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今や「憲政史上最低の首相」といった評価すら定着した感のある鳩山由紀夫氏。在日米軍海兵隊をめぐり「最低でも県外」と言っていたはずが、いつの間にか「（海兵隊の沖縄駐留が）学べば学ほど抑止力を維持していることが分かった」と発言をコペルニクス的に転換させたのは、つい半年前のことだった。今さら鳩山氏の“朝令暮改”には驚かない覚悟ができていたつもりだったが、やはり今回の引退撤回発言の中身を聞いてみると、鳩山氏の宇宙人ぶりには改めて慄然（りつぜん）とさせられる。鳩山氏は１８日、地元の北海道苫小牧市の後援会役員で次のように述べている。
「国益ということを中長期的に考えたときに、外交案件に関して、自分なりの役割を議員バッジを付けて果たすことが望ましいか、付けなくても十分にこなすことができるか自問自答した。多くの方の話も伺ったが、やはり国会議員として行動してもらいたいというお気持ちもたくさん頂戴（ちょうだい）したところだ」
日米安保改定５０年という節目に「日米同盟」を漂流どころか破綻（はたん）の瀬戸際まで追い込んだ“張本人”自ら、地元後援会という「身内」を前にした会合で「議員として活動することが国益だ」といった総括を聞かされると、鳩山氏のモットーは友愛ではなく、自己愛なのではないかと言いたくもなる。しかもその活動領域が外交というに及んでは、もはやブラックジョークと言うしかないだろう。仮に各種メディアが世論調査を実施すれば、「鳩山氏が議員活動を続けることこそ国益に反する」という真逆の結果が出ることは火を見るより明らかだ。しかし、当のご本人はマジメに「自分が議員活動を続けることこ国益だ」と考えている節がありそうだ。これぞ宇宙人の面目躍如といったところなのだろう。
さらに、鳩山氏は６月２日の首相辞任表明の会見で小沢一郎民主党元代表についても、こう述べていた。
「（政治とカネの問題では）小沢幹事長にも政治資金規正法の議論があったことも皆様方、周知のことでございます。私も引きます。しかし、幹事長も恐縮ですが職を引いていただきたい。そのことによって新しい民主党、よりクリーンな民主党を作り上げることができる、そのように申し上げました」
この半年間に新しい民主党ができたかどうか、日本人なら皆知っているのだが、鳩山氏は１８日の苫小牧の会合で、「民主党を政権交代できる政党に高めることができたのは、小沢先生と合流して民由合併をなしえたからだ」などと「政治とカネ」には全く触れないまま、最大限に称賛してみせているのだ。
菅直人首相が政権運営に行き詰まりを見せているのは内閣官房長官という要のポストに「平成の失言王」ともいえる仙谷由人氏を起用し、参院で問責決議案が可決しても続投を容認している人事権者としての資質の問題もあり自業自得といえるだろう。それでも、現政権まで普天間移設問題や政治とカネの問題で厳しい局面を迎えている点においては鳩山氏も「共犯」なのは間違いない。
鳩山さん、あなたが真の愛国心というものをお持ちなら、「やっぱり辞めた」というしかないのが現実なんですよ。（森山昌秀）
◇…先週の永田町語録…◇
（２０日）
▽事実に反する
岡田克也民主党幹事長 鳩山政権時も厳しい戦いをしている。菅政権になって急に悪くなったというのは事実に反する。（苦戦が続く地方選に関し記者会見で）
▽あり得ない
市田忠義共産党書記局長 党首が一兵卒の小沢一郎元代表に「国会に出なさい」と言い「分かりました」と言わせられないのは、近代政党として情けない。共産党ならあり得ない。（小沢氏の政治倫理審査会への出席拒否について記者団に）
（２１日）
▽ありがたい
菅直人首相 私のやっていることはその日のこともあるし、長期にわたっていることもある。自分のブログだから、そういう問題もきちんと伝えることができるのは大変ありがたい。（自身のブログについて記者団に）
▽国民にマイナス
小池百合子自民党総務会長 政府、政権与党の責任を放棄し、一兵卒の問題でエネルギーを費やすのは国民にとって非常にマイナスだ。（小沢一郎民主党元代表の国会招致に関し記者会見で）
（２２日）
▽質問受ける立場
菅直人首相 国会審議は質問を受ける立場なので、議論したくても言う機会がなかった。内閣として取り組んでいることをいろいろな場を通して伝えたい。（自身の情報発信について記者団に）
▽来年、年男として
平沼赳夫たちあがれ日本代表 保守基調の第３の流れを起こす起爆剤になりたい。７０歳を超えたらのんびりしたいと思ったが、そうは言っていられないので年男として頑張る。（来年の抱負について記者会見で）
（２４日）
▽靴下に満足
岡田克也民主党幹事長 わが家は２３日にクリスマスイブを祝った。娘から靴下をもらったので大変満足している。それに勝るものはない。（クリスマスプレゼントについて記者会見で）
▽しっぽ切り
渡辺喜美みんなの党代表 トカゲのしっぽ切りだ。日ロのみならず、日中、日米関係もパイプがずたずただ。民主党政権は外交、安全保障の面で国家経営ができていない。（駐ロシア大使更迭について記者団に）
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101225/plc1012251802009-n1.htm
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