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2011年01月05日(水) 06時21分47秒
大誤報も「小沢のせい」
テーマ:政治・社会・文化論
2010年12月23日に行われたジャーナリスト岩上安身氏による、小沢一郎民主党元代表へのUSTREAMの中で、「この間、来たとき」胡錦濤国家出席と会ったと発言したことについて、読売、日経、産経、共同通信など主要メディアが一斉に、11月のAPECでの胡錦濤来日時に、小沢一郎と極秘会談が行われたと報じた。
その経緯については、
・11月横浜APECの際に、小沢・胡錦濤会談は行われたのか?
というブログ記事に書いた。
しかし、昨日、読売と日経がこの件について、訂正記事を出した。
いや、訂正記事ではない、中国の国家主席と、民主党の実力者が、首相もろくに会えない中で、極秘会談をしているとメディアが一斉に報じた大誤報も「小沢のせい」と責任転嫁をしているだけなのだ。
新聞社のレベルも、ここまで地に落ちたか、という感じなのだが、私たち国民のメディアリテラシーをあげていく上では、教訓になる話でもあるので、その報道内容を検証したい。
まず、読売新聞である。読売は、12月24日にUSTREAMの内容を受けて次のように報じた。
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■読売新聞(12/24 07:42)
小沢氏、中国主席から「会いたいと」11月会談
民主党の小沢一郎元代表は23日、インターネットの番組で、11月に横浜市で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の際、中国の胡錦濤国家主席と会談していたことを明らかにした。
小沢氏は「(胡主席が)『会いたい』というから(会った)。僕は、儀礼的な社交辞令で会うのは嫌いだから『結構だ』と言ったのだが」と経緯を説明したうえで、胡氏には「(中国は)変わらないとだめになる」と、中国政府の統治手法に限界があるとの考えを伝えたという。
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そして、1/5には次のように訂正を行っている。
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■読売新聞(1/5 19:00)
小沢氏、中国主席と「APECでは会ってない」
民主党の小沢一郎元代表は4日の衛星放送「BS11」の番組収録で、昨年11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の際には、中国の胡錦濤国家主席と会談していないと説明した。
小沢氏は昨年12月23日のインターネット番組で、胡氏との会談を「この間、日本に来た時」と語っていたが、4日の収録では「APECでは会っていない。胡氏が、いつだったか忘れたが、去年かな、一昨年かな、日本に来て各政党の党首と会った時だ」と修正した。2008年5月に胡氏が来日した際とみられる。
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読売新聞の報じ方の特徴としては、今回の胡錦濤国家主席との会談については、小沢氏から主体的に「明らかにし」、そして主体的に「修正した」ということである。
だが、本当にそうだろうか。
実際は、小沢氏はUSTREAMや、BS11のインタビューに答えているだけの話で、また読売の記者は、単にその番組を見て、その内容を記事にしたというだけの話である。
この件で、読売は小沢氏に取材をしていおらず、生の声もとれていないし、裏とりもできていない。
そこを「修正した」と表現するレトリックに、読売特有の嫌らしさを感じる。
小沢氏は、まったく何も修正なんてしていない。修正したのは読売新聞である。
自分たちが誤報をうった責任にはしたくないので、「小沢のせい」にしているだけの話である。
次に日経新聞である。
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■日経新聞(12/23 20:34)
小沢氏、尖閣の中国船長釈放「事実上、菅内閣が命じた」ネット番組で語る
<省略>
11月に横浜市で開いたアジア太平洋経済協力会議(APEC)に出席するため来日した中国の胡錦濤国家主席と会談していたことも明らかにした。
「胡氏がこの間、日本に来たとき『会いたい』と言うから『儀礼的な社交辞令で会うのは嫌いだ』と言ったのだが(会った)と経緯を説明。約15〜20分間の会談の中で、小沢氏は引用する映画「山猫」の一節を胡主席に紹介しつつ「変わらずに残るためには変わらなければならない。これが私の人生と政治の哲学だ」と中国共産党による一党独裁からの転換を促したという。
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日経は、このように報じた記事内容を次のように変えてきている。
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■小沢氏、中国主席とは08年に会談(1/5 19:35)
民主党の小沢一郎元代表は4日のBS11番組の収録で、先月のインターネット番組で言及した中国の胡錦濤国家主席との会談時期は野党時代の2008年だったことを明らかにした。先月の同番組で「この間、会った」と、昨年11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の際の会談とも受け取られかねない発言をしたが、否定した。
