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菅直人首相(64)は8日、今月14日から17日以降に行われる内閣改造・党役員人事に本格的に着手した。これまでの調整で、昨秋の臨時国会で苦戦した鉢呂吉雄国対委員長(62)の更迭が決定。後任には、「平成の水戸黄門」こと渡部恒三党最高顧問(78)が浮上している。また、小沢一郎元代表(68)の国会招致を進めた岡田克也幹事長(57)は留任が固まった。通常国会は28日召集の方向だ。
菅首相は6日夜、記者団に「(通常国会の)予算審議は国民生活に極めて重要な審議なので、野党も出てきてもらいたい」と強調。一連の人事を通じ、環境整備を進める考えを示した。
そのやり玉にあがったのが「野党側と具体的な取引ができない」(党幹部)と悪評がつきまとっていた鉢呂氏。柳田稔前法相を失言問題で更迭する際にも「クビと引き換えに国会対策を有利に進める努力を何一つせず」(同)、その後、参院では仙谷由人官房長官や馬淵澄夫国土交通相の問責決議を可決。臨時国会で政府提出法案の成立率は、過去10年間で最低の37・8%に留まった。
「2011年度予算案の審議を乗り切るためには、野党と表裏双方で大人の話ができる人物が必要」(官邸関係者)−。そこで、後任として急浮上したのが、実現すれば自民党時代も含め3度目の国対委員長登板となる渡部氏だ。
渡部氏は6日、首相官邸で菅首相と会談。首相に対し「あなたは臨時国会で野党の質問の間違いを指摘して得意になっていたが、野党の声を聞くのが国会。丁寧に聞きなさい」と国会対策を説いた。会談後、記者団には「通常国会は気の毒なくらい厳しい」と同情さえしてみせた。
しかし、黄門様が国対委員長に就任しても、解散・総選挙の危機もはらむ通常国会を乗り切れるかは「疑問符が付く」(民主党中堅)という声も。渡部氏が2006年、「偽メール」事件で辞任した野田佳彦国対委員長(当時)の後任に抜擢された際には、突然党代表選を前倒しすると発言し、鳩山由紀夫幹事長が釈明に追われるシーンもあった。
それだけに、別の中堅議員の1人も「もはや渡部氏が表に出てくる時代ではない。それほど、民主党には人材がいないのかと思われてしまう」と危惧する。
国対委員長には、川端達夫衆院議院運営委員長らの名も上がっており、菅首相の決断が注目される。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110107/plt1101071239002-n1.htm
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