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永田町異聞
http://ameblo.jp/aratakyo/entry-10426437178.html
官僚王国の迷宮「特別会計」(4)
テーマ:政治
昨年11月の「朝まで生テレビ」。小泉・竹中改革で異能ぶりを発揮した元財務官僚、高橋洋一氏が、日本の借金800兆円について、次のように語っていた。
「800兆がどうやって使われているかというと、本当の借金は300兆ぐらいで、200兆ぐらいは、実は道路とかそういうふうなものになってます。あとの残りの300とか400兆は独立行政法人とか特殊法人のためにお金を借りてるだけなんです」
「さもありなん」とうなずかれる方も多いのではないか。
このブログの特別会計シリーズ(1) で書いたように、実は一般会計から毎年度、6割ていどが特別会計に繰り入れられている。そこから独法、公益法人などにカネが流れていることにも繰り返しふれた。
そのうえ、財政投融資特別会計は、いわゆる財投債という国債で調達した巨額資金を独立行政法人などに融資しているのである。くわしく見てみよう。
昨年8月に財務省が発表したデータによると、この国の借金は860兆円。
そのうち、独法支援の色彩が強い財投債が127兆円。あとは、普通国債545兆円、借入金56兆円、政府短期証券108兆円などだ。
まず、財投債だが、先述したように財政投融資特会(財務省)が発行し、民間金融機関、郵貯、簡保などに引き受けてもらって資金調達している。
かつては郵貯や年金積立金が財務省資金運用部に全額預託されて、財政投融資が行われていたが、この制度は郵政民営化とともに廃止され、財投債に切り替えられた。
では、この財政融資資金をどこに融資しているのだろうか。
財務省の平成21年度財投計画(総額11兆9000億円)でチェックすると、日本政策金融公庫など政府系金融機関や地方公共団体への融資が大半を占めているが、エネルギー対策、社会資本整備といった他の特別会計や独立行政法人への融資も相変わらず多い。
独立行政法人では、とくに都市再生機構4900億円、日本学生支援機構4900億円、国際協力機構3000億円、福祉医療機構2800億円が目立っている。
エネルギー対策、社会資本整備などの特会からも独法、公益法人にカネが流れている。この特別会計シリーズ(1) (2) (3) を参照してほしい。
ちなみに、平成22年3月末で、財投計画による貸付金残高は205兆円にのぼる見込みだ。
ファミリー企業39社、グループへの天下り203人という都市再生機構の、財投からの借金残高は10兆円をこえている。
平成21年度の特別会計予算は、歳出総額354兆円だが、会計間の重複計上をのぞいた純粋な歳出額は169兆円。それでも一般会計の2倍近い財政規模である。このなかにはもちろん国債償還や社会保険給付が含まれている。
とはいえ、一般会計に比べ複雑かつチェックが甘い仕組みを利用して天下り法人への過剰な資金拠出が続いてきた実態があることは間違いない。それがいまの莫大な国の借金につながっているのではないか。
たとえば毎年度の一般会計からの繰り入れ割合から推し測って、普通国債545兆円の6割ほどが補助金や出資金、補給金として特別会計に流れ込んだ末の借金だと仮定する。
これなら、特別会計に注ぎ込んだ借金が単純計算で327兆円もなり、財投の融資額などと合わせると、高橋氏のはじく数字に近づくのである。
「だからはっきり言えば、民主党が独立行政法人とか特殊法人を全廃してくれれば、借金の300兆か400兆は無くなりますよ」
そういう高橋氏の極端な言い草にもまったく説得力がないわけではないことになる。
独法や公益法人など天下り団体の改革が急務である。
昨年11月17日のブログ にも書いたが、先述の都市再生機構は旧住宅公団から引き継いだ賃貸住宅の管理が主な仕事だ。
独立行政法人に移行した平成16年7月、財投から借りていた3兆2000億円を繰り上げ償還して9018億円の利払い免除を受け、国庫に戻らない分、国民が損をこうむった。
それでも平成18年度の累積赤字が4955億円で、その年には国から1142億円もの補助金が交付された。本体が大赤字なのに、随意契約で仕事をもらっている下請けのファミリー企業39社には膨大な利益が内部留保されている。
こんな国民を馬鹿にした不条理なことは、国家として続けるべきではない。
自公政権が中途半端なままに終えた独法改革を、事業仕分けなどの手法により、徹底してやり遂げることが民主党政権の責務だろう。
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