。もう許さん。
ここまで来ると、私、副島隆彦の怒りは治まらなくなる。このハゲタ以下、検察・警察・法務省のトップどもや、財務官僚はじめ各省で、まだ、鳩山民主党政権(内閣)に、敵対している者たちを、大粛清(しゅくせい)すべき、と考える。粛清とは、liquidation リクィデイションと英語で言って、簡単に言えば、党の官僚上層部 や 軍の大幹部たちへの大量の銃殺刑のことである。
世界の3大悪人政治家である、ヒットラーとスターリンと毛沢東は、自分の統治が思うように行かなくなり怒り狂った時に、自国の官僚と軍の幹部どもを、大量に(最低でも20万人ぐらい)を一気に粛清した。 私は、この場面でのヒットラーとスターリンと毛沢東ら独裁者の気持ちが少しわかる。
しかし、私、副島隆彦が、こういう「小沢一郎への贔屓(ひいき)の引き倒し」になる言動をすると、ただでさえ、アメリカの手先ども(売国奴ども)から、「小沢はヒットラー、独裁者」と悪罵を投げられている苦しい現状への負担となるので、この辺でやめる。 一国の政治なるものは、このように荒々しいものだ。こういうことが一般国民には、よく見えないようになっている。
政治は大きな悪(あく)をどうしても内包する。このことはマキアヴェッリ以来の、近代政治学が築きあげた大原理であるから、これに背(そむ)く考え方は、私、副島隆彦は出来ない。 そして、これほどに清廉潔白で、国民思いで、優れた人材が集めって出来ている今の鳩山・小沢政権に対しても、政治そのものにまとわりつく悪と怨念の力で、襲いかかっている、愚劣なる者たちである、(1)自民党の中の謀略・暴力団体質の者たち、(2)官僚(本当は宦官=かんがん=たち)、(3)そして腐れきった5大新聞・テレビ局 の幹部たち この3つの極悪集団を、私たちは、許すべきでない。
そこらで騒いでいる馬鹿右翼や、頭の悪い右翼言論人どもは、(4)番目の勢力だから、私、副島隆彦こそが、彼ら(4)番目の勢力と、同じ、民間人有識者として、平等に言論戦で闘うことが、一番、大切なことなのだろう。私の役目(守備位置)はここに決まってきつつあるのだろう。
これからも私たちネット言論の旗手たちが、彼らを厳しく監視し続ける。そして、もし万一、非合法の力(クーデター)で、鳩山政権が打倒されるようなことがあったら、私たち国民が、街頭に出て、政権を応援して闘わなければならないと、私は、本気で考えています。
私、副島隆彦は、すでに日本の政治警察からは「十分に危険な政治思想家」だと認定されていて、監視されているだろうから、これ以上のことは言わない。私は、出来る限り、穏やかに生きて、何事もなく平穏に死んでゆきたい。しかし、日本国民の生活と平和が根本から脅(おびや)かされるような危険な時代が来たら、その時は潔く戦う。そのようにいつも心に決めている。
今日は、禿げた(ハゲタ)の事件のことしか書かない。始まった西松建設事件の裁判( 国家暴力団化した、クーデター集団である検察トップたちからの小沢一郎への攻撃)のことも、普天間基地移転(アメリカ自身が、はじめからグアムでいいと決めていたのだから、残り8000人の海兵隊はグアム行きでいい。鳩山首相の粘り勝ちだ )の問題も書かない。
以下に載せるのは、この間(かん)に、一番優れた文章を書いた佐藤優(さとうまさる)氏のネット言論の記事である。 この二本の記事は、本当に優れている。 官僚どもは、自分たちのことを、天皇の直属の官吏であり、国民に選ばれたのではなく、自分たちは直接の「天皇の官吏」であると思っている。
このおのれの本心をさらけ出し始めた官僚たちと。 自分たちは国民の代表(リプレゼンタティブス represetatives 、国民の代理人)である、つまり自分たちの権力はデモクラシー(民衆代議政体)の力に依拠するのだ、という小沢一郎との闘いだ。私、副島隆彦は、一点の曇りもなく小沢一郎たちが正しいと考える。
佐藤優は、日本国で現下(げんか)に起きているのは、まさしく、この「天皇の官吏 対 デモクラシーの闘い」なのだ、と誰よりも早く見抜いて、この構図を以下のように書いた。「誰が日本国家を支配するか」である。 この「誰が日本国の支配者であるべきか」という問題設定こそは、現在、最も正しい問題の立て方である。
このことを瞬時に理解し、問題の本質を把握(はあく)した 佐藤優は、さすがに日本有数の思想家である。以下に載せる佐藤優の文章を、吟味して、何度か読んでください。 読んで理解した人は必ず、格段に頭がよくなるでしょう。
