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誰もが見ても分かるように、相変わらず民主連立政権に対するマスコミによる攻撃が続いている。しかし、米国におけるサブプライム問題の顕在化(つまりは、米国によるいわゆる世界のカネの還流化政策の破綻)以降の世界の急激な状況変化を考えたとき、マスコミで報道されているようなことは、それほど重要な意味を持つことだろうか。日本は変わらなければならない、自らの手で新しい時代を作り上げていかなければならないという観点から見ると、とても些末なことに見える。
俺が民主党の候補者に投票したのは、新しい時代が始まるべきという認識があったからだ。新しい時代を迎えるには、過去を振り返って総括し、その上で新しい考え方、理念を打ち出さなければならない。過去の延長線上ではない、根本的な変革に対する理念が必要なのだ。この姿勢は不可欠である。その意味では、昨年の衆議院選挙直前に出た8月27日付けニューヨークタイムズに寄稿文であるかのようにして「A New Path for Japan」と題して掲載された鳩山さんの抜粋文は、鳩山さんが何を考え、目指しているのかを知る上で非常に役立った(雑誌Voiceに掲載された全文はこちらにある)。
2009年8月10日「私の政治哲学」
http://www.hatoyama.gr.jp/masscomm/090810.html
(寄稿文もどきの英文はこちら、http://www.nytimes.com/2009/08/27/opinion/27iht-edhatoyama.html?sq=fundamentalism&st=cse&scp=1&pagewanted=print)
これほど過去を分析、踏まえ、新しい理念を描いた意見を表明できる政治家が現在の日本にいるだろうか。どこの政党、政治家を見てもいいだろう。過去を踏まえることなく、明確な理念、日本の方向性もなく、ただ単にこうする、ああするという意見を言う人ばかりである。ぶれるとか報道されているが、鳩山さんの考えはまるでぶれることなく、昨年末の新成長戦略基本法案発表での発言にも出てきている。
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なぜ今までの成長戦略がうまく、国民の皆さんの中に定着をしなかったのか、失敗に終わったのか、ということでございます。公共事業一点張りの時代がございました。それもある時期までは功を奏した時期があったと思います。しかし、ある時期からは必ずしも、そのような効率的な公共事業になっていかなくなった。一方で、この後、登場した小泉内閣が中心になって、市場原理主義がもてはやされました。そのことも、ある意味での効率化というものが一部では達成されたと思いますが、日本全体の活力というものには必ずしもつながっていかなかった。
その理由は何か。結果として、結論として私たちが考えておりますのは、やはり経済のために人間が動かされていたんじゃないか。経済のための人間だったんじゃないか。その発想は逆だろう。これからは人間のための経済でなければいけないんじゃないかと。
別の言葉で言えば、供給サイドに偏っていた今までの発想を改めて、需要というものをしっかりと創出をしていく、国民の皆様方が、何が求められているのか、それをしっかりと実感をしていきながら、それにあわせた国づくりというものをつくり上げて行く。政府はその後押しをうまく行うものでなければならない、その発想に至ったわけでございます。
新成長戦略基本方針発表に係る鳩山総理大臣発言
http://www.kantei.go.jp/jp/hatoyama/statement/200912/30seichosenryaku.html
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この根本的な視点、数年先、数十年先の方向性にぶれがなければ、現在マスコミで報道されているようなことはぶれでも何でもない。むしろ、マスコミ報道をはじめとする抵抗勢力の方がぶれており、無責任きわまりない。例えば現行案での普天間基地移設問題にしても、米中がパートナーと言っている中、また日本自体も中国が最大の経済パートナーとなっている中、現行案通りに基地を新しく建設する意味などどこにあるのだろうか。新しい基地を建設するのがベストだと言うなら、「米国を怒らせる」とか理屈にもならない理屈ではなく、米国の没落をも視野に入れて今後の世界情勢がどう動くのか、その見通しの中で国内米軍基地はどうあるべきか、日本の防衛をどうすべきかを言うべきだろう。このような分析、見通しを伴わない意見は、意見に値しない。大きな枠組みの中のほんの一部を取り出して誇張する、為にする言いがかりにすぎない。
鳩山さんには、現時点で他に大きな枠組みを提示できる人がいないのだから、マスコミなどの雑音に囚われず、自ら掲げた大きな枠組みの中で政策を推し進め、日本の新時代を開いていって欲しいと思う。
湘南の片田舎から
http://ootw-corner.asablo.jp/blog/