55. 2010年2月26日 15:14:43 以前より阿修羅では田原総一郎氏の批判を多く目にしてきましたが、正直驚きでした。いつか、自分の考えを述べる時もあるのかと思ってきましたが、今日がその時かもしれないと、思いつくままに書いています。阿修羅の投稿者の影響もあるのでしょうか、みのもんたや古館と同レベルにするとは、彼らには人の本質が見えているのか、それとも、私が見えていないのか。 田原氏は、確かに時に乱暴にも見える司会ぶりでしたが、人間っていうのは、パシッと叩かれないと本音や事の本質が出なかったりするものです。彼の手法に好き嫌いはあるでしょうが、私は「良し!」としますね。「他の報道番組とは違う一歩踏み込んだ内容を見せてくれる点でも、一番見ごたえのある番組でしたし、朝生もサンプロ同様に見てきました。 先日、The Journalの高野 孟氏のネットラジオ(っていうのかなぁ?)サンプロがどのように番組として育ってきたかを話していた。当初は、島田紳助さんがメインを勤め、途中から田原氏が一部討論コーナーを請負、高野氏にも声をかけ、以後20年にわたって、サンプロは政局にも大きな影響を与える報道番組として成長してきた。番組にはスポンサー、政治家、ビジネス界、党ご用達の学者たち、宗教グループ、マスコミの帝王、電通などからのプレッシャーはもちろん、その司会者である田原氏、朝日TV番組関係者のご苦労も大変であった事は容易に推測できる。 その分、見る側にも毎回緊張感が伝わってきた。 田原氏は個性派であり、つわ者だ。彼のまわりには脅迫は日常的にあったであろう。最愛の妻を亡くした時には、中国から田原氏のレポートが伝えられていた。私は特別な田原フアンではないが、少なくとも「サンプロ」という番組を通し、自分なりに日本の政治を考えてきた。私も、他の多くの国民と同様に小泉旋風の風に酔いしれた愚かな一人であったかもしれない。しかも、その愚かさに気づいたのはかなり後になってからだ。ある種、この番組と共に日本の政治を学んできた生徒のようなものである。だからだろうか、なぜか彼が何を考え、何を言っているかが、今でも気になる。田原氏の表情に人としての優しさを感じる。 先日、約1年前のサンプロでの田中真紀子さんと田原氏のビデオを見る機会があった。真紀子さんが言っている事は、田中角栄とロッキード事件の流れと妙に重なる昨年からの検察、マスコミの小沢氏をめぐる一連の動きであった。今なら真紀子さんの言っている意味がよくわかるのだ。何ということだ 。。。と絶句した。 田原氏が久米宏氏の番組にゲストとして呼ばれた時に、人生で一番心に残る人は誰かと聞かれた時、「僕にとっては、田中角栄だ」と答えていた。 そして、彼は、「今でも私は、田中角栄は無罪であったと信じている」と書いている。 田原氏は、恐らく大変不器用な方だと思う。今後は、是非、心にしまっている引き出しを一つ一つ開いて、ジャーナリストとして国民に本音の話をして欲しい。できれば、まだ誰にも伝えていない、とびっきりの話を聞いてみたいものだ。 高野氏によると、田原氏の後任は小宮悦子キャスターが決まっているそうだが、どんな番組になるかは何も決まっていないという。まわりを伺いながらの朝日TVが無難にソフトタッチの番組をつくっていくのだろうか。あまり期待はしていない。 「サンプロ」のような番組が消えてゆくのが、残念でならない。 |