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新政権は「脱官僚支配」を旗印にしてきた。が、政権100日を経過した現在、果してその通りに実行できているのか、あらためて再検討をする必要があると思う。
国民はよく見ている。国民の信を失わぬよう有限実行を堅持してほしい。
(下記、転載)
http://www.amakiblog.com/archives/2010/01/05/#001571
新年に入って最初のブログを書いてみる。
昨年末から激しくなったメディアの鳩山・小沢批判は今年になって加速する様相を呈している。
私はそれに対して鳩山・小沢政権を擁護しない。むしろ叱咤激励する。
なぜか。それはもはや自公政権に逆戻りするおそれはないからだ。
たとえどのような政界再編の動きが出てきても、今の民主党政権に代って日本をよくできる政党や政治家が出てくるとは思えないからだ。
だから鳩山・小沢政権しかない。そうであれば、それを応援するというよりも、今となっては叱咤激励するのが正しいのだ。
口先の時期は3ヶ月で十分だ。これからは結果を出せと。そのために本気になって国民に顔を向けた改革を行えと。
鳩山・小沢政権を揺るがす3大課題として、偽装献金、普天間、景気二番底などと言われる。
しかし私は鳩山政権の支持率が下がった最大の理由は、改革が腰砕けになりつつあることだと思う。
そしてその腰砕けの最大のものは、官僚支配から完全に脱却できないところにあると思う。
自公政権時代に逆戻りしたとは私は思わない。
かなりの政治主導は始まりつつある。
しかし中途半端だ。マニフェストから明らかに後退している。
脱官僚度は大臣、省庁によってまちまちだ。
たとえば1月5日の毎日新聞「ガバナンス 国を動かす」にこう書かれていた。
農水省の井出事務次官が財務省を訪ねたところ若輩の稲垣主計局次長から「農家への所得補償額を認めてもらいたかったら土地改良事業費を半分にしろ」、と言われ、屈服するしかなかった、と。
私が注目したのは、稲垣主計局次長が小沢一郎と親交の深い斉藤次郎元大蔵事務次官(現日本郵政社長)の女婿である、というくだりである。
官僚との親和性において明らかに不公平がある。一流官庁を重用し、三流官庁に厳しいという不透明さがある。
この不平等性についてもう一つの例をあげよう。
1月5日の新聞で二つの官僚人事の記事があった。
一つは溝畑観光庁新長官が就任会見をしたという記事である。
観光庁長官という官僚のトップ人事をめぐっては、昨年12月25日という異例のタイミングで、さしたる瑕疵もない木俣芳明前長官(60)がサッカーJ1の社長である49歳の溝畑新長官に交代させられた。その事が政治主導人事として注目された。
ところがその裏には溝畑氏が松井孝治内閣官房副長官の高校時代の同級生であり、松井副長官と親しい前原誠司国土交通相に頼み込んだ情実人事だと書かれた(09年12月26日産経)。
それが事実ならば悪しき政治主導人事だ。三流官庁いじめだ。
その一方で1月5日の外務省の人事異動で今井正前沖縄担当大使が日台交流協会台北事務所長に発令されたと報じられている。
これは事実上の駐台湾大使であり、外務官僚のおいしい天下りポストの一つである。
前任者の斉藤正樹所長が「台湾の国際的地位は未定」と、政府方針を逸脱する発言を行って台湾を激怒させ、任期途中で辞任した事は記憶に新しい。
その後を受けての人事である。
本来はこういう政治的に重要なポストこそ政治任命にふさわしいはずなのに、岡田外相は外務官僚OBを天下りさせている。明らかに岡田外相は外務官僚に取り込まれてしまっている。
実はこの今井正という外務官僚OBは私のかつての同期である。
彼には何の恨みつらみもないが、この人事は明らかに官僚主導のたらいまわし人事である。
若返りと適材適所のために辞めてくれと私が言われたのが56歳の時であった。
今井氏は私の同期とはいえ三歳年上だ。駐イスラエル大使、マレーシア大使、駐沖縄大使と65歳まで大使を歴任し、その後にさらに駐台湾大使に天下ったことになる。
彼の名誉のために言っておくが、私は彼の能力を疑っているのではない。
しかしイスラエル、マレーシア、台湾と渡り歩いた彼の経歴には何の脈絡もない。
英国研修の彼には中東に関する専門知識も中国に関する専門知識もない。ましてや沖縄は腰掛けだ。
典型的な外務省内部のたらいまわし人事だ。
人事を通じて官僚を使いこなすと言っている鳩山政権の大いなる矛盾である。
脱官僚は中途半端だ。三流官庁に厳しく、財務省、経産省、外務省などに親和的だ。
このままでは鳩山政権は国民を裏切る事になる。