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http://ameblo.jp/asuma-ken/entry-10749129494.htmlより引用:
民主党の抗争激化――政権崩壊の危機をはらむ「小沢切り」の行方
テーマ:政局
2010-12-27
民主党の抗争激化――政権崩壊の危機をはらむ「小沢切り」の行方
(日本の論点2010.12.23) http://p.tl/XAzD
*このコーナーでは、『日本の論点』スタッフライターや各分野のエキスパートが耳寄り情報、マル秘情報をもとに、政治・経済・外交・社会などの分野ごとに近未来を予測します。
小沢一郎元代表の国会招致をめぐる民主党の抗争は、菅直人首相と小沢氏のトップ会談(12月20日)が決裂したのを受けて激化し、党分裂による政権崩壊、政界再編の可能性が出てきた。当面の焦点は、首相サイドが「反小沢」路線をいっそう強め、衆院政治倫理審査会への招致議決、証人喚問へと強硬手段に突き進むかどうかだ。対抗上、小沢サイドは系列議員の政務三役(大臣・副大臣・政務官)の集団辞任、さらには緊急の両院議員総会開催を実現させ、首相らの責任追及に乗り出す構えを見せているが、こうした「激突」コースの行きつく先は、最悪の場合、内閣というより、民主党の崩壊である。
菅首相がここにきて強気の「小沢切り」に出ている背景には、「政治とカネ」をめぐる小沢問題に決着をつけない限り、20%割れ寸前に落ち込んだ支持率は回復しないという焦りがある。6月の組閣、9月の代表選でいずれも「反小沢」路線を打ち出して成功したことから、「指導力をアピールする切り札」(首相側近)と考えているわけだ。だが、“三匹目のドジョウ”を狙うにしては、ハードルが高い。なぜなら、いまの執行部に、全会一致が原則の役員会において親小沢系議員を排除してまで、政倫審への招致議決や証人喚問を実現させるだけの突破力があるとはとても思えないからだ。
参院民主党を束ねる輿石東参院議員会長は、党の結束を重視する立場から、小沢グループとの協調を、と首相に説いてきた。具体的には、人事面で挙党体制をつくること、「トロイカ体制(鳩山由紀夫前首相と小沢元代表を要職起用)の再構築」がそれだ。しかし、「反小沢」の急先鋒である仙谷由人官房長官がこれに強く反対、そのうえ菅首相自身、「民主党のガンである小沢切りを実現して次の世代にバトンを渡そう」と側近らに説得されていることもあって、最近は「(菅首相は)壊れたテープレコーダーのように同じことを言うだけ」(輿石氏)と愛想をつかし始めている。小沢氏も20日のトップ会談で、首相が「感情的で興奮していた」ことを暴露し、「仲間という感じがしない」と突き放した。
輿石氏らの反対で、20日の役員会における招致決定は、いちおう27日に先送りされた。首相らは「国会閉会中の方が国民に迷惑がかからない」と早期決着を主張するが、党内では年明けに持ち越されるとの見方が広がっている。というのも、民主党の抗争を尻目に、自民、公明の野党は、とっとと政倫審への招致議決に反対を表明、小沢氏の証人喚問を要求する戦術に転換したためだ。いうまでもなく野党に同調してまで菅サイドに「小沢切り」の覚悟があるのかどうか、まずは踏み絵をしてみようという腹にほかならない。
抗争の結末はどこへ向かうのか。可能性として、党崩壊を回避しようという“良識”が最後にはたらき、急転、「和解」コースに動いていくことがまず考えられよう。1月中には小沢氏が起訴され刑事被告人となることを踏まえれば、菅首相が政倫審招致議決や証人喚問を断念して問責決議を受けた仙谷由人官房長官の辞任を容認し、1月の通常国会召集前に内閣改造をおこなうということで挙党体制がつくれる。
次に考えられるのが、小沢氏が自ら政倫審に出席を申し出、これを受けて仙谷氏も辞任、挙党人事をおこなうという「軟着陸」コースだ。「激突」コースは、強行突破を図る首相サイドと小沢サイドが緊急の両院議員総会で対決、最後は分党または新党へと突き進まざるを得ず、その先には菅首相の不信任案可決、解散、政界再編という事態が待っている。少なくとも、菅首相にとっては最悪の選択肢だ。このほか、ほとんど可能性は少ないが、小沢氏だけが単独で離党、裁判闘争に徹する「小波乱」コースも考えられうる。いずれ菅政権は行き詰まるとの小沢氏の見立てだ。
表面的には防戦一方に見えなくもない小沢サイドだが、民主党の中堅幹部(中間派)は「むしろ実態は逆で、生きるか死ぬかの瀬戸際に追いつめられているのは菅サイドの方だ」という。理由は、仙谷氏ら首相サイドが小沢氏に離党勧告を突きつけ、かりに小沢氏が離党したばあい、小沢氏に追随するのは多くても30人ぐらいだろうと分析していることがそもそも分かっていない証拠。代表選で半数近い200人の支持を得た実績を考えれば、鳩山グループや輿石氏ら参院議員の大半が沈没寸前の菅首相に見切りをつけるのは早い。いざ分党となれば180人近い人数に膨れ上がるというのである。選挙で生き残ることを最優先する議員心理が、小沢サイドを「勝ち馬」に仕立て上げるというわけだ。
さらに見逃せないのは、反小沢サイドが菅首相の続投か、代えても岡田克也幹事長、前原誠司外相を立てようとしているのに対し、小沢サイドでは、分党ないし新党結成となれば、連立にしろ、統合にしろ、総選挙に勝利して次の政権を握るために、首相候補に思い切った若返りを考えていることだ。水面下では、野田佳彦財務相、原口一博前総務相、松本剛明外務副大臣らの名前が取りざたされている。いっぽう、自民党の反執行部グループやみんなの党、国民新党、新党改革、たちあがれ日本との連携も水面下で働きかけている。繰り返すようだが、政局は動き出したら早い。
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