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小沢一郎元代表の政治とカネの問題や外交上の不手際などによる民主党への強烈な逆風を受け、来春の統一地方選の準備を進める東京都多摩地区の党関係者は頭を痛めている。
特に市議選に公認や推薦で立候補を予定している現職や新人たちは「厳しい。昨年の政権交代前と全然違う」と危機感をあらわにし、中には名刺から「民主」を隠す人も。党勢拡大を目指し、立候補予定者は前回より増える見込みだが、「食い合い」を危惧する声が漏れている。
「これまでで一番の逆風。土砂降りだ」
東村山市議選に公認で出馬予定の現職・木内徹氏(61)は、風当たりの強さをそう表現する。「街を歩いていると、マニフェストの実現が中途半端などと有権者から叱られることもある」とため息をつく。
同市議選は、来年の統一選から定数が1減の25となる。しかし、現職2人に加え、新人も3人が公認で出馬する予定。「政権与党である以上、市議会にある程度の人数が必要」と話すが、「票の食い合いにならないようにしないといけない」と不安をのぞかせる。
多摩地区のある現職市議は、名刺の表に印刷されていた民主党のマークを、裏に印刷するよう改めた。「党への風当たりはかなり強い」と話し、「批判の矢面に立たされるので、街頭演説は出来ればやりたくない」と弱音を吐く。
民主党の推薦を受けて出馬することにした多摩地区のある現職市議は、「支持者から『なぜ民主党なのか』と言われる」と困惑する。閣僚の失言や小沢氏の政治とカネの問題などについて責められるといい、「ここまで批判されるとは予想していなかった」と話す。
東大和市では、市長選に独自候補を擁立できずにいる。地元総支部関係者によると、党への逆風も影響しているといい、同市の現職市議・大后治雄氏(42)は「我々が応援することで足を引っ張ってしまう懸念もある」と苦しい胸の内を吐露する。
民主党は、政権交代は成し遂げたものの、地方議会では依然として少数勢力にとどまる。国政選挙などに向けた“足腰強化”のため、来春の統一選での躍進は重要課題だ。多摩地区の民主党総支部関係者によると、「都連からは、各議会で定数の25%を民主党議員で占められるようにと指示されている」という。
民主党への追い風が吹いた昨年の都議選で初当選した多摩地区の現職都議は、当時と比較してこう語った。「昨年は政権交代に向けた期待感があった。今は有権者のあきらめを感じる。正直、選挙が昨年でよかった」
(2010年12月28日07時45分 読売新聞)
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