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今年の政局は、3月と6月ころにヤマ場を迎えるのではないか−。永田町でささやかれている見立てによって今年の政界カレンダーを占えば、そういうことになる。言うまでもなく、最大の焦点は、平成23年度予算案の年度内成立をめぐり、1月召集の通常国会で繰り広げられる「ねじれ国会」下での与野党攻防にあり、その成り行きによっては、菅直人首相の退陣、もしくは、衆院解散・総選挙というシナリオもあり得るというのだ。
自民党の閣僚経験者は、通常国会の行方をこう見ている。
「予算案は、衆院の議決が優越されるから、野党がいくら嫌がらせをしても、2月下旬から3月頭にかけて民主党が衆院で議決してしまえば、手も足も出せない。ただ、予算関連法案は、野党多数の参院では否決できるし、民主党が衆院で再議決するといっても、『3分の2』ルールには、届くか届かないかの議席数だ」
予算案が憲法の定めにおいて、衆院優越で自然成立しても、その関連法案がたなざらしでは予算の執行はできない。当然ながら、首相の責任問題が浮上して菅氏は退陣を余儀なくされる、というわけだ。菅氏が首相のままでも、関連法案が成立しない場合には、5月下旬から6月にかけて衆院解散・総選挙を実施することで与野党が手を握り、暫定予算を組んで当面の国民生活を手当てすることも想定していた。
他の自民党など野党議員や民主党の大半も、似たり寄ったりの見通しが多い。政権浮揚させる好材料が見あたらないというお寒い政権事情が、「3月危機説」「6月危機説」に説得力を持たせているようにみえる。
ある政府関係者によると、首相は昨年12月上旬、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題やら、諫早湾干拓事業(長崎県諫早市など)にかかわる福岡高裁への上告断念やら、23年度税制改革の焦点である法人税の実効税率引き下げやらで、支持率を回復させることに並々ならぬ意欲を示していたらしい。
ところが、どれもこれも決定的な有効打とはならず、この関係者は後日、「首相にとっては、『3つの誤算』になってしまった」とこぼしていた。
もちろん、くだんの閣僚経験者の発言をうのみにすることはできない。求心力の低下が著しく、支持率低迷にあえぐ菅政権はくみしやすいとタカをくくっている節があるし、何よりも、自民党内には、「執行部は、公明党など他の野党との信頼関係を構築するため、本腰を入れて取り組んでいるのか。菅政権を追い込む気迫が伝わってこない」(別の幹部)との声もある。
さりとて、昨年、外交・安保、内政などにわたり、ことあるごとにつまずいた政府・民主党のつたない政権・党運営を振り返ると、まんざらなくはないと思えてくるから不思議である。
年の瀬の政治ニュースを一色にそめた「政治とカネ」問題をめぐる小沢一郎元代表の国会招致にしても、小沢氏から痛いところを突かれた感があった。
小沢氏は、通常国会の召集前だろうが会期中だろうが、衆院政治倫理審査会(政倫審)など「国会の場」で説明すべきだというのは、拙稿でもかつて、法的責任を果たすだけではなく政治的責任も果たせ、と指摘している。ただ、政倫審出席で国会審議が円滑に進められるなら、と条件をつけたのには、譲歩しつつも切り返した小沢氏のしたたかさがにじむし、首相としては一言もないのではないか。
つまるところ、菅体制に伏在している、その場しのぎで戦略性がなく、実に押しつけがましい体質は、「次を見越した一手」なのかどうか、見極めにくいのだ。小沢氏の出方にも、そうした暗意が込められているのは疑いようがない。
ただただ小沢氏が嫌いで、そのうえ、「小沢問題」を政権浮揚に結びつかせたい本音が透けている。首相たるもの、与党の党首たるもの、恨みや憎しみを買うよりは、畏怖されなければならないのに、首相がしていることは、小沢氏の憎悪を誘発しているだけで、むしろ政権基盤を揺さぶっており、怨念という消しがたい青白い火を足元につけてしまった。
肝心の野党も、小沢氏の政倫審への出席表明に対する反応は、参院で仙谷由人官房長官と馬淵澄夫国土交通相の問責決議を可決していることから、「問責がなかったことにはならない」(自民党の石破茂政調会長)などと一様に冷ややかだった。自民、公明両党は、通常国会の審議に応じない方針を決めており、そこに風穴をあけることもできなかった。
いわんや、4月に統一選を控え、さらには衆院解散・総選挙の可能性さえささやかれるのに、小沢氏が政倫審に出席したからといって、やすやすと野党が審議に応じるとは、にわかに信じがたい。
首相は3日まで年末年始のお休みで、通常国会に向け、内閣改造など政権の立て直し策にじっくりと考えをめぐらせることだろう。4日には年頭の記者会見を開くという。視界不良の政権運営を迫られる首相が、どんな方針を表明するのか。作り笑いを浮かべながら、けれん味たっぷりの弁舌をするのだけは勘弁してもらいたい。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/110102/plc1101020700001-n1.htm
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