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12月15日20時15分配信 J- CASTニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091215-00000008-jct-soci
米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の移設問題は、事実上「先送り」が決まった。鳩山政権の連立与党3党は早期決着にこだわらず、民主・社民・国民新の3 党でじっくり移設先を検討することを決めた。連立維持を最優先した選択だ。国民新党の亀井静香代表は「アメリカも異存ないはず」というが、日米関係への悪影響はないのか。
政府は2009年12月15日、連立与党の党首クラスによる基本政策閣僚委員会を開き、普天間問題についての政府方針を決定した。県外・国外も含め移設先を3党で協議していくことを決めた。これにより決着は、来年以降に先送りされることがほぼ決まった。
■「夏ごろまでかかるかもしれない」
移設先の決定時期については、平野博文官房長官が2010年5月を期限とすることを提案したが、社民党の福島瑞穂党首が難色を示したため、合意に至らなかったとされている。国民新党の亀井代表は閣議の会見で
「我々3党は期限を切って合意をしたわけではないが、いつまでもずるずるという気持ちはない。いい案が決まればうんと早くなると思うし、そうでなければ夏ごろまでかかるかもしれない」
と発言。2010年夏の参議院選挙以降まで移設先の決定がずれ込む可能性を示唆した。一方、岡田克也外相は同日の会見で、3党合意の意味について
「端的にいえば、もうちょっと待ってくださいということです」
と説明。決着時期については「年内に方針を決める可能性をあきらめたわけではない」と話したが、その表情は固く、実現可能性が極めて乏しいことをうかがわせた。
普天間基地の移設問題で、米国側は「辺野古沿岸部(沖縄県名護市)へ」という現行計画をベースにした早期決着を求めてきた。「先送り」が固まったことで、日米関係への悪化が懸念される。日米閣僚級の作業グループでルース駐日大使と協議してきた岡田外相は12月8日の会見で、
「この問題はしっかりと対応しないと、日米関係で双方に深刻な信頼関係の喪失になりかねないという危機感を持っている」
と発言し、関係悪化への懸念を表明している。
■「『やっかいな党』を抱えているのはアメリカも承知のこと」
しかし、連立与党を組む社民党や国民新党の党首の表情は明るい。国民新党の亀井代表は12月15日の会見で、
「自公政権で13年間決着できないことを、社民党という『やっかいな党』を抱えて3党連立で出来上がっている政権が、パパっと前政権が決めた通りにやれると思っていないよ、アメリカは。アメリカの政府も、ちゃんとそこらを冷静にみていますよ。社民党を入れた3党が真摯にこの問題を協議しようというのだから、それにアメリカが異存あるはずがないよね」
と語り、日米関係への影響について楽観的な見方を披露した。「日米関係が悪化する」と日本のメディアが騒ぎ立てるのは、杞憂にすぎないのだろうか。
岡田外相の会見に出席していた米誌ニューズウィークの記者に「アメリカ人は普天間の問題についてどう思っているのか」とたずねてみたところ、
「無関心ですね。アメリカ人にとっては、アフガニスタン問題のほうがよほど大事ですから」
という答えが返ってきた。