http://www.asyura2.com/10/senkyo103/msg/853.html
Tweet |
シリーズ小沢一郎論(11) ── 小沢一郎の「自由」
日本一新の会 達増拓也
(岩手県知事)
私が小沢一郎氏と政治行動を共にするようになったのは、外務省を辞めて衆議院議員選挙に出馬宣言(新進党公認)した、平成7(1995)年の12月だ。15年間一緒にやってきて、小沢イズムの肝(キモ)だと思うのは、「自由」である。
小沢氏は、まず政治家、そして国民に、自立や自己責任を求める。それは、自由がなによりもかけがえがないと確信しているからである。誰かを選挙に擁立する時、あくまで本人の意志で出馬するのが大原則で、「頼まれたから立候補する」というのは認めない。選挙では、組織の論理や金の力で票を集めるのではなく、有権者一人一人に働きかけて、自分の意志で自発的に支持してもらうように運動する。選挙運動の担い手になるのは、自分の意志で応援する後援会員の皆さんである。
小沢氏が選挙で団体を重視することを「組織選挙」と言って批判する人がいる。しかし、団体というものは、その成員の自由意志に基づいて動くはずである。その団体が、成員の意志を尊重しながら民主的な機関決定をして、政治家なり政党なりの応援を決めれば、それは自由の発露である。だから憲法は結社の自由を定めている。
人は、特に日本では、人のせいにして行動することが多い。「つきあいで、しょうがない」とか「立場上、やるしかない」とか。これに対し、小沢イズムの大原則の一つは「人のせいにしない」だ。何かやるときは、自分の意志でやる。「自分がそうすると決めたからやる」でなければならない。組織選挙批判をする人は、組織は強制と服従の世界だという前提なのだろう。その人はそういう組織しか経験していないのかもしれないが、立憲主義国家における組織とは、自由と民主主義の世界でなければならない。ただ、確かに、日本の組織は非民主的で不自由な組織が多く、さらには非人道的な場合もあるという実態はあるかもしれない。
小沢氏から学んだことと私が自分で経験したことから言えるのは、人間、自らの自由意志で行動する方が、大きな力が出せるし、いろいろと知恵も湧くという事である。「自由っていいぜ」と、経験から言える。今までできなかったことができるようになり、成長していく実感が得られる。いろんな問題も、解決することができる。「人のせいにしない」という事を守るだけで、人生はとても豊かになる。
小沢イズムは、まず自分が自由に行動することから始まる。そして、他者の心に働きかけ、その人の自由意志に基づく協力を取り付ける。自分の自由意志と相手の自由意志を、シンクロさせるのである。こうして人と人、心と心をつなぎ、多数を形成し、自由意志に基づく公の決定をしていく。民主主義的な意志決定で、集団を守り、育てるのである。
小沢イズムの核心は、人と人との直接的な触れ合いによる意志の合致である(ネット上のやりとりでもいいと思う。「通信」の本質は一対一の人間関係だ)。それを拡大して、政権を獲得し、国の舵取りをする。個々の政治家が「俺が俺が」のバラバラ状態で、世論調査の数字を見ながら右往左往するのとは、全然違う。民意は、世論調査の数字ではなく、人と人とのつながりの中で形成される共同意志であり、最も明確には、選挙における投票行動として示されるものである。
共同意志としての民意に基づいて政治が運用される時、その政治は強く、創造的である。政治とは、人それぞれの自由をつないでいくことだと思う。小沢氏は、その達人、自由の達人である。今の日本では、人の自由を封じようとする勢力、人と人をバラバラにして、バラバラな個人個人を誘導して儲けようとする勢力、それらの勢力に便乗して得をしようとする勢力に未だ勢いがあるが、長くはないだろう。
自由は強い。自由は勝つ。
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/01/11_3.html
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK103掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。