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イエメンは日本大使館閉鎖などがニュースとして流れるくらいですが、実は情勢が国際的にもきわめて重大な局面にあります。
先月17日と24日にイエメンで空爆があり、アルカイーダの幹部らを含むとされる計約60人が死亡するという出来事が起きましたが、保守系の The Washington Postあたりはこの空爆をイエメン軍によるものと報じています。リベラル系のLos Angeles Timesは当初、この空爆を米CIAによるものと報じましたが、まもなく米軍の支援を受けたイエメン軍によるとした記事に差し替えました(Google 検索のヘッドラインと実際の記事の違いで判明)。
ところが、イスラエル情報筋につながるDEBKAfileは24日の空爆をその日のうちにこれが米国の無人機によるものと伝え(http://www.debka.com/headline.php?hid=6432)、27日のAl-Jazeeraも同様な報道をしています(http://biggovernment.com/2009/12/29/americas-drone-war-in-yemen-al-jazeeras-take/;動画はわたしは見ていません)。
BBCの今月2日の記事によれば、オバマ米大統領は25日の旅客機爆破未遂事件へのアルカイーダの関与を断定したようです(http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/8437496.stm)。 しかし、それに先立つ2回のイエメン空爆はこれを防げなかったという皮肉な結果になっています。
一方、4日付DEBKAfileの情報(http://www2.debka.com/headline.php?hid=6446)によれば、イエメン軍機によるものとされているイエメンの空爆(2回)はやはり実際には米無人機の仕業だと畳みかけています。イエメンは「複数政党制の民主国家」と言われますが、DEBKAfileの見方ではイエメンは表向きは親米だが裏でアルカイーダとつながっているとなります。しかもイエメンのアルカイーダは、イラクでは敵対関係にあるスンニ派とシーア派が手を組んでいるというのですが、このことは先のAl-Jazeeraの記事にも書いてありました。上のDEBKAfileの見方は米の保守系報道と重なりますが、無人機の空爆についてはその域を越えます。とにかく、スンニ派とシーア派が手を組んでいるということは、イラクやアフガニスタン以上にイエメンは泥沼になる可能性があると言えます。
[追記]
イエメンではすでに2002年に米無人機がアルカイーダの幹部1名を殺害しており、それがこの種の兵器の実戦における使用の嚆矢であった模様。