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2010年の政局は、鳩山由紀夫首相が世論の支持をつなぎ止め、夏の参院選で民主党の勝利に持ち込めるか否かが焦点となる。同党が単独過半数を取れば、長期政権への展望も開けるが、自民党がこれに歯止めを掛けるか。首相としてはその前に、10年度予算案を早期に成立させ、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題を決着させることが最大の課題。民主党の小沢一郎幹事長が実質支配する「小鳩内閣」と指摘される中、内閣支持率の下落が続けば、参院選前の首相交代論が浮上する可能性もある。
民主党など与党3党は1月中旬にも召集される通常国会で、予算案の早期成立を図るとともに、目玉政策である子ども手当関連法案を成立させ、6月支給を実現した上で参院選に臨むのが基本戦略。政府高官は「09年度内に予算成立できなければ政権が危機に陥りかねない」と警戒している。
これに対し自民党は「鳩山金脈問題の全貌(ぜんぼう)解明に全力を尽くす」(谷垣禎一総裁)と首相の元秘書の偽装献金事件を徹底追及し、衆院解散または内閣総辞職に追い込もうと全力を挙げる構えだ。ガソリン税の暫定税率を実質的に維持したことなど、鳩山内閣の「マニフェスト(政権公約)違反」も追及。国会では激しい与野党攻防が予想される。
◇移設先の5月決着は?
普天間問題では、5月までに移設先の結論を出せるかどうかで、首相の指導力が問われる。首相は、沖縄県名護市辺野古に移設する現行計画とは別に新たな移設先を検討する意向を示したが、国外移設の選択肢は自ら否定。実際に県外の移設先を探す作業は難航必至だ。
首相は28日、「米国の意向を無視した与党合意はあり得ない」とも述べたが、日米同盟を重視して米国が求める現行計画受け入れに傾けば、社民党が反発し再び連立離脱をちらつかせるのは必至。与党3党の政権基盤が揺らぐ中、首相は重要な政治判断を迫られる。5月決着を先送りすれば、その政治責任が問われよう。
このため、民主党内には「鳩山首相の下で参院選を戦うことになるか、分からない」(幹部)との声が早くも出ている。
首相は偽装献金事件をめぐる先の記者会見で「鳩山辞めろという声が圧倒的になった場合、国民の声を尊重しなければならない」と進退の可能性に言及した。しかし、各種メディアの世論調査によると、首相辞任に否定的な世論は多く、閣僚の一人は「国民は必ずしも首相辞任を求めていない」と指摘。民主党内では「鳩山政権への期待感はなお強い」との見方が根強い。
もっとも、政権発足後、内閣支持率は続落し、12月には50%台を切る世論調査も相次いだ。民主党幹部は「政権維持だけなら30%台でもいいが、参院選を考えたら40%はほしい」と語る。今後、「鳩山内閣では参院選を戦えない」という党内世論が強まれば、参院選勝利を最重要課題とする小沢氏が首相に辞任を迫る可能性もある。
ただ、「ポスト鳩山」候補として民主党代表経験者の菅直人副総理兼国家戦略担当相、岡田克也外相、前原誠司国土交通相らの名が挙がるが、衆目が一致する後継者は見当たらないのが実情。政権運営が行き詰まった場合、首相や小沢氏がどう判断するか。鳩山政権が続くか否か、世論次第で政局の行方は不透明だ。(2009/12/31-15:52)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2009123100158