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http://news.tbs.co.jp/newsi_sp/intelligence/
ジャーナリスト 藤村幹雄
空前の天変地異に襲われた地球は2012年に滅亡する−という映画「2012年」がヒット中だが、古代文明のマヤ暦が2012年12月22日で終わっていることや、強力な高エネルギー光子の集合体であるフォトンベルトが12年に地球を包むという説もあり、「2012年危機説」が今後、メディアを賑わせそうだ。
実は東アジアでも、もっと現実的な危機が2012年に訪れる可能性がある。各国で政権交代や選挙がこの年に目白押しなのだ。
北朝鮮にとって、2012年は故金日成主席の生誕100周年。金正日労働党総書記も2月に70歳の誕生日を迎える。北朝鮮は12年が軍事力と生活水準向上に基づく「強盛大国」実現の年と位置づけており、金正日体制の総決算の年となる。
この節目の年に、1980年以来開かれていない労働党大会が開催され、金総書記の後継者のお披露目となる可能性もある。後継者問題では、一時有力とされた三男・金正雲氏の擁立キャンペーンは中断しており、その行方は不透明だ。
デノミ実施による混乱など経済困窮を極める北朝鮮では、軍部が着実に影響力を拡大しており、冒険主義を強める可能性もある。金総書記の交代期に安定が一気に崩れる恐れもあり、12年が不気味だ。
韓国でも次回大統領選は2012年12月だ。1期限りの李明博大統領は退陣し、後継者が選出される。韓国社会は保守、リベラルが真っ二つに分断されており、リベラル政権なら、盧武鉉前政権時代と同様日韓、米韓関係はぎくしゃくしそうだ。
中国でも、12年秋の次回共産党大会で胡錦濤総書記が退陣し、習近平政治局常務委員が後継者になる。13年春の全人代で習近平氏が国家主席に就任。温家宝首相も退陣し、李克強常務委員が首相になる見通し。路線は変わらないにせよ、急激な経済成長に共産党一党独裁という古い政治体質が維持できるのかという問題が問われよう。
台湾も12年が総統選挙の年。親中派の国民党・馬英九総統の人気が低下し、独立派の民進党が勢力を回復しており、両党の一騎打ちとなる。
米国の次回大統領選も12年11月だ。内外政策に成果のないオバマ大統領の支持率は少しずつ低下し、再選戦略に狂いもみられる。ニュージャージー、バージニア両州知事選では共和党候補が勝利した。「環太平洋の大統領」を掲げるオバマ大統領も内向き志向を強めるだろう。
ロシアでも12年3月に大統領選が行われる。次の大統領から任期が4年から6年に延長され、長期政権が可能だ。メドベージェフ大統領、プーチン首相の2人とも出馬に前向きで、双方の路線対立が拡大しつつある。
わが国の総選挙は2013年夏の参院選とのダブル選挙との見方が強い。しかし、政界筋によれば、小沢民主党幹事長は来年7月の参院選を衆院選とのダブルにし、一気に自民党の息の根を止めるとことを狙っているとの憶測もある。
各国が選挙や政権交代を控えて内向きになる東アジアで、北朝鮮、普天間など国際関係の危機が確実に進行しそうだ。