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(回答先: 脱原発から地熱への流れを作ることが必要、そのためには原発の発電コスト計算の中身を公開させること 投稿者 taked4700 日時 2010 年 1 月 01 日 18:08:43)
以下は、上の記事の最初のコメントにあるhttp://slashdot.jp/science/article.pl?sid=09/12/25/0116231よりのコピー;
soltiox 曰く、
スイス・バーゼルで行われた地熱開発のために、地震を発生させたとして、開発企業の社長であるマーカス・ヘリング氏が刑事告発されたそうです (BBC News の記事、エルエルの記事より) 。
法当局が「人為的に地震を起こせるよ」と言い切っているげな報道に、私自身はちょっと首を傾げてしまうのですが、nature のコラムによると「地熱発電で地震が誘発されるのは良くある事」とありました。
多くの西欧諸国の地熱プラントは、3 km 以上の深度にパイプを打ち込み、高圧で水を注入することで熱エネルギーを取り出す、というシステムのようです。そして、そのようなプラントを稼動させることで微小地震の群発が始まり、プラントの停止で収束する、という現象が観察されるそうです。
化石燃料からの脱却という観点からは、刑事告発にまで至った今回の事案は、極めて厳しい逆風となると思われます。代替エネルギーとしての地熱発電の有効性とか、日本における地熱開発、また、最近群発している地震等々に絡めて、語らって見たいと思います。
以上コピー終わり;
これ、非常によくできた地熱発電に対するデマです。まず、上の引用で触れられているのは高温岩体発電と言う技術で、日本では行われていない。だから、高温岩体発電が群発地震を起こすからと言うことが、日本での地熱発電開発に障害にはなりえない。
日本で行われている地熱発電は2000mほどの井戸を掘り、そこから水蒸気を取り出してタービンを回すというもの。岩盤に水圧をかけて割ると言うことはしないので、群発地震が起きることはない。
高温岩体発電は原則として4000mほどの井戸を掘り、そこへ水を注入して高温の岩盤を割り、その高温のクラックへ水を循環させて水蒸気を作り出すと言うもの。今まで安定していた岩盤を割るのだから当然小さな地震が連続して起こる。ただ、注意すべきなのは、小さい地震が起こるだけで、被害がでるような大きな地震はまず起きる可能性がない。つまり、地震は基本的にはプレートの動きによって生じる歪みやプレート間の衝突によって生じる圧力によって起こり、そう言った歪みや圧力は地下4000mよりももっと深いところで大きな力として作用するから。なぜなら、全てのプレートの動きはプレートよりももっと内側にあるマグマの動きによって起こされているのであり、マグマにより近い部分がもっとも大きな力を受けるからだ。
もっとも、崩れやすい谷間とかなどのもともと地盤が弱い地域で高温岩体発電をやろうとすれば、群発地震が山崩れなどを誘発しかねない。また、もともとまったく地震がない地域なら、建物自体がたとえばレンガ作りであったりして、まったく耐震性がない場合がある。そういう場合も、群発地震は大きな脅威になってしまうので、高温岩体発電は適さない。
多分、スイスの場合は、山ろくのもともと岩盤が弱い、山崩れが起きやすい場所でわざわざ高温岩体発電をやろうとしたのではないだろうか?実際、上の記事野本になっている英文記事でもどんな被害が出ているのか、具体的なことはまったく書いていない。
ともかく、エネルギー政策というのは経済の最も基本的な要素であり、それだけビッグビジネスであり、さまざまな企業がかかわっている。利権も大きなものがあり、とりわけ石油や原子力関係の利権は大きい。また、エネルギー自立ができてしまうと他国がその国を支配することができなくなるので、強国は他国にエネルギー自立をさせないと言う政策を採る。そのため、日本では、地熱発電が1990年代の半ば以降まったく進まないと言う状況になっている。地震多発国であるのに、原発銀座と言う状況になっていて、世界史上日本が最初に大きな地震が原発を襲うと言う実験をやる羽目になっている。
原発推進派の人々に聞きたい。大きな地震が起きたとき、本当に安全だと言えますかと。今まで現実にそう言った事態が起きたことはないのに、誰がどういう根拠で安全だと言えるのかと。中越沖地震という日本で起きる地震としては中規模の地震でさえ柏崎刈羽原発では故障が起き、すんでのところで大事故に至るところだった。