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2010.1.6 02:31 産経
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/100106/trd1001060233001-n1.htm
若いころは、「偽善」がどうにも許せなかった。赤い羽根はつけたためしがなかったし、どこかのテレビ局がやっているチャリティーのための24時間テレビも見なかった。視聴率稼ぎのために芸能人が100キロも走って(歩いて)何の役に立つのかと。
▼記者稼業をやるようになってから、たとえ「偽善」であったとしても、何もしないよりよほどましなことに遅まきながら気付いた。一人一人の募金額はわずかでも塵(ちり)も積もれば山となるし、第一、喜んでいる人が数多くいる。
▼残念ながら、東京都が失業者らの年越しのため宿泊場所と食事を提供した「公設派遣村」は、偽善の域にも達しなかった。入所者833人のうち、就労相談をした人は1割にも満たず、あげくは「希望者全員のホテルを用意しろ」と騒ぐ者もいたという。
▼衣食足りて礼節を知る、とはよくいったもの。職もカネもなければ、人の心はささくれ立つ。それはわかっていても「ごね得」という嫌な単語が頭に浮かぶ。しかもカプセルホテルの宿泊費も食費もすべて税金で賄われた。
▼もし、派遣村が人々の善意や企業、労働組合からの寄付をもとに「開村」できていたら、利用者の気持ちはもっと違っていただろう。すべて税金で運営してしまったがために、利用者にも納税者にも不満を残す結末を招いてしまったのではないか。
▼昨冬、日比谷公園で「派遣村」の村長を務め、脚光を浴びた湯浅誠氏の内閣府参与としての仕事は、人目につかないところに失業者を集めることだったのか。困っている人を助けるのは、人間として当たり前だが、いま政治に求められているのは、失業者を減らし、未来に希望を抱かせる政策だ。ただカネをばらまくのは、怠け者を増やすだけだ。