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小沢一郎が激しく動き始め、各メディアは、何が起きているのかわからず、右往左往しているように見える。
民主党が鳩山内閣に提出した「平成22年度予算重要要点」というタイトルの、いわゆる予算要望書。
地方自治体や、業界団体の陳情を、民主党幹事長室に窓口一本化してとりまとめ、党としての見解を示したものだ。
来年の参院選をひかえ、陳情者の訴えをあるていどそこに反映させなければ、今後、陳情窓口としての信用度が落ち、自民党支持団体の引き剥がし、取り込みパワーの減退につながる。
地方財源の充実、整備新幹線や高速道路網の整備など、地方自治体への配慮が目立つのは、再来年の統一地方選を見据えたものだろう。
小沢一郎は参院選で民主党単独過半数を獲得、統一地方選で民主党系の首長や議員を大幅にふやして、「完全与党」となることをめざしている。
ガソリン暫定税率の維持などマニフェストに反する要望をあえて盛り込んだのは、財源不足に悩む鳩山内閣に助け舟を出したという見方ができる。
しかし、その背景にあるのは、自民党の目を覆うばかりの弱体化だ。
自民党に再生へのエネルギーが感じられず、鳩山政権への支持率が低落していくとしても、いざどちらの党を選ぶかとなれば自民党支持が劇的に復活するとは考えにくい。
民主党が、マニフェスト至上主義から、多少、現実路線に軌道修正しても参院選は乗り切れるという読みがあるのではないだろうか。
ところで、自民党が政権を握っていた時代は、省庁間の調整、官僚の根回しをへて、自民党政調会、総務会の承認を受けた政策が、そのまま閣議決定されていた。
予算編成過程のほぼ全てが、密室で進められたといっていい。
民主党は政調会を廃止し、各方面の陳情を聞いたうえで、党としての予算要望書を提出し、内閣に判断をゆだねる形式をとった。
小沢幹事長はこの会議の冒頭あいさつで「これは全国民の要望だ」と言い放った。
このパフォーマンスは、剛腕小沢を印象づけたが、一方で、幹事長室につめかけた陳情者にむけ、アピール効果の高いものでもあった。
民主党の要望をどこまで予算に反映させるかは、内閣がこれから協議して決めることだが、ともすれば官僚の意見に引きずられて各大臣の要求がぶつかり合い、話がまとまらないなかで、党から出てきた要望書の影響が大きくモノをいうことは間違いない。
しかし一方、党としても、要望書を丸のみしてもらっては、「小沢独裁色」が強まって鳩山政権への信頼感が揺らぐことくらい百も承知であり、いわゆる「阿吽の呼吸」でうまくバランスをとってほしいというのが本音だろう。
ここは、平野官房長官の調整能力が問われる場面ではある。