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「『暴力装置』でもある自衛隊、ある種の軍事組織でもありますから…」
どうにも影の薄い菅直人首相を差し置いて、臨時国会ではすっかり政権の主役として君臨した仙谷由人官房長官。口を開けば失言、暴言、迷言がポンポンと飛び出した。
中でも強い印象を残したのは、沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件をめぐり、中国人船長を釈放した政府の対応を追及されて発したこの一言だろう。
「弱腰だというが、『柳腰』という、したたかで強い腰の入れ方もある」
柳腰は元来、女性のしなやかな腰つきを示す言葉。ご本人は「二枚腰」「粘り腰」のような意味で使ったのだろうが、明らかな誤用であり、外交関係を表すには、あまりにも不適切な表現だった。
ただ、誇り高き仙谷氏は誤りをやすやすと認めはしない。「私は女性ほど強いものはないと思っているし、柳はどんな強風が吹いてきてもゆらゆらとゆれながら、したたかにしなやかに対応している」と述べ、「柳に風」で自身の発言を正当化した。
弁護士資格を持ち、歴史に造詣が深いと自負する仙谷氏だが、基本的な間違いを露呈することも。記者会見で「ロシアとはまだ平和条約が結べていない。戦争状態を終わらせるにはどうしたらいいのかということだ」と深刻ぶったが、昭和31年の日ソ共同宣言で、法的な意味での戦争状態は終わっている。
高らかに宣言した「柳腰外交」は、中国だけに向けられたものではない。
「日韓基本条約も1つのけじめだが、市民レベル、庶民レベル、民族レベルでいろいろなものが残る」
日韓併合100年にあわせた首相談話に関連して記者会見ではこう述べた。日韓基本条約などで韓国の対日請求権は放棄されているが、「市民レベル」ではまだまだ謝り足りないと言いたいようだ。
この対日請求権問題では、さらに論理の飛躍も見せつけた。
「法律的に正当性があると言って、それだけで物事は済むのか」
確かに、中国人船長の釈放は法律的にはある意味で正当かもしれないが、それだけで物事は済まないことは、大勢の国民が実感しているところだ。
また、船長釈放をめぐっては、自民党の丸山和也参院議員が、仙谷氏と電話で交わした会話の内容を暴露した一幕もあった。訴追し、判決を得て送還するのが法に従った措置だと迫った丸山氏に対し、仙谷氏はこう答えたとされる。
「APEC(アジア太平洋経済協力会議)が吹っ飛んでしまう」
お得意の政治主導で船長釈放も決めるのが柳腰外交の真骨頂とみえる。しかしこの際、仙谷氏は自身の“健康問題”をあげて釈明に努めることもした。
「最近健忘症にかかっているのか…。電話で暴露されたような会話をした記憶は全くありません」
確かに忘れっぽい人ではある。「『この新聞記事は本当かどうか』なんていう国会質問は聞いたことがない。最も、最も、最も拙劣な質問方法だ」と国会で質問者に食ってかかった場面があったが、自身が以前に新聞だけでなく、週刊誌の記事も引用して質問をしていたことはすっかり忘れていたようだ。
丸山氏との一件で形勢が悪くなると、ついには“逆ギレ”してみせた。
「いいかげんな人のいいかげんな発言に、まったく関与するつもりはない」
仙谷氏の迫力、恫喝(どうかつ)力には目を見張るものがある。委員会に野党の要求で招致され、菅政権の天下り対策に批判的な答弁をしたキャリア官僚を前に言いはなった一言は圧巻だった。
「職務と関係ないことでこういう場に呼び出すやり方は、はなはだ彼の将来を傷つけると思います。優秀な人であるだけに、大変残念に思います」
一連の失言を追及され、「不適切な答弁があったことを謝罪する」と神妙に頭を下げたこともあった。だが、その後の記者会見では、不適切答弁の具体的な中身について聞かれると、不機嫌に「ノーコメント」を6連発した。
こうした一連の対応で、産経新聞をはじめ、メディアから激しい批判を受けるのは当然なのだが、メディアにこんな反撃をしかけてきたこともある。
「産経新聞はそのうちキャバクラの広告を載せるのでは」
