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2009年12月13日 (日)
2009第2次補正と2010本予算で102.5超が正論
日本政治は戊辰戦争で言えば箱館戦争の局面を迎える。政権与党の座を追われた自民党はなおも必死に最後の闘いに望みをかける。2010年夏の参院選に勝利すれば、これまでの利権複合体政治を存続させることが出来るかも知れない。利権複合体の一角を占めるマスメディアに歪んだ情報操作を強制し、鳩山政権攻撃を続けている。
献金問題、沖縄普天間基地移設問題、景気・予算編成問題で、鳩山政権を追い詰めようとしているように見える。献金問題では鳩山首相の母からの資金提供について、修正申告と納税が行われれば済む話だろう。鳩山首相が政治資金管理団体に貸し付けを行ったとのことであれば、政治資金規正法上の問題は生じないとのことだ。
元公設秘書が独自の判断で鳩山首相の資金を個人からの献金として処理したことが「偽装」と指摘され、元公設秘書が在宅起訴されると報道されているが、首相の進退につながるような悪質な事案ではない。政治とカネの問題の本質は「資本と政治権力との癒着」にある。鳩山首相の問題にこの種の「資本と政治権力の癒着」の問題はない。
沖縄の普天間基地移転問題では、日本で政権交代があり、日本政府が日本の実情に沿って着地点を見出そうと努めている。海上滑走路を建設するには県の許可が必要だが、国民新党の下地幹郎議員が指摘するように、沖縄県議会は海上滑走路建設に反対の意向を示している。
米国は日本の実情を理解するべきであるし、鳩山政権はマスメディアの歪んだ攻撃をかわして、日本国民の意思を尊重した着地点をじっくりと探り当てるべきである。日本は米国の隷属国ではない。小泉政権によって定着させられてしまった対米隷属外交を払拭するべき大切な局面である。
2010年に向けて鳩山政権が直面する最大の難問は景気悪化懸念と財政収支悪化の進行である。2009年度の日本財政は102.5兆円の歳出規模、36.9兆円の税収、53.5兆円の国債発行に陥る。国債発行金額が税収を大幅に下回る状況は危機的と言わざるを得ない。
財政バランスの悪化は深刻であるが、他方、2010年の日本経済に重大な懸念が存在する。景気再悪化懸念=景気二番底懸念が広がっている。日本経済は戦後最悪の経済状況に直面している。失業率は5%を突破し、企業倒産も高水準で推移している。
この局面で経済政策がどこに軸足を置くべきかについて、私は会員制レポート『金利・為替・株価特報』に記述してきた。鳩山政権は、当初、超緊縮財政運営を唱えていたが、11月29日以降、抜本的な軌道修正の方向を示し始めている。『金利・為替・株価特報』の主張が取り入れられたのだと思われる。
財政の機能には、@資源配分、A所得再分配、B景気安定化、の三つがある。事業仕分けなどでクローズアップされたのは、「資源配分」の機能だ。無駄な政府支出を根本から見直す。無駄な支出を排除し、本当に必要な対象に政府支出を振り向ける。これが「資源配分」機能に着目した対応である。
これまでの財政政策では「資源配分」機能がほとんど吟味されてこなかった。官僚利権そのものの政府支出が膨大な規模で温存されてきたのである。
小泉竹中政治は、弱者切り捨て=弱肉強食奨励の経済政策を推進した。財政の「所得再分配」機能を著しく弱める政策を実行し、日本の中間所得者層が破壊された。
「資源配分」、「所得再分配」機能も重要であるが、2010年にかけての経済政策運営で最も重要な事項は、「景気安定化」である。財政が経済に対して、「景気刺激」に作用するか、「景気抑制」に作用するかは、端的に表現すれば、「歳出規模と税収の差=財政赤字」が前年度に比べて増えるのか減るのかに依存する。
「財政赤字」を増やす政策運営が「景気刺激」、「財政赤字」を減らす政策運営が「景気抑制」に作用する。日本財政が深刻な事態に陥っているのは紛れもない事実なのだが、この赤字を縮小させる政策運営が「景気抑制」政策になる点を正しく認識しなければならない。
詳細は『金利・為替・株価特報』をご高覧賜りたいが、1990年代以降の歴史の事実を正しく知る必要がある。92年、97年、2000年−01年にかけて、時の政権は景気情勢が不安定ななかで緊縮財政運営を実行した。
その結果、いずれのケースにおいても、株価下落−景気悪化−金融不安の悪循環が発生した。95年、98年の株価暴落、経済危機の局面で時の政権は財政金融政策を総動員して、日本経済の救出に成功している。
2010年度の経済政策において最重要の事項は、財政政策が日本経済に対して抑制的にならないように配慮することである。2010年度の税収は2009年度並みになると見込まれている。この前提で考えると、2010年度の財政支出が2009年度補正後予算並みの水準を確保することが不可欠になる。
鳩山政権が検討している2009年度第2次補正予算が実施されるのは2010年度にずれ込む可能性が高い。したがって、2009年度第2次補正予算と2010年度当初予算の合計が2009年度第1次補正後予算規模102.5兆円を下回らないようにすることが必要ということになる。
国民新党と社会民主党が2010年度当初予算編成について、「2009年度第2次補正と2010年度本予算合計で102.5兆円を下回らないようにするべきこと」で意見一致を見た。これは、「2010年度予算を緊縮予算にするべきでない」との私の主張を分かりやすく表現したものである。
民主党内でもこの考え方が浸透し始めている。原口一博総務相や川内博史議員などが記者会見やテレビ番組などでこの考え方を強調している。
菅直人国家戦略相、藤井裕久財務相、野田佳彦財務副大臣などが、歳出規模の拡大に抵抗するスタンスを示しているが、与党内部の意見調整を経て、2010年度当初予算を緊縮予算にしない意思が決定されるものと思われる。
マスメディアは2010年度当初予算での国債発行金額が44兆円を超えることを攻撃しようと待ち構えている。結論から言えば、現在の状況下で国債発行金額が44兆円を超えることはやむを得ないと考えられる。2009年度の国債発行は53.5兆円にまで拡大するわけで、44兆円を数兆円上回ることは容認されなければならない。
それでも、マスメディアが攻撃を加速させるなら、国債発行の代わりに「政府資産取り崩し=埋蔵金活用」で対処すればよい。政府債務増加と政府資産取り崩しはバランスシート上の実質効果はまったく同じである。小泉政権も2001年度、33兆円の国債発行を30兆円に偽装するために埋蔵金を活用した。マスメディアがあまりにも鬱陶(うっとう)しい場合には、埋蔵金を活用すればよい。
日本テレビ「NEWS ZERO」の村尾信尚氏は財務省の主張をそのまま述べているが、財務省の政策運営が日本経済長期低迷の元凶であった事実を認識するべきである。国民新党と社会民主党が提示した「補正と本予算で102.5兆円兆」の主張がまさに正しい政策主張である。
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