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2011年01月03日
長々と読むのが面倒な方の為に、先ずは概略。
何と云う事はない、追い込まれているのは菅直人ですから ご心配なく。腐れマスメディアは意図的に「臨時両院議員総会」と「民主党党大会」という言葉に触れることを、極端に避けている。これこそが、今後の政局の 味噌 です。
それはそれとして、今の按配だと、菅政権は統一地方選前の3月末までも持つのか? と云う話になる。そんなに長いこと、「小泉再来政権」やらせたら、日本が沈没だ〜と叫び出す人も多いだろう。その通り!そんなには待てません。(笑)
多少縮むとすると衆議院予算通過予定の2月末になる。参議院の予算通過も確認の上、菅内閣の総辞職と云う按配だ。本来であれば総辞職・解散総選挙と云う男っぽい流れになるのだ、それは不可能だろう。親菅直人グループの金魚のフン政治家が選挙と聞いて悲鳴を挙げる。
その上だ、菅直人、仙谷由人、前原、枝野らが選挙の結果、国会に戻ってこられない只の人になる可能性はかなりあるのだ。だから、解散は絶対に出来ない、只の総辞職だ。
その時、当然民主党は緊急の両院議員総会を開き、前原誠司への禅譲を画策するだろうが、勢いに乗る小沢派議員を抑えることは不可能なので、代表選に相成る。
対抗馬として樽床、原口、岡田等が考えられるが、小沢グループの支持を受けた候補者が最有力になり、前原誠司が民主党で埋没する可能性もある。
つまり、2月末の決戦でも、菅直人は不利なのである。 そうなると、国会が開かれてしまえば、国会運営に翻弄され、謀議に策を弄している時間も制限される。迷走している間に衆議院で「不信任決議案」が出される危険性が増す。その上、民主党一部議員が対小沢対応で「首相に不審を抱いた」と云う事で「賛成に回る」絶好の機会を与えてしまう。
内閣を追われている筈の仙谷由人は党務のしかるべき地位を与えられているだろうから、本来であれば野党工作(連立を含む)に奔走する筈だが、ここ何カ月かの仙谷の資質を観察する限り、話し合いをグチャグチャにする能弁さは持っているが、話を纏めきる能弁さは皆無なだけに、危険は増大する。アドバイザーが野中ではどうにもならない。
「大連立構想」などマスメディアのプロパガンダ幻想に過ぎない。 @を含めて考えてきたシナリオには、すべて菅直人の無能さで切り抜けられる楽勝パターンはなく、頓挫するのみと云った危惧の方が勝っている。つまり、この時点(常会開会)までに「小沢一郎排除」「挙党一致内閣」を野党に示し、野党以上に「小泉再来政権」にシフトしておかねばならないと云う事だ。
仮に小沢の離党勧告など排除が不首尾に終わった場合は、一段と脱小沢を鮮明にした内閣と党の構築に着手し、「小沢一郎は居ません民主党」を作ろうとするだろう。
しかし、連立を追えば党内小沢派の反逆が怖いわけで、動きが取れないので膠着状態が続き、地方議員が屍々累々と…と云う光景になる。
以上から考えても、小沢の問題は1月13日の党大会までに一定の目途をつけたいのが菅直人の考えだ。小沢一郎の「政倫審出席のたとえ話」」に過剰反応したのも、この13日に基準があるからだろう。
菅直人と仙谷・前原・野田等は反小沢で利害が一致した結束なので、小沢が民主党から消えると接着剤もなくなる関係に過ぎない。岡田の場合、菅と同じ意識で小沢問題を片付けようとしているのかどうか微妙だ。岡田と菅の結束は希薄な筈だ。
禅譲で次は岡田と言っても、前原が黙ってはいないので空手形、それが判らない岡田ではないだろう。岡田にしてみたら、小沢の力を何処かで利用する方が政治的には絶対に有利。その力学が判らない程「原理主義」な飄々の男ではない。裏側に、熱い権力志向が必ずある。
このような人間関係も頭に入れながら、1月3日(本日)からの民主党内の「親小沢」「反小沢」の攻防を分析してみよう。
マスメディアは現時点で大人しくしているが、時事通信の田崎が先鞭的にプロパガンダ記事を書いている。記事によると、小沢政倫審への出席。続いて「強制起訴」(刑事被告人)、連続パンチで離党勧告、除籍。
≪ この事実関係を無視した小沢イメージ、「国会で弁明した小沢」、「被告人になった小沢」この二つのフレーズでプロパガンダ報道を試みるシナリオのようだ:筆者 ≫
時事は、故に小沢包囲網は狭まったと解説している。その理由がふるっている。
菅と岡田が政倫審出席のイニシアチブを握り、小沢を絶体絶命に追い込んでいると、意味不明な理由を挙げている。政治資金規正法違反事件で強制起訴されれば小沢氏の求心力は一段と低下する、と解説するのだが、公判が開かれるのは既に周知の事実。問題は、検察官役の弁護士らが起訴状をチャンと書く状況が整うかであり、未だ苦戦している状況だ。
仮に起訴されても、公判で粛々と無実を証明するわけで、小沢一郎が今さら危機が増えるわけではない。 ここが重要です!
