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http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101227/plc1012270227001-n1.htm
≪鳩山氏らに言う資格ありや≫
先の引退表明を撤回し、次期衆院選への出馬を正式に表明した鳩山由紀夫前首相は、地元北海道で「国益に資する政治を行うため」と説明したという(12月19日付読売新聞)。米軍普天間飛行場の移転問題で迷走を続け、揚げ句の果てに自民党政権時代に決定していた辺野古への移転をご破算にし、日米関係を最近では最悪の状況に追い込んだ鳩山氏の言う「国益」とは一体、何なのだろうか。
野党議員時代に韓国のソウル市内で、慰安婦問題をめぐり日本大使館に抗議デモを行い、大きく×印が付いた日の丸を背景に、韓国人と一緒に写真に納まった岡崎トミ子国家公安委員長も、国会で追及されて「私自身は、国益にかなうと思っている」と弁明した。
気安く「国益」と言うが、何が真の国益なのか、彼らは本気で考えたことがあるのだろうか。
国益といえば思い出すのが、平成20年3月のNHKの海外向け放送をめぐる経営委員長と朝日新聞との対立である。
NHKの国際放送をめぐって、当時の経営委員長が「利害が対立する問題については、日本国民の立場に立って国益を主張すべきだ」と発言したところ、朝日新聞は「国の宣伝機関にするのか」との社説を掲げ、「政府の見解を放送すれば国益にかなうと考えているとしたら、あまりに短絡的だ」と批判した(平成20年3月26日付朝日新聞)。
「国民のため国益重視の放送を」というのはかなり常識的であるはずだが、「国益重視の放送」を「政府寄りの放送」と思い込み、批判に及んだわけである。「国益」と「政府益」の区別がよく出来ていない証左であろう。
≪国民共同体としての国家≫
「国益」とは「国民全体の利益」であって、その時々の「政府益」とは異なる。にもかかわらずこの違いが分からないのは、「国家とは何か?」が分かっていないからではないか。一口に「国家」といっても、「国民共同体としての国家」と「権力機構としての国家」つまり「政府」とは異なる。このことは、「愛国心」が「菅内閣を愛すること」ではない点を考えればおのずと了解できよう。が、朝日新聞は「国益」と聞いて、「政府」のことしか思い浮かばなかったのではなかろうか。
このようにみていけば、「国民共同体としての国家」にとっての利益、つまり「国民全体の利益」こそが、真の「国益」であり、時々の「政府」にとっての利益でしかないものは、「政府益」にとどまる。
ちなみに、米国の国益委員会は国益について(1)死活的国益(2)極めて重要な国益(3)重要な国益(4)二義的な国益−と順位付けしており、死活的国益のトップに、「米国への核・生物・化学兵器攻撃の防止」をあげている(産経新聞編『やばいぞ日本』)。
もちろん、民主国家においては国益と政府益は本来、一致すべきではあるが、時として対立することもある。
尖閣諸島沖のわが国固有の領海内で、中国漁船が海上保安庁の巡視船に体当たりしてきたときの映像を政府は非公開とし、国民の目に触れさせようとはしなかった。仙谷由人官房長官は、友人の丸山和也議員に対し、「(船長を釈放しなかったら)APEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議が吹き飛んでしまう」と答えたという(ただし、長官自身は否定)が、ビデオ映像も同じだろう。
≪ビデオ非公開は国民の不利益≫
この衝突事件では、明らかに中国側に非があったにもかかわらず、ビデオ映像が非公開とされたため、中国側は海上保安庁の巡視船がぶつかってきたと言い出した。その後、保安庁の職員によってビデオ映像が流出したことにより、中国の主張が嘘であることが海外にまで知れ渡ることになったが、日本国民の8〜9割は映像の流出を歓迎している。
とすれば、中国に阿(おもね)り、胡錦濤・中国国家主席のAPEC出席を実現するために、国民の大多数が望んだビデオ映像を政府が非公開としたことは、明らかに政府の都合によるもの、つまり、ただの「政府益」にすぎず、真に「国益」を考えた上での決定とはいえまい。ところが、仙谷長官はこの映像流出に激怒し、国家公務員の守秘義務違反に対する罰則の強化を言い出した。
他方、警視庁が内部資料の可能性を認めた国際テロ情報の流出は、国の治安や国民の安全、さらには捜査協力者の危険にもかかわるものであって、たとえ「国の情報」ではないとはいえ、このような国家的機密の厳重な保護管理こそ、「国益」にかなう。ところが、仙谷長官は、この問題についてはさほど関心がなさそうで、「国家機密保護法」の制定など思いもよらない様子である。
一体、何が「国益」か、そもそも、「国家」とは何か。わが国が幕末に匹敵する内憂外患の国家的危機に直面している今こそ、為政者も国民自身も真剣に考えてみる必要があるのではなかろうか。(ももち あきら)
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