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岡田幹事長は22日午後の日本記者クラブでの記者会見で、2011年の同党の取り組みとして「マニフェストで約束しながらできないものについては、国民に対して説明する機会が必要だ」との考えを示した。次の予算編成までには、その機会が必要だとしているけれど、政権交代して1年と数カ月の間に民主党が行ったのは、自民党政治の否定と日本の混乱。
やると言ってやれなかったことは、何も民主党だけでなくて、自民党時代にもあったとは思うけれど、ここまで民主党が愛想を尽かされているのは、単にマニフェストを守れなかっただけではなくて、やらなくてもいいこと、または、政権与党であれば、この程度は最低限やれてしかるべきことがやれてないからだと思う。
プラスを公約して、結果としてゼロでしたではなくて、ゼロ扱いして隠しておいてことを、下手打って、マイナスにした弊害を忘れちゃいけない。普天間しかり。増税しかり。TPPしかり。思い付きと行き当たりばったりの繰り返しで、積み上げどころか、日本の土台を破壊してまわってる。目下のところは、外交と景気対策が最優先課題の筈なのに、夫婦別姓法案だの諫早上告断念とか、後でもよいものばかりやっている印象しか受けない。
子供手当の為に増税しても、富が移転するだけで、GDPが拡大するわけじゃないし、法人税減税をしても、返す刀で内部留保に税金を掛けられては意味がない。もともとゼロだったものをマイナスにした失態の釈明もせず、責任も取らない態度が、民主党への失望を呼んでいることを自覚する必要がある。それに、1年半もかかって出来たことが殆どないのに、残り2年半で出来る保証がどこにあるのか疑問が残る。
それでなくても、今は、捻じれ国会。法案一つとて簡単には通らない。菅政権は、なんとか来年の通常国会で予算を通そうと躍起になっているけれど、予算を通すためには、野党の協力を得るか、衆院2/3を使うしかない。その為に、社民党にすり寄ったり、自民との大連立を図ったりしているけれど、政策そのものの隔たりや、小沢抜き解散総選挙などの条件を突きつけられて立ち往生している。
普通は、解散するか、小沢氏を除名処分にして、内閣総辞職にするかしない限り、展望は拓けないと思うのだけれど、菅政権はそこまで踏み切れないでいる。専ら、小沢氏の政倫審へなんとか出席させようとしているけれど、軽く拒絶される始末。巷では、小沢氏が離党して新党を立ち上たとしても、ついていく人も左程いないだろうと見られていて、いよいよ小沢氏も追いつめられたと言われているのだけれど、先日のネット動画に小沢氏が生出演したといい、傍から見るかぎり、小沢氏側は特に慌てている風にも見えない。
むしろ、実に淡々としていて、執行部に対して除名できるものならやってみろ、とばかり腹を据えたようにも見える。こうなってしまっては、党執行部も取扱いに困ってしまう。本来であれば、自発的に政倫審なり何なりに出て、シロでもクロでも喋って貰って、「政倫審に出た」という実績を持って、野党との連携協議に移りたいところなのに、幹事長でも首相でも、小沢氏を動かすことができないとなると、世間はどう見るか。
勿論、ダークな小沢氏はやはりどこまでいってもダークなんだな、という世間一般の評判は揺るがないだろうけれど、同時にやっぱり、菅や岡田では駄目だ、という評価も出来上がる。だけど、小沢氏を政倫審に引きずりだす、又は離党勧告なり除名なりして小沢氏を切らない限り野党の協力は得られない。だから、このまま半ば持久戦的に時間だけ過ぎるようになると、今度は党執行部のほうが苦しくなる。
そういう状況下で、小沢氏は、自分の発言が恣意的に編集されることのないネット動画に生出演して、自己主張をしている。そして、小沢氏は、今回のネットインタビューの中で、11月の横浜市でのAPECで、中国の胡錦濤主席と会談していたことを明らかにした。しかも、胡錦濤主席側から会いたいというから、自分は会うつもりはなかったのだけど会った、という経緯までわざわざ説明している。
これは、菅首相が胡主席との会談をセットして貰うために、尖閣問題に触れません、前原大臣には反省させます、と、土下座ばりに這いつくばったこととは正反対。しかも、胡主席との会談で、菅首相がメモを見ながらの形ばかりの会談だったのに対して、小沢氏は、胡錦濤主席に対して、中国政府の統治手法に限界があると意見したと語っているから、これが本当だとしたら、世界は、どちらが日本の実力者だと思うかは論をまたない。
恐らく、小沢氏はこうした情報のリークによって、どういう影響を及ぼすかまで計算づくで話しているのだろう。着々と打てる布石は打っている印象がある。民主党は既に地方から崩壊を始めている。このまま、菅首相サイドについていっても泥船だと民主党議員の多くが自覚したときには、もう手遅れになっているかもしれない。
http://kotobukibune.at.webry.info/201012/article_24.html
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