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<連合も大増税推進宣言>本澤二郎の「日本の風景」(650)「ジャーナリスト同盟」通信
<連合も大増税推進宣言> 正月早々に意外な報道が飛び込んできた。日本を代表する労働組合の連合会長が、菅官内閣が推進する消費税の大幅増税計画にワル乗りしたというのだ。労働組合を庶民・大衆の代表と受け取る向きは、現在も少なくない。そこからの大増税受け入れ宣言に戸惑った市民は多かったに違いない。大増税は景気をいっぺんに冷やす。大企業・財閥に対しては5%減税だ。庶民には5%消費税アップという路線を民主党支持の連合がOKしたというのである。
松下財閥・政経塾・PHP研究所路線を突っ走る菅内閣であることが、税制面でくっきりと理解することが出来るだろう。あるいは、マスコミが報道しないため、理解できない民衆も多いかもしれないが。それにしても労働組合が大増税を容認、推進する役目を担った例は過去にはない。この財閥・官閥主導の日本政治は、外交安保政策面では日米韓軍事態勢の推進強化・中国敵視政策というのだからお話にならない。
均衡を欠いた菅官内閣が、極右勢力に乗っ取られていることが理解できよう。
<古賀会長は松下一派> 古賀という人物は何者か。ネットで調べてみた。このネットというのは、実に便利なもので、問題人物の経歴がすぐ判明する。昔の取材と比べると、まことに効率がいい。
なるほどと頷いてしまった。彼は松下電器産業出身である。松下労組だ。労働貴族の典型である。政経塾とは身内の間柄といってもいいだろう。政府もそうだが、支援労組も松下一派なのだった。
自民党にも松下から金をもらっている議員がいたと記憶している。財閥の暴走の一環なのであろうが、そうだとしても連合までもが大増税に加担するとは、やはり驚きである。
腐ったリンゴそのものの、財閥にぶら下がる労働組合と言えるだろう。これでは、日本の将来は暗澹たるものである。
<労働貴族と政治家・役人は共闘> 軍拡と増税・戦争体制と大増税は歴史が証明している。表は福祉のためと称して民衆に負担を強要する悪政の最たるものである。財閥は減税で暴利の一部を政界や官僚に還元するだろう。
民衆もよほどなめられている。自分たちがバブル経済で踊り、暴利を手にして酒池肉林の生活を送ってきた。崩壊して1500兆円の大穴をあけると、無知な市民をよそに借金尽くめ、その間隙をぬって金融制度の安定確保などとほざいて血税投入だ。こうして財閥は生き残ってしまった。これが過去25年の日本政治、すなわち官僚政治・官財閥政治の正体だった。
莫大な借金を抱えた企業は生き残るために、役員と労働者を半減、給与も半減するしかなかった。家計では収入に合った質素な生活をする。ご飯と味噌汁だ。昔は麦飯だ。戦後はサツマイモをご飯の中に入れた。漬物のタクアンで生き延びてきた日本人である。
だが、現在の日本の政治家や官僚にはその発想がない。役人天国の給与に変化はほとんどない。官僚の代表である人事院が、財閥給与を基準にした給与体系を答申してきている。日本の政治家・役人は世界的レベルの高給を懐に入れている。
その原資は孫たちの借金である。年間30数兆円の税収も役人の給与でほとんど消えてしまう日本の財政である。
まともな為政者であれば、40兆円の予算を編成、役人の給与を10兆円程度に抑えるしかない。現状は92兆円の予算を編成した菅官内閣である。亡国の予算なのだ。
身を削るという当たり前のことをするのが、先決である。議員と役人の定員と給与の半減から、まず始めなければならない。これに蓋をしている政界と官界、言論界である。財界だけは減税だ。そして自分たちの特権的給与・体制は温存して、大衆に大増税を課すというのである。
こんな不条理を労働貴族の連合と政治家・役人が共闘する日本ということになる。20年前からわかりきったことをしてこなかった官閥政治である。理由は、関係者の不正に蓋をかけて責任をとらないようにするためであった。
主役の中曽根は本来、蟄居閉門の身のはずである。大連立工作に暗躍する立場にはないのである。
<平和運動を放棄した悪しき労組> 筆者は以前「連合の罪と罰」(データハウス)を世に問うたことがある。平和運動を放棄した労働組合に失望したからである。労働貴族化は日本政治の右傾化に貢献した。革新政党を内部から崩壊させた。財閥の手に落ちてしまった労働組合のその後には、衰退だけが待っているというのに。
今も悪しき連合が民主党にまとわりついて、個々の議員に横やりを入れているのである。同党が健全化するわけはない。崩壊する日本の象徴なのであろうが、4月の統一地方選と総選挙を想定すると、日本沈没は止まることはない。
ヒトラーのような人物が登場する素地が、急速に形成されているようにも感じられる春以降の日本政局なのか。
大増税の前に為すべきことを断行する政治家が出てこない不思議ニッポンである。
2011年1月3日記
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