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(Don't Believe The Hypeより)
http://ameblo.jp/sunshine-berkeley/day-20100104.html
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(by こげぱん)
昨年は伊藤博文暗殺犯・安重根が処刑されてから100年目の節目にあたる年だったが、このところその安重根の構想が静かに再評価されている気配がある。
日本で安重根といえば、どうしても伊藤博文暗殺犯という認識が先立つが、お隣朝鮮半島では「朝鮮独立運動の義士」という側面に加え、民主党・鳩山首相が今日提唱する「東アジア共同体構想」を先取りしたかのような、東アジア諸国が連帯して西欧列強に立ち向かうべしと説いた「東洋平和論」に対する評価が高いようである。
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http://www.chosunonline.com/news/20091026000055
安重根は、未完成の原稿「東洋平和論」で、「おおよそ、合わされば成功し散らばれば敗亡するというのは万古の道理だ」と前置きした上で、19世紀以来の西欧帝国主義の侵略に立ち向かい、東アジアを守るには、韓中日3国が力を合わせるべきだと力説した。安重根は、旅順に韓中日3国が参加する東洋平和会議を設置すること、3国共同の銀行を創設し、共用の貨幣を発行すること、3国の若者で共同の軍隊を編成し、各国の言語を教えること、韓国と清は西洋文物の受容で先行している日本の指導下で商工業の発展を試みること−など、具体的な案を提示した。
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また(中国)・旧満州延吉市でも先月「安重根義挙100周年記念国際学術会議」なる会議が開かれ、北朝鮮系の朝鮮新報が、やはり安の東洋平和論を激賞している。
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http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2009/06/0906j1225-00003.htm
第四に、安重根の「東洋平和論」が持つ、優れた現代的な意義について指摘された。安の東洋平和論は、帝国主義による東アジアへの侵略に対抗して朝・中・日の三国連帯とその実践方法を構想したものである。この構想は、朝鮮の開化派が主張した中立論とも、日本のアジア主義者たちが唱えたアジア連帯主義とも次元が違い、独立と平和を追い求める普遍的な文明観を基礎としつつ、まず東洋三国が共同体を構成して世界に模範を見せようとしたものだった。今日盛んに論じられている「東北アジア平和体制」の構築を、すでに百年前に構想した思想家であることが高く評価されるべきだと強調された。
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朝鮮半島で安重根に対する評価が高いのは当然かもしれないが、日本での政権交代後に、東アジア重視の姿勢が目立つ民主党連立政権に対し北朝鮮系メディアが東洋平和論を持ち出してきたのは、北朝鮮の対日シグナルのようにも思えて興味深い。
(注:本日1/3の産経新聞が1面トップで、民主党政権成立後に水面下の日朝交渉が進められていることを伝えているが、我々が考える以上に日朝の接近は進んでいるのかもしれない。)
もちろん今日「東アジア共同体構想」を推進しようとすれば、将来日本が中国などの属国と化したり、あるいは外国人参政権などの法案が拙速に成立する危険性などが多分にあるのは確かだが、ただ少なくとも短期的に見れば、経済再建と世界恐慌への対応を最優先しなければならない日本にとって、従来の極端な対米一辺倒外交を見直し、東アジアでの緊張緩和を進めるのは決して悪い話ではないように思える。
しかし現民主党連立政権が東アジアでの緊張緩和を進めれば、(北朝鮮と穏微な関係を維持しているように見える)アメリカをはじめ、自滅党や霞ヶ関などに巣食う親米保守派-残念ながら、現与党内にもシンパが数多く存在している-が面白く思うはずも無く、たとえば昨今騒がれている鳩山献金問題や小沢政治資金管理団体問題などで反撃に出ているように見える。
小沢一郎の師・田中角栄は日中国交回復や独自の資源外交を進めているうちにロッキード事件に巻き込まれて失脚したが-たとえば山岡淳一郎氏の「田中角栄 封じられた資源戦略」という良書には、そのあたりの経緯が詳しく書かれている-、奇しくも手付かずの希少資源が眠っているとされる北朝鮮と日本が水面下で接近している間に、自滅党や霞ヶ関の「ブリュメール18日のクーデター」が勃発して民主党政権が田中角栄の二の舞となり、自滅党の自滅政治が復活することだけは、-たとえ民主党政権に何かと問題が多いにしても-避けなければいけないことかもしれない。
「田中角栄 封じられた資源戦略―石油、ウラン、そしてアメリカとの闘い」
http://soshisha.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-15e9.html