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2010年12月29日
小沢さんの政倫審出席の問題を再度考える
政倫審出席については、
「岩上安身さんの弘中弁護士に対するインタビュー」
を見ればその問題がよく分かる。小沢さんが刑事被告人になると言うことは、最大の人権侵害であって、憲法によっても人権の擁護が謳われているという認識の元に考えなければならない。
刑事被告人の人権に関する憲法の条項は次のようなものがある。
「第三十一条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
第三十二条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。
第三十三条 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。
第三十四条 何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。
第三十五条 何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
○2 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。
第三十六条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。
第三十七条 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
○2 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
○3 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。
第三十八条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
○2 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
○3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。
第三十九条 何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。
第四十条 何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。」
この中で特に重要なものは38条ではないかと思う。「何人も、自己に不利益な供述を強要されない」ということが憲法で保障されている以上、刑事裁判の場に持っていかれてしまった小沢さんの問題は、国会の場で尋問されるようなものではない。それは、国会議員が憲法違反を犯しているのである。
野党は証人喚問を要求しているようだが、これは憲法に照らして考えれば、政倫審よりももっと憲法違反の可能性が高いものだ。そこでは証言を拒否することが出来ずに、「自己に不利益な供述を強要」することにもなる。憲法を遵守しなければならない国会議員が、憲法違反をしているかもしれないと言うことが分かっているのだろうか。
弘中弁護士は、憲法問題以上に懸念される、証人喚問の人権侵害の問題を指摘している。それは、実際の裁判の場においては、被告人に質問されたときに、弁護士がその質問に対してすぐに異議申し立てをする権限が与えられているという点についてだ。尋問は、誘導的なものもあるだろうし、関係ないのに単にイメージを落とすためにやられるようなものもある。そのような不当な尋問に対しては、弁護人が常に注視をして異議申し立てをするような仕組みになっている。証人喚問の場では、真実が明らかにされるような議論はほとんど期待できないという。むしろゆがめられる可能性の方が大きい。
ところが、国会の場での証人喚問というのは、そのような弁護人もいないし、異議申し立てをすることも許されない。おまけに、あとで訂正することも出来ないそうだ。そのような場であるにもかかわらず、質問をする国会議員は、質問によって真実を明らかにしようという動機よりも、自分の選挙区の有権者に、どうアピールするかという姑息な動機の方が大きくなる。国会の証人喚問というのは、いわばワイドショー的な見世物にに過ぎないもので、とても真実を明らかにするものではない。政倫審以上に問題の多いものだ。テレビが好きな自民党の石原議員などは、宣伝のためには証人喚問をしたいのかもしれないが、この問題点が理解できていないで証人喚問を要求する国会議員は、人権感覚が鈍く、法的な無知をさらけ出していると言えるだろう。岩上さんの弘中弁護士へのインタビューを見て勉強してもらいたいものだと思う。
我々も、このインタビューで、小沢さんの国会招致の問題が、民主的に多数決で決定する問題ではなく、論理的に判断すべき問題であると言うことを再度学ばなければならないだろう。
Posted by khideaki at 10:46│Comments(0)│TrackBack(0)
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