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やはり日経新聞も自らの誤報を、「受け取られかねない発言」と「小沢のせい」にして、責任を転嫁している。
彼らも単に、USTREAMとBS11の番組を見て、それを記事にしているだけだからこうなるのであって、新聞記者であれば、手を抜かずに小沢事務所や民主党に事実確認の裏とり取材をすればいいだけの話である。
それをせずに、いいかげんな報道をしておいて、誤報をしたのも「小沢のせい」にするわけである。
また、日経新聞はここでも、ヘマをやらかしているようだ。
つまり、同じくBS11の収録現場を見ていた読売の記者は、
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4日の収録では「APECでは会っていない。胡氏が、いつだったか忘れたが、去年かな、一昨年かな、日本に来て各政党の党首と会った時だ」と修正した。2008年5月に胡氏が来日した際とみられる。
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とすることで、それが2008年の会談時でない可能性もリスクヘッジしている。
しかし、日経は、これだけの誤報を自らのヘマでやっておきながら、また重ねて、それが2008年の会談であったと断言して記事を書いているわけだ。まず裏とり取材もやっていないだろう。
いかに新聞社の記事がいいかげんなものかということだ。
だが、訂正記事すら出さない共同通信や、産経に比べれば、この二社はまだマシかもしれない。
彼らは記者クラブや、再販制度という既得権に守られて、さらに新聞の販売収入や、広告収入で、その売上を得ているわけである。また、自らの社会的影響度の大きさを考えても、誤報を行ったら、きちんと読者や、報道対象となった関係者にお詫びする、それが当たり前のことだ。
これは私たち一般企業で働いているものからすると、あまりにも常識的すぎることである。
だから、一般の人たちだって、自分のブログや、ツイッターで情報が間違っていれば、そのことを訂正記事を出す人がほとんどなわけである。
しかし、メディアの彼らのように既得権益のドブの中にいれば、こうしたまっとうな感覚も麻痺してくるのであろう。
その上、私たち国民が「新聞」や「テレビ」という肩書きに騙されて、彼らが発信する内容を、そのまま受け取ってしまうから、今の我が国の世論はどうしようもなく腐ってきつつあるのかもしれない。
古代ギリシアの「デマゴーグ(扇動家)と衆愚政治の関係」のになってきているというわけだ。
あらためて書くが、小沢氏はUSTREAMインタビューの中で、メディアの劣化について次のように指摘をしていた。
「最近の記者は、本人に裏を取るということをほとんどしなくなっている。 自分達の都合のいいように報道しちゃいますから。 大きなメディアがもっと正確に真実を報道してくれたら」
まさに、今回の誤報も小沢氏の指摘どおりになったわけである。
USTREAMを見ていた新聞記者たちは、いったい何を聞いていたのだろうか、どこかにスキャンダルや、バッシングに使えるネタはないかと、ハイエナのようにかぎまわっていて、そして、もっとも「報道人」として、受け取るべきメッセージを受け取らなかったということなのだろう。
まさに、馬の耳に念仏、とはこのことである。
いずれにしても、私たち国民自身がメディアリテラシーを高めることで、大手メディアによる世論操作に騙されないようにしなければならない。
考えてみれば、彼らの責任転嫁癖はずっと昔からだ。
なぜ日本は太平洋戦争の泥沼にはまっていったかといえば、何より世論が後押ししたからだ。
その世論をつくりあげたのは何か。新聞、ラジオなどのマスコミである。
彼らは、陸軍機密費から接待漬けにあい、中国戦線をどんどん拡大するようにという扇動記事を書いた。
そして扇動記事を書けば書くほど、部数拡大につながったから、しきりに主戦論をあおり続けた。
戦時中は大本営発表そのままに、国民に対して、嘘の発表を続けた。
そして戦後は、
「私たち新聞社も被害者なのです。政府に言論の自由を奪われ、しかたなく、扇動記事を書かされました」
と一転して、被害者面である。
そして、当時の朝日新聞の主筆の緒方竹虎は自由党の総裁に華麗なる転進。読売新聞の社主である正力松太郎もメディア王にすぐに復帰し、初代科学技術庁長官にまでなる。
彼らに共通するのは、A級戦犯でありながら、CIAのエージェントとなったことで(緒方竹虎=ポカポン、正力松太郎=ポダム)、無罪放免どころか、戦後も支配階級に復帰しているわけである。
結局、日本のメディアの責任転嫁体質というのはずっと昔からで、一連の報道を見いていても、今も変わらない。
だから私たち国民がメディアリテラシーを高めて、彼らの世論操作を、一歩引いて見てみる、ということが、大事なのであろう。
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11月横浜APECの際に、小沢・胡錦濤会談は行われたのか? 『Aobadai Life』より転載
http://www.asyura2.com/10/senkyo103/msg/150.html
投稿者 みちばたの蝶 日時 2010 年 12 月 26 日
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