小沢一郎の新年会に120人が集まった事実は、実は非常に大きい。最大の逆風の中、一兵卒で田崎の眼から「風前のともし火」だと云う政治家の元に、120人が集合した事実は重い。
昨年より40人も減ったと歓んでいるマスメディアだが、昨年は菅もレンホー等々日和見政治家も来ていた事を忘れてはいけない。また、小沢は一部新人議員を意図的に地元に帰るよう指示した(選挙運動に精を出せ)情報もあるので、おそらく昨年と変わらない議員が集まったと云う事だ。
対する菅直人の宴会は150人分の膳が廃棄されたと云う話で、実は200人近くを希求していたようだ。これはショックだったに違いない。その場で菅直人は自分が既に国家権力の頂点に立っているのを失念したような発言に終始していたようだ。「今年は自分らしさをしっかり出したい」、「臨時国会は守りに徹したが通常国会はそうはさせない。やりたいことをやるために権力を掌握する」今さら何を言っているのだろう。江田五月に至っては「首相なんだから、数など問題じゃない」誰も聞いてもいないのに、強がりを言っている始末。
にも関わらず、田崎・時事は「小沢は追い込まれた。政倫審で招致を議決する。強制起訴で離党勧告。応じなければ除籍だ」とまぁ嬉しそうに書いている。挙句に、いざとなると「ヤケクソで新党立ち上げか、一人離党して裏で糸引くかもしれない」等々と、自分達に都合の良いシナリオを語っている。半分以上頭が壊れている。
実は政倫審に出る時期について、ハンドリングしているのは小沢一郎だ。政倫審で議決してでも出席を決めると言うが、これが意外に難しい。なぜ難しいのか? 実は小沢側に「両院議員総会」と云う「核弾頭」を握られているからだ。
マスメディアが意識して「両院議員総会」の言葉を使っていないことが、それを怖れている証左だ。13日の「民主党大会」の言葉も使っていないのも、その関連だからだ。
時事等は「民主党内の綱引き」から「小沢追い込まれる」に論調を切り替えたが、業を煮やしたのだろう。
おそらく、小沢一郎。鳩山由紀夫・輿石東が菅政権に対し「挙党一致」を求める真意は、最終的に「菅直人君、辞職しなさい」と言っているに等しいのである。 たしかに、菅直人が首相である限り、政治は一歩も国民主体の政治になることはない。
野党に阿り、マスメディアに阿り、霞が関に阿り、米国に阿り、小泉回帰政権に拍車がかかるだけなのだから、政権交代時の民主党とはかけ離れた政権が続くだけに過ぎない。
実は我が国は議会制民主主義で、政党政治であるべきなのだが、現実の選挙などを分析する限り、首相の発信する国家の方向性や政策に対する反応が、色濃く「民意」となる傾向が強くなっている。つまり、政党支持よりも、直近の首相のイメージ及び政策の是非が問われる傾向が顕著だ。
或る意味で、国民の意識が理念性政治を求めず、風を追いかける日和見愚衆を沢山製造した結果なのだが、今さらその愚衆を責めても現実は待ってくれない。
その為、リアリズムで選挙を闘う寸前に居る地方の民主党勢力は「菅首相では絶対勝てない!」と主張する事になる、これが政治の現実だ。菅直人はじめ、現民主党幹部の多くは、選挙を馬鹿にしている! 民主主義の力の源泉である「選挙」を軽蔑している連中の集合体だ。つまりは、民主主義の否定論者だと非難しても構わんだろう。
彼等の拠って立つ御旗は「世論」なのだ。「民意」は無視して、マスメディアが作り上げる「世論」に阿れば民主主義が出来ると錯覚している。否、「民意」に尋ねるのが怖いのだろう。 既に述べたように ≪ 議会制民主主義で、政党政治であるべきなのだが、、現実の選挙などを分析する限り、首相の発信する国家の方向性や政策に対する反応が、色濃く「民意」となる傾向が強くなっている。つまり、政党支持よりも、直近の首相のイメージ及び政策の是非が問われる傾向が顕著だ。≫と云う事なので、それを知る為に「世論」を重視しようと、理念なき集団は「阿り」に走る。
その「世論」を追いかけ回しているのが菅政権なのだが、もう「裏切り者」と「政策なき男」と国民からレッテルを貼られ、見下されているのだから、何度選挙に挑んで戦おうと、連敗記録を更新するのみだ。流石のボンクラ民主党議員の50人くらいは気づいている。
あらためて主張するが、追いつめられているのは菅直人だ。勝負は「両院議員総会」と云う核弾頭の所持と13日の「民主党党大会」が雌雄を決するだけである。
小沢一郎の政倫審出席も強制起訴も離党勧告も、小沢の追い落としに役立つと云うより、菅直人の政治生命が追い込まれる節目節目に過ぎない。 筆者の推測で行くと、政倫審出席の議決も容易に行えないだろう。行う事で「核弾頭」がちらつく。
マスメディアは「首相、中旬に内閣改造か?」等と観測記事を書いて、民主党議員の菅離れを阻止しようとしているが、現実は菅直人の元での政権運営が議員達の足を引っ張っている。地元支持者に「政治とカネ」を叫んでも、国民から多くの支持が得られない事実を肌身で知っている。マスメディアが「政治とカネ」で議員が責められた〜と云う記事はガセだろう。
民主党が政権交代時の政権に戻りました と言える環境つくりに飢えているのが、民主党議員、地方議員の本音だ。 筆者は、菅直人が無事24日の週に開かれるはずの通常国会(常会)まで存続するのか、半々の確率で見ている。
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