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『「ジャーナリスト同盟」通信』2010年12月28日 本澤二郎の「日本の風景」(642)から下記を転載投稿します。
=転載開始=
<ワシントンの罠>
アメリカという国のことについて教えてくれた人物というと、宇都宮徳馬である。彼はリベラル・民主主義の明るいアメリカを、同時に産軍複合体のアメリカを教えてくれた。後者が突出すると、戦争するアメリカとなる。ベトナム戦争だけではない。年中、地球のどこかで武器・弾薬を行使している覇権国家・帝国主義国家である。市民・労働者のための民主国ではない。
戦争国家の犠牲者は決まって弱者・貧しい家庭の若者である。先陣を切るのは黒人兵である。第二次世界大戦では日系人の若者も多く犠牲になった。彼らは自らの自由と地位を確保するためにワシントンに命を捧げた。
先住民を蹴散らしてしまったという点では、アイヌ人を消してしまった日本の明治政府と同じで、相当野蛮な国と政府だった。自由と人権の国とはとても呼べない。
戦争には、必ず罠を仕掛けた。其の最初の罠が今から100年前に試されて、見事に成功している。同じ手口を現在も続けている。それがワシントンなのである。ワシントンとの交流には相応の覚悟を求められるだろう。
今日までアメリカ帰りの日本人は、多少の英語を覚えたりして帰国するものだから、ある種の敬意でもって接する市民ばかりだった。それはジャーナリストにもいえた。しかし、気がついてみると、彼らはワシントンの謀略機関のCIAの手先にされたりしている。要注意なのである。
<戦艦メイン号の爆沈事件>
さて話は100年前にさかのぼる。アメリカ史を研究している者やスペインの過去を学んでいる者なら、戦艦メイン号の爆沈事件を知っているだろう。筆者は知らなかった。
アメリカとスペインの戦争の発端が、アメリカの最新鋭艦のメイン号が突如、海底に沈没したことが引き金となった。当時は映画が誕生したころで、これが世論誘導の武器となった。ワシントンの自作自演の戦艦爆破事件で多くの米兵が亡くなり、悲惨な葬儀も映像で次々にアメリカ市民の目に飛び込んだ。そして原因究明の調査委員会が「スペインの機雷による仕業」と発表するや、国内は偏狭な民族主義と愛国心の塊になって燃え広がり、その勢いの中でスペインに宣戦布告するのである。「メイン号を忘れるな」がアメリカ市民を戦場に送り込んだ兵士の合言葉となった。マッキンレー大統領の手柄となった。キューバはこのとき独立したのだが、実際は主人がスペインからワシントンに交代しただけだった。
この戦艦爆沈事件は1898年2月15日である。日米開戦では「真珠湾を忘れるな」である。産軍体制が確立する中で、米西戦争はワシントンの罠に引っ掛かってスペインは敗北した。スペイン人は今もこのことを覚えているかもしれない。
<韓国・哨戒艦事件も同じ手口か>
この100年前の事件を、今年の韓国・哨戒艦事件の撃沈と照らし合わせてみると、実に興味深い結論が引き出せそうである。100年前は映画による宣伝だったが、今回はテレビである。その波及効果ははるかに大きい。
筆者は軍事専門家ではない。それでも北朝鮮の艦船から発射した魚雷を事前に全く察知できなかったという哨戒艦について疑問を抱く。第二にその魚雷が哨戒艦の真下の海底で突然爆発するという事態を想定出来ない。常識的に見て、哨戒艦船底に保管してある大量の爆薬を爆破させたのであろう。それゆえに艦は真ッ二つに折れて沈没したのだ。CIA工作とみたい。
この後処理が100年前とそっくりだ。調査委員会を立ち上げて「犯人は北朝鮮」と決めつける。一方で亡くなった悲劇の兵士の葬儀を大々的に報道する。韓国民の気分を一変させてしまった。南北対話どころではない。6カ国協議も潰してしまった。東アジアを新たな戦争雰囲気に巻き込む。同時に韓米自由貿易協定を強行する。ワシントンと財閥大統領の思惑一致のシナリオではないだろうか。
<日本も巻き込む>
日本では60年安保の廃棄論を抑え込んでしまった。沖縄の基地問題も封じてしまい、ワシントンが警戒した鳩山内閣を退陣、あまつさえ残りの邪魔者・小沢排除も。日米韓の軍事態勢の強化を瞬く間に完成させている。
CIA工作への疑念は深まるばかりである。東アジアを繁栄の弧にする計画を頓挫させた。あまつさえ日本の米軍基地の永続化を、日本国民と愚かな政治家に押し付けてしまった。平和・軍縮の潮流を掃き消してしまった。
日本の防衛大綱は、あろうことか中国仮想敵で見直してしまった。半島の南北対立は、同時に日中対決へと追いやってしまったのである。
驚くべきは、こうしたワシントンの罠に議会も言論界も全く反応していない。政界は小沢排除一色である。馬鹿もののような宰相は、それでも「まだやる」と息巻いている。断末魔・亡国そのものの日本政府であろうか。
<100年前に確立した産軍複合体のアメリカ>
メイン号事件についてスペインとアメリカの研究者は承知しているはずである。知らなかった筆者などは、正に不徳の致すところだが、言えることはワシントンの闇の実権者である産軍複合体は、既に100年前に確立していたことになる。
表向き自由と民主を宣伝するワシントンだが、見えない腹の中身は軍国主義・帝国主義に凝り固まっている。違うだろうか。こんなアメリカに信頼感をずっと抱いてきた筆者も、歴史を知らない愚か者の日本人でしかなかった。
アメリカ人は愛すべき人たちだが、ワシントンの黒幕には相当の覚悟を求められよう。その従僕となってしまった前原ら政経塾の面々にも、格段の視線を必要とするだろう。
2010年12月28日記
=転載終了=
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