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行政処分を軽くするために選挙労務を提供したり献金したりしているわけだから、われわれの感覚からすれば、これなどは立派に贈収賄が成立ということになる。
以下は「しんぶん赤旗」日刊紙(2011年1月4日付・1面)から。
(クリックすると拡大し紙面鮮明に)
<参照>
第一生命 パー券1200万円/自民・民主ら44議員から購入/生保業界不払い発覚後【しんぶん赤旗】
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第一生命 渡邉氏の政界工作/保険金不払い処分回避を狙う/族議員に“発言願えないか”
「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年1月4日 15面
渡遣光一郎第一生命社長が同社専務執行役員だった2009年の総選挙で行っていた“金融族”議員への応援行脚。関係者の証言と内部資料で、渡邉氏が選挙応援だけではなく、保険金不払い問題をめぐって精力的に政界工作に暗躍したこともわかりました。
渡邉氏の激励先になった28人の衆院議員・候補者。その一人に自民党の山本明彦元金融担当副大臣(落選)がいます。
本紙の取材に山本氏は「(第一生命の)誰かは応援に来てくれたと思う。選挙になれば、知っている人、誰にでも声をかけるのは当然。お世話をしてあげている相手に『今度、選挙あるけど、手伝わなくていいよ』と言う人はいないでしょう」と答えています。
山本氏のいう“お世話”の中身とは―。
三方一両損
渡邉氏は第一生命の常務だった07年4月16日に議員会館で山本衆院議員(当時)と面会しています。
山本氏は当時、衆院財務金融委員会の与党筆頭理事でした。この数日前の13日に生保各社は、不払いの調査結果を発表。その額、件数の多さに世論は厳しく、国会での追及を逃れられない状況でした。
生保関係者や内部資料によると、2人は次のようなやりとりをしたといいます。
渡邉「国会の参考人招致はどうか?」
山本「個社はともかく、(生保協会の)協会長(当時は斎藤勝利第一生命社長)が呼ばれるのは仕方ないだろう」
渡邉「われわれに反省すべきところがあったのは事実だが、金融行政が不十分だったのではないかとか、消費者にも不十分な点があったのではないか、などと三方一両損のような話でないと納得しがたい」
さらに渡邉氏はこうも発言しています。
「『生保は約款、法令を超えて、保険金が払える可能性のあるものを見つけ出して、払っていこうとしている。それに行政処分を行ってよいのか』といったことを議員から発言いただけないものか」
こうした渡邉氏らの“陳情”の成果はすぐ表れました。
同年5月18日の衆院財務金融委員会―。当初の与野党の合意では、生保大手4社の社長を呼び、2時間半にわたって質疑するというものでした。ところが、合意は突然くつがえり、斎藤会長に1時間の質疑へと短縮。山本氏が主張したとされています。
軽い処分に
山本氏は同年8月に金融担当副大臣に就任。その後も渡邉氏との関係は続きます。
金融庁の行政処分が間近に迫った08年6月23日。不払い額が最多の189億円にのぼった第一生命に重い処分がくだるという見方が強まりました。
渡邉「われわれからみると、楔(みそぎ)のためにどこかを処分しなくてはならないと思っているように感じる」
山本「各社はほとんど(対応が)できているので、(業務停止などの)処分を出さずに『(業務改善)命令しか出せないよな』と(金融庁に)言っている」
結局、金融庁は翌7月に第一生命を含む10社に業務改善命令を出しました。「同社と外資1社には業務停止が確実と言われていた。業務改善命令が出たときに第一生命の社内中に『万歳』の声が響くほどだった」と生保業界に詳しい関係者は話します。
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