職業に貴賤はない。民主党にもキャバクラ勤務経験がありながら、立派に務めを果たしている国会議員がいる。仙谷氏は何を言いたいのか。
国会の委員会の席上で、漁船衝突事件についての「厳秘」資料を広げているところを報道陣のカメラに撮影された。委員会でそのことを問いただされると、カメラマン席を指さしながら、こう言い放った。
「あの辺から望遠レンズで『盗撮』されたようだ」
正当な取材活動を盗撮呼ばわり。さらには「望遠レンズ、拡大レンズはサッカー場とか野球場の話だろう。国会の内規、慣行として(規制を)検討を」と、報道規制にまで言及した。
数え上げればきりのない、仙谷氏の“名言”。ご本人の自己評価もすこぶる高い。
「今の閣僚の中で(私の答弁が)まあ一番こなれがいいのではないかと…」
自分を客観視するのは難しいものだ。それを思い出させてくれる仙谷氏は、立派な反面教師だといえよう。(千葉倫之)
◇…仙谷官房長官語録…◇
▽棚上げ
メディアが自らのポジションを棚に上げて(世論調査して)いる。何が重要か立場を明らかにして議論すべきだ(7月5日、支持率低下について記者会見で)
▽左うちわ
菅政権ができたときには左うちわの選挙になると思っていたが、そうは問屋が卸さない(7月6日、支持率低下について地元・徳島県の会合で)
▽政治は数
全共闘のときの『孤立を恐れず』を政治の場でやるとすってんてんの少数派になる。政治をやる以上は多数派形成をやる(7月7日、講演で)
▽法的正当性だけで済まぬ
(韓国政府の戦後個人補償放棄に)法律的に正当性があると言って、それだけで物事は済むのか(7月7日、日本外国特派員協会の記者会見で)
▽庶民レベルでは
日韓基本条約も1つのけじめだが、市民レベル、庶民レベル、民族レベルでいろいろなものが残る(8月4日、記者会見で)
▽柳腰外交
弱腰だというが、「柳腰」というしたたかで強い腰の入れ方もある(10月12日、衆院予算委員会で)
▽しなやかに対応
私は女性ほど強いものはないと思っているし、柳というのはどんな強風が吹いてきても、ゆらゆらとゆれながら、したたかに、しなやかに対応している(10月13日、記者会見で)
▽最も拙劣
「この新聞記事は本当かどうか」なんていう国会質問は聞いたことがない。最も、最も、最も拙劣な質問方法だ(10月14日、参院予算委員会で)
▽恫喝
職務と関係ないことでこういう場に呼び出すやり方は、はなはだ彼の将来を傷つけると思います。優秀な人であるだけに、大変残念に思います(10月15日、参院予算委員会で)
▽健忘症
(丸山和也の電話暴露に)健忘症か分からないが、今暴露された会話の記憶がない(10月18日、参院決算委員会で)
▽いいかげんな人
いいかげんな人のいいかげんな発言にまったく関与するつもりはない(10月19日、記者会見で)
▽ノーコメント6連発
ノーコメントだからノーコメントだ(ノーコメントを6連発)(10月22日、記者会見で)
▽キャバクラ
産経新聞はそのうちキャバクラの広告を載せるのでは(10月29日、閣議開始前に)
▽戦争状態?
ロシアとはまだ平和条約が結べていない。戦争状態を終わらせるにはどうしたらいいのかということだ(11月8日、記者会見で)
▽盗撮?
あの辺から望遠レンズで盗撮されたようだ(11月9日、衆院予算委員会で)
▽冷戦思考
(菅政権の外交姿勢が)不安とおっしゃる方は19世紀型か冷戦思考型(11月10日、記者会見で)
▽報道規制
望遠レンズ、拡大レンズはサッカー場とか野球場の話だろう。国会の内規、慣行として(規制を)検討を(11月12日、記者会見で)
▽暴力装置
暴力装置でもある自衛隊(11月18日、衆院予算委員会)
▽こなれがいい
今の閣僚の中で(私の答弁が)まあまあ一番こなれがいいのではないか(11月22日、記者会見で)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/101230/stt1012301800003-n1.htm
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