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内外の懸案に機敏に対処できない政治体制が続いている。このままでは国民の政治不信は一層増大し、日本は国際社会の競争からとり残されてしまう。危機的な状況にあるのに政府・与党には切迫感がない。
課題は、はっきりしている。
一、米軍普天間飛行場問題を解決し、日米同盟を立て直す。
一、安定した社会保障制度を築くため消費税率を引き上げる。
一、環太平洋経済連携協定(TPP)に参加する。
国の行方を左右する喫緊の課題を、迅速かつ適切に処理できる政治体制を築かねばならない。衆参で与野党逆転の「ねじれ国会」ではそれができまい。政界再編が今ほど求められている時はない。
◆ねじれ国会へ戦略描け◆
菅政権にとって差し迫った課題は、今月召集の通常国会で野党と話し合うための環境を整えることだ。最初のハードルは、先の臨時国会で参院の問責決議が可決された仙谷官房長官、馬淵国土交通相の扱いである。
自民党は仙谷、馬淵両氏が出席する審議を拒否する。公明党も足並みをそろえる構えだ。国会運営の大きな障害になる。菅首相は内閣改造を断行してでも、早急に打開を図らなければならない。
もう一つが、小沢一郎民主党元代表を巡る「政治とカネ」の問題である。民主党では「親小沢」対「反小沢」といううんざりするような対立が昨年末まで続いた。
小沢氏は衆院政治倫理審査会に出席する意向を表明したが、本音はどうだろうか。民主党は早急にこの問題の決着を図るべきだ。
鳩山前首相が小沢氏と連携していることにもあきれる。鳩山氏は数々の失政を重ね、国民の期待を失望に変えた。議員引退宣言さえ撤回するような軽い姿勢が、国民の政治に対する信頼を損ねていることを自覚してもらいたい。
◆政権公約全面見直しを◆
ねじれ国会で予算関連法案や重要法案を成立させるためには、多数派工作が不可欠である。
鳩山内閣が外交・安保政策で判断を誤ったことの一因は社民党にあった。菅首相は、社民党との連携を考えるべきではない。日米同盟の強化は中国、ロシアとの外交でも必須であることを首脳外交で身にしみたはずだ。
自民党や公明党などと連携するには、民主党が一昨年の衆院選で掲げた政権公約(マニフェスト)の見直しが前提条件である。
野党時代に作成した政権公約がすでに破綻していることは看板の「事業仕分け」一つとってみても明らかだ。予算削減はわずかにとどまった。無駄を削れば財源を確保できる、と幻想を振りまいた罪は重いと言わざるを得ない。
国家財政は悪化の一途だ。このままでは日本がギリシャのように財政破綻しかねない。
菅首相は、昨年9月の民主党代表選で「実現困難な場合は国民に説明し、理解を求める」と政権公約の見直しを掲げた。だが、一向に実行する姿勢がない。きちんと国民に説明する必要がある。
菅首相に、決定的に欠けているのは、困難な状況を何とか打開しようという強い意志と果断な実行力だ。
政権公約の見直しこそ、首相自ら言うように「有言実行」すべきである。
一方、自民、公明など野党側も、党利党略から国会では揚げ足取りに終始しがちだった。
普天間問題、消費税率引き上げ、TPPが野党にも突きつけられた課題であることは論をまたない。自民党や公明党が、民主党と、大胆に合意できないか。与党をリードするような責任政党としての姿を示してはどうか。
◆選挙制度見直しが急務◆
政治の機能低下の根源に選挙制度の問題が横たわっている。
参院は昨年末、2013年参院選からの新制度適用を目指して選挙制度改革に関する具体的な検討に着手した。
昨年の参院選の1票の格差に関する定数訴訟で違憲判決が相次いだことがきっかけだが、どんな選挙制度が参院にふさわしいかを十分、考慮してもらいたい。
問題は参院だけではない。
衆院も併せて選挙制度を大胆に再検討することが必要だ。
それぞれの院にどんな役割と権能を持たせるか、二院制のあり方にも踏み込む。それには憲法改正論議も避けてはなるまい。
選挙制度が変われば、政党間の連立や政党政治のあり方にも変化が生まれよう。延々と続きかねない国会の機能不全を断ち切るためにも検討を急ぐべきである。
(2011年1月3日01時35分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110102-OYT1T00521.htm
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