副島隆彦拝
(転載貼り付け始め)
「 羽毛田信吾(はけだしんご)宮内庁長官は尊皇(そんのう)のまこと心をもっているのだろうか?」
2009年12月15日 ライブドアニュース
http://news.livedoor.com/article/detail/4504076/
佐藤優(さとうまさる)の眼光紙背(がんこうしはい):第64回
日本の国家体制の根幹に影響を与えうる深刻な出来事が生じた。
12月11日、羽毛田信吾(はけだしんご)宮内庁長官が、天皇陛下と中国の習近平国家副主席の会見が決まった経緯に関して、
<今回、外務省を通じて内々に宮内庁の窓口に打診をされてきたのは1カ月を切った段階でしたから、ルールに照らし、お断りをした。
その後、官房長官から、ルールは理解するが日中関係の重要性にかんがみてぜひお願いするという要請があり、私としては、政治的に重要な国だとかにかかわらずやってきたのだからぜひルールを尊重していただきたいと申し上げました。
その後、再度、官房長官から、総理の指示を受けての要請という前提でお話がありました。そうなると、宮内庁も内閣の一翼をしめる政府機関である以上、総理の補佐役である官房長官の指示には従うべき立場。大変異例なことではありますが陛下にお願いした。が、こういったことは二度とあってほしくないというのが私の切なる願いです。>(12月12日asahi.com)
と述べた。
その後、天皇陛下を政治利用したという世論の激しい非難が、鳩山由紀夫総理と小沢一郎民主党幹事長に対して向けられている。筆者は、日本は中国に対して過剰サービスをするうべきではないと考える。従って、習近平氏に対しても、もう少し淡々とした対応をとった方がいいと思う。
ただし、日本外務省の中国専門家は異なる判断をしたのであろう。今回、生じた問題は、この中国要人の処遇を巡る問題とは位相を異にするところにあると筆者は考える。
そもそも羽毛田長官がいう1カ月ルールなどというものが、どのような根拠によって定められたものなのだろうか? 宮内庁官僚が定めたものではないのか? 天皇陛下との会見は、外交儀礼上、きわめて重要だ。
急に組み込まれる外交日程はいくらでもある。公式晩餐会ならば、事前の準備や案内もあるので、突然、日程を組み込むことができないのは当然だ。しかし、会見について1カ月ルールを定め、外交の手足を縛ること自体がきわめて政治的行為であることに羽毛田氏は気づいていないようだ。
羽毛田宮内庁長官が、尊皇のまこと心をもって天皇陛下をお守りしているのかどうかということが問われているのだ。習近平氏の会見を受けるべきでないと羽毛田長官が職業的良心に基づいて考えるならば、「私はそのようなお願いをすることはできません。
どうしてもというならば、私を解任してください」と言って頑張るべきだ。そして、解任されても、言い訳をせずに静かに去っていくべきと思う。
身を挺して、天皇陛下が政治の嵐に巻き込まれないようにすることが宮内庁職員の仕事ではないか。羽毛田長官が経緯説明という名目で記者会見を行ったことによって、天皇陛下が政治問題に巻き込まれてしまったというのが真相だ。
14日、<民主党の小沢一郎幹事長が、宮内庁の羽毛田信吾長官の発言を「辞表を出してから言うべき」と批判した>(12月14日産経新聞電子版)
が、当然のことと思う。羽毛田氏は、選挙で選ばれた政治家ではなく、内閣によって任命された官僚だ。鈴木宗男衆議院外務委員長が
<私は陛下のご了解を戴いたのにもかかわらず、その日程のやり取りを表沙汰にした羽毛田宮内庁長官は尊皇精神に欠けていると言いたい。陛下のご健康、ご体調を軽々に平場で口に出すのはいかがなものか>(12月1日付ブログ「ムネオの日記」)
と述べているが、その通りと思う。小沢氏の対応に問題があると考えるならば、国民は次の選挙で、小沢氏並びに同氏と考え方を同じくする民主党の議員を落選させるという形で、影響を行使することができる。これに対して、羽毛田宮内庁長官をはじめとする官僚は、身分保障がなされているので、国民の力によって排除することはできない。
南北朝時代、北畠親房、楠木正成など南朝の忠臣は身を挺して後醍醐天皇をお守りした。この精神で宮内庁職員は天皇陛下をお守りすべきと思う。(2009年12月15日脱稿)
http://news.livedoor.com/article/detail/4504076/
● 「天皇の面会は自民党からの要請」
世田谷通信 というサイトから
