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Infoseek 内憂外患 > 高田昌幸
年明け早々、怒りモード。総務省記者クラブ問題で
2011年01月06日 17時00分
2010年の振り返り総括でも書こうと思っているうち、2011年が明けてしまったが、昨年末(と言っても10日ほど前のこと)、久々に強い憤りを感じたことがあった。例によって、記者クラブ問題である。
「記者会見・記者室の完全開放を求める会」のホームページに昨年末、「総務省記者クラブとの懇談会」、「総務省記者クラブからの返答」という2つの記事がアップされた。
当初は、記者クラブ側がフリーランス記者たちの意見を聞き、会見開放に向けての具体策を考えていく、そのための会合だと思っていた。ところが、そうではなかった。
「総務省記者クラブからの返答」は、公表用だから随分マイルドな表現になっている。このやり取りを行ったフリーランス記者の渡部真さんによると、実際のやり取りはもっと激しかったようだ(口調や言葉遣いのことを言っているのではない。誤解のないように言っておくが、渡部さんは非常にまじめな、穏やかな人である。毎日の記者さんも同じような方だと聞いている)。
読めば読むほど絶望的である。毎日新聞の記者はたまたま幹事社だったから矢面に立たされたのだろうが、「会見の動画撮影を認めない理由」はまったく理由になっていない。ええ加減にせよ、である。理由になっていない理由をここにも書きだしておく。
<毎日>総務省記者クラブの総会で、申し入れのあった動画撮影について各社の意向を確認したが、結論から言うと、今回の総会では動画撮影を認めるという結論に達しなかった。
【理由1】まず新聞協会の見解を確認したが、たしかに記者会見を開放しようという見解になっているものの、動画撮影について言及して認める方針は示されていない。新聞協会の見解を根拠に動画撮影をフリーランス・ジャーナリスト認めることはできない。
【理由2】総会の中で、撮影者の意図と関係なく、インターネットなどで公開した映像が、第三者によって二次使用されるリスクがあると指摘する意見があった。そこに映っている人の発言・質問などが、本人の意図した内容と異なって、一部だけ使われると全体の真意が伝わらないこともある。それを危惧する意見があった。
【理由3】やはり各社に持ち帰って本社の意向を確認しないと、記者クラブの担当者だけで決める事が出来ない。そのためには時間がかかる。
記者クラブ問題に関する日本新聞協会の見解は、同協会のホームページで読むことができる。それを読んだ上で、上記の総務省記者クラブ幹事社(毎日)の言い分を読んでほしい。会社員記者かフリー記者か等を問わず、総務省記者クラブ側の言い分を「おかしいぞ」と思わぬ人は、記者ではない。これで(本心から)納得してしまうような人は、物事に疑問を持たぬという意味において記者には向いていない。
昨年春、記者クラブ問題に関する新聞労連のシンポジウムでパネリストを務めた際、あるいはこの会見開放の会の立ち上げの際、私は「もしかしたら頑迷固陋なメディア各社もクラブ問題で動き始めるかもしれない」という、かすかな希望を持っていた。そして、動かぬのは各社の上層部であって、現場は開放に前向きだと思っていた。その思いは今も同じだ。
しかし、である。「思っているだけ」では何も変わらぬのだよ。「おれは開放に賛成だ」と"思って"いるだけでは、それでおしまいである。
総務省記者クラブの幹事社である毎日新聞の記者は「各社に持ち帰って本社の意向を確認しないと、記者クラブの担当者だけで決める事が出来ない。そのためには時間がかかる」と言ったそうだ。おそらく、あちこちの記者クラブでこんな言葉が交わされているのだと思う。
そういう人に言いたい。新聞協会の「見解」に基づくなら、記者クラブは記者の「個人組織」である。記者個人としての意見・態度を表明できないのなら、そんな商売、やめてしまえ。「やらない理由」を一生懸命に述べるのは、保守化・官僚化が極まった組織の常ではあるが、それにしても、ひどすぎないか。
「おれたちがせっかく前向きに考えているのに」という総務省記者クラブの記者たちの声が聞こえてきそうだ。ならば、本気でそれを成す為に行動すべきだ。「考えている」という言葉を弄び、良心派を装うことの罪の重さを思うべきだ。最近は何も活動できていないので申し訳ない限りだが、会見開放の会を立ち上げる時、それへの賛同を呼び掛けると、「この人なら」と思った既存メディアの「良心派」の記者たちが何人も、「行動はできない」「陰で応援する」といってきた。「陰で」など、応援にならない。
結局、問題はそういうところにある。
http://opinion.infoseek.co.jp/article/1154
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