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北朝鮮、韓国は協議離婚するしかない（下−終）

　2010/12/30(木) 午後 0:07

北朝鮮、韓国が軍事的ににらみ合い、「南進統一」「北進統一」と意地になって騒いでいる現状は、一般国民を不安にさせ、対立を煽り火事場泥棒的な算盤を弾く邪な連中を喜ばすだけである。
　ここまで感情化した以上、協議離婚して出直すしかあるまい。
　相互関係を曖昧にせず、国家としてクロス承認し、不可侵条約を結ぶことである。

　南北間には「南北間の和解と不可侵および交流・協力に関する合意書」がある。１９９１年１２月１３日に南北首相が署名し、翌年２月１９日に発効された。
　「南と北は分断された祖国の平和的統一を念願する民族の意に従い、 ７・４南北共同声明で明らかにされた祖国統一３大原則を再確認し、政治軍事的対決状態を解消して民族的和解を達成し、武力による侵略と衝突を防ぎ、緊張緩和と平和を保障し、多角的な交流・協力を実現して、民族共同の利益と繁栄を図り、双方の関係が国と国との関係ではない統一を指向する過程で暫定的に形成される特殊関係であることを認め、平和統一を成就するための共同の努力を傾注することを約しつつ、 通り合意した」として、「互いに相手方の体制を認め、尊重する」（第１条）、「相手方の内部問題に干渉しない」（第２条）、「相手方に対する誹謗・中傷をしない」（第３条）、「相手方を破壊・転覆しようとする一切の行為をしない」（第４条）などが定められた。
　
　しかし、3月の韓国哨戒艦沈没事件以降、それが危うくなり、先月の延坪砲撃戦で完全に反故になった。
　その原因を辿れば南北それぞれ言い分があるが、一つだけはっきりしたことは、合意書全文にある「双方の関係が国と国との関係ではない統一を指向する過程で暫定的に形成される特殊関係」がそもそもいい加減であったことである。
　「国と国との関係ではない特殊関係」が南北相互に相手を併呑する野心を抱かせ、陰で内政干渉を行い、今日の破局を招いたのである。
　その教訓を踏まえて、南北は明確に相互を国家として承認し、国際法上の条約によって主権不可侵を確認しあう必要がある。

　「ナショナリズムを超える南北関係と統一論試論」（　『朝鮮半島の和解・協力１０年』 所収）で「南北に異なるナショナリズムが生じている」と指摘したように、南北は言語や民族性に共通性を残すとはいえ、価値観、生活水準やスタイルなどで異国といってよい違いが生じている。特に、１９４８年の南北建国以後に生まれた世代にとって国歌・国旗とは学校で学んでものであり、互いに相手のことは全く知らない。
　先のサッカーワールドカップで在日の北朝鮮代表チーム選手である鄭大世（チョン・デセ）がブラジル戦前の北朝鮮国旗掲揚・国歌演奏の際に号泣している姿が韓国のネットで「わかる！」「頑張れ！」と大きな共感を呼び起こしたことがあったが、それが建国後世代の感性なのである。
　
　南北の異なるナショナリズムを可視化させたのが延坪島砲撃戦であった。
　「南北は同一民族であるから統一は当然だ」は旧世代の幻想でしかない。

　無論、南北がクロス承認したからといって分断が永久に固定化するわけではないことは、東西ドイツが相互に主権国家として承認した基本条約（1972年12月署名、1973年6月発効）によって国境を安定させ、平和的に統一へと向かった事実一つ見ても明らかである。
　南北いずれが統一を主導するかは、一握りの政治家ではなく、国民が決めることである。

　統一のための統一は非現実的な虚妄であり、何のための統一かが問われる。
　統一は南北の国民が平和と繁栄を享受できるものでなければならず、南北の為政者が国民の幸福と生活向上のために何をしたか、国民はそれをみている。

（新世紀人コメント）

河さんの胸のうちを察します。何とか対立が深まらないようにとの思いなのでしょう。
日本がもしも朝鮮半島のようになっていたら…と私は時々考えるのですが、日本ではその様な観点にはあまり出会うことがありません。
日本からの独立直後に南北対立のレールが国際政治秩序によって敷かれてしまった訳ですから、私には南北朝鮮の人達が大変に気の毒に思えるのですが、日本人の間では他人事に考えられているのが残念です。
満州残留孤児問題やシベリア抑留については辛い思いを吐露する日本人ですが、もう少し戦争が長引いていたならば日本の南北分断もありえた訳です。
朝鮮半島の平和と安定を近隣国民として真に望みます。

http://youtu.be/watch?v=R9CtlOVY8Zo&feature=related
イムジン河(リムジン江)♪ザ・フォーシュリーク※昭和の名曲※

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