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「琉球新報」透視鏡 より転載。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-154158-storytopic-25.html
透視鏡 「普天間」負担軽減策提示 米、日本揺さぶる意図
2009年12月13日
「米政府としても責任を取れないのなら、なぜ『辺野古でやれ』と言うのか。やれと言った方も責任だ」。11日、米ワシントン国務省内の一室。国民新党の下地幹郎政調会長はキャンベル米国務次官補らを前に、米側が履行を迫る普天間飛行場の名護市辺野古への移設実現がいかに困難なものか強い口調で指摘した。
下地氏とキャンベル氏らの会談は昼食時間を挟んで2時間半以上にも及んだ。関係者によると、当初キャンベル氏は下地氏との会談をキャンセルする予定だったが、メア国務省日本部長が「絶対に会うべきだ」と促し、あらためて会談がセットされたという。正式な日米間の作業グループ(WG)とは別のチャンネルで日本側を揺さぶろうとする意図も透けて見える。
従来ならランチミーティングという形態だが、討議は終始「けんか」の様相でコーヒーすらも出ず、下地氏が最後には「米国にはコーヒーもなくなったのか」と皮肉を飛ばすほどだった。
「18日以降に予算を組むのは難しい」。米側は2011会計年度予算の要求作業を進めており、作業は終盤を迎えていて18日までに結論が欲しいと話した。「辺野古をやらないのなら、嘉手納より南の返還もグアム移転もない」と従来の見解も繰り返した。
この局面でもあくまで“脅し”の姿勢を崩さない米政府。だがグアムでの整備はもともと米軍側の都合で進んできた側面もある。グアム整備の予算付けで米連邦議会に説明を求められる米政府の立場からすれば、従順でない“鳩山”日本と米議会のはざまで窮地に立たされたようにも映る。
ワシントンでの会議が始まる4時間ほど前。東京・六本木の日本料理店に、鳩山連立内閣の与党3党首が集まっていた。約2時間半の会食の中で、社民党の福島瑞穂党首は用意してきた資料を鳩山首相と国民新党の亀井静香代表に手渡した。米国でのジュゴン訴訟の資料など、辺野古への移設がいかに無理かを説明するものだった。
会談後の福島氏の表情には安堵(あんど)感が浮かんでいた。記者団には「3党で知恵を合わせて協議していこうということでは3人一致したのでよかった」と話した。一方で辺野古案以外で検討するのかとの問いには一瞬返答に詰まり、「あらゆる可能性を、ということだ」と辺野古案を排除していないことも示唆する。
3党首会談は、普天間移設問題を内閣だけで決めるのではなく、社民党も国民新も関与することをあらためて確認した。鳩山連立内閣発足時のスタートラインに立ち返ったにすぎず、週明けの基本政策閣僚委員会でのやりとりが鍵を握ることになる。
(滝本匠)