2009年12月15日
15日、天皇陛下と中国の習近平国家副主席の面会が皇居で行われたが、この面会に対して自民党側から「天皇を政治利用した」という批判が相次いでいる。
しかし、15日午後、この批判に対して前原誠司国土交通相は、「今回の面会は自民党の元総理大臣 から官邸に要請があったものだ」 と述べ、自民党側からの強い要望によって実現した面会であったという経緯を発表した。これが事実であれば、自民党の谷垣禎一総裁や安倍晋三元首相らによる民主党批判は、自民党による自作自演劇だったことになる。
(副島隆彦注記。 翌日、16日に、この元総理」が、中曽根康弘であることが判明した。彼の親分であるヘンリー・キッシンジャーからの要請であろう。 キッシンジャーは、大きな世界基準および、アメリカ政界では、親中国派 pro-China プロウ・チャイナ である。副島隆彦注記終わり)
●「特捜検察と小沢一郎 」
2009年11月24日 ライブドアニュース
佐藤優の眼光紙背(がんこうしはい):第63回
特捜検察と小沢一郎民主党幹事長の間で、面白いゲームが展開されている。テーマは、「誰が日本国家を支配するか」ということだ。
特捜検察は、資格試験(国家公務員試験、司法試験)などの資格試験に合格した官僚が国家を支配すべきと考えている。明治憲法下の「天皇の官吏」という発想の延長線上の権力観を検察官僚は(恐らく無自覚的に)もっている。
これに対して、小沢氏は、国民の選挙によって選ばれた政治家が国家を支配すべきと考えている。その意味で、小沢氏は、現行憲法の民主主義をより徹底することを考えている。民主主義は最終的に数の多い者の意思が採択される。そうなると8月30日の衆議院議員選挙(総選挙)で圧勝した民主党に権力の実体があるいうことになる。
特捜検察は「きれいな社会」をつくることが自らの使命と考えている。特捜検察から見るならば、元公設第一秘書が政治資金規正法違反容疑で逮捕、起訴されている小沢氏に権力が集中することが、職業的良心として許せない。
国家の主人は官僚だと考える検察官僚にとって、民主主義的手続きによって選ばれた政治家であっても、官僚が定めたゲームのルールに反する者はすべて権力の簒奪者である。簒奪者から、権力を取り返すことは正義の闘いだ。こういう発想は昔からある。
1936年に二・二六事件を起こした陸軍青年将校たちも、財閥、政党政治家たちが簒奪している権力を取り戻そうと、真面目に考え、命がけで行動した。筆者は、特捜検察を21世紀の青年将校と見ている。検察官僚は、主観的には実に真面目に日本の将来を考えている(そこに少しだけ、出世への野心が含まれている)。
筆者の見立てでは、現在、検察は2つの突破口を考えている。一つは鳩山由紀夫総理の「故人献金」問題だ。もう一つは、小沢氏に関する事件だ。小沢氏に関する事件は、是非とも「サンズイ」(贈収賄などの汚職事件)を考えているのだと思う。
ここに大きな川がある。疑惑情報を流すことで、世論を刺激し、川の水量が上がってくる。いずれ、両岸のどちらかの堤(つつみ)が決壊する。堤が決壊した側の村は洪水で全滅する。現在、「鳩山堤」と「小沢堤」がある。
「故人献金」問題で、「鳩山堤」が決壊するかと思ったが、思ったよりも頑強で壊れない。そこで、今度は「小沢堤」の決壊を狙う。そこで、石川知裕(いしかわともひろ)衆議院議員(民主党、北海道11区)絡みの疑惑報道が最近たくさん出ているのだと思う。石川氏は、小沢氏の秘書をつとめていた。
8月の総選挙では、自民党の中川昭一元財務省(故人)を破って当選した民主党の星である。この人物を叩き潰すことができれば、民主党に与える打撃も大きい。
司法記者は、「検察が『石川は階段だ』と言っています」と筆者に伝えてくる。要するに石川氏という階段を通じて、小沢幹事長にからむ事件をつくっていくという思惑なのだろう。これは筆者にとってとても懐かしいメロディだ。もう7年半前のことだが、2002年6月に鈴木宗男衆議院議員が逮捕される過程において、「外務省のラスプーチン」こと筆者が「階段」として位置づけられていたからだ。
マルクスは、「歴史は繰り返される。一度目は悲劇として。二度目は喜劇として」(『ルイ・ボナパルトの18日』)と述べている。当面は、石川知裕氏を巡る状況が、今後も政局の流れを決めるポイントになると思う。(2009年11月23日脱稿)
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦拝