http://www.asyura2.com/10/senkyo103/msg/321.html
Tweet |
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/?itemid=33963&blogid=5&catid=15
2010年12月19日
果たして国民が納得するか
財源論議で最後まで迷走した政府税制調査会が、やっと2011年度の税制改正大綱をまとめた。
焦点だった法人所得課税は、菅直人首相の指示で法人税の実効税率を5%引き下げるなど大型減税となった。一方、個人所得課税では、所得税の給与所得控除や成年扶養控除を縮小。資産課税でも相続税の非課税枠が縮小されるなど、富裕層を対象とした「増税ラッシュ」が目を引く。
果たして将来を見据えた熟議の末、持続可能な経済成長と財政再建のために必要と判断しての結論なのか。政府、与党は国民が納得できるよう、先行きに対する明確なビジョンを含めて、きちんと説明すべきだ。
■産業界から返答なく■
経済成長をけん引するのは企業だ。企業が元気になって、雇用や賃金状況が好転すれば、家計にも明るさが戻る。グローバル競争が激化する中で、閣議決定した「新成長戦略」の実現に向け、韓国や中国に比べて高い法人実効税率を引き下げるのは理解できる。
ただ法人税減税を求めた産業界や経済産業省は、減価償却制度や繰越欠損金の見直しは認めたものの、代替財源としては不十分だ。
菅政権は、歳入減や歳出増を伴う施策を新たに導入する際には、それを補う安定的な財源を手当てする「ペイ・アズ・ユー・ゴー」原則を定めた。その原則が最初からつまずいたのでは、国民の信頼を損ないかねない。
さらに菅首相は日本経団連などに「(減税の狙いは)雇用を守り育て経済を成長させるため。働く皆さんにも分配されるよう約束いただきたい」と迫ったが、産業界から明確な返答はなかった。
■別の増税で財源確保■
3歳未満への子ども手当を上積みする財源には、所得税の給与所得控除と成年扶養控除の縮小による増収分が充てられることになった。子ども手当は、政権交代を実現した衆院選マニフェスト(政権公約)の目玉だけに、民主党の強い要請もあったようだ。
だが公約は、予算の抜本的な組み替えや配偶者控除の廃止で財源を生み出す、としていたはずだ。それが事業仕分けで十分な財源を掘り起こせず、配偶者控除の廃止も来年の統一地方選を控えた民主党の反対で頓挫したことから、全く別の増税で財源を確保した。場当たり的と言わざるを得ない。
税制改正論議が迷走した原因は「司令塔」の不在にある。菅首相は民主党の政策調査会を復活させ、国民や業界から幅広く意見を聞いた。しかし党の税制改正プロジェクトチームは、権限も調整能力も不足しており、肝心の財源確保策などは政府に丸投げ。政府も仙谷由人官房長官への問責決議など閣内に不安要素を抱え、官僚任せのつじつま合わせに終始した。
「霞が関埋蔵金」などに頼る小手先の一時しのぎはもはや限界にきている。税体系全体の抜本改革に本腰を入れて取り組むべきだ。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK103掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。