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2010年12月25日
最近の菅直人政権の動きに関わらず、我が国の領土も国民の富も、場合によれば生命さえも、「我がモノと信じ切って疑わない米国」と云う国家の事を、国民は真剣に考えるべき時代が来ていると思う。
筆者も脳裏にはあるのだが、意外に米国の事にまで思いが及ばず、日本の政局を考えたりする。時には、日本が米国からの支配によって構成されている国家だと云う事を認めない人もいる。教科書も、立派に敗戦から立ち直り世界有数の経済大国で民主主義と天皇を象徴とする主権在民の独立国だ、と教えている。真面目に、日本は完璧な独立国家だ、と信じ切っている人々もいる。
勿論、建前を書かなければならない文部省検定の教科書は、民主主義制度をとる「独立国家・日本」と教えるのは当然かもしれない。しかし、最近筆者は事実に則していない建前論で教科書が書かれ、教師がそう語って良いものかどうか、疑問を持っている。法治国家の建前論も然りである。
まぁ子供の頃から、現実論を聞かされ夢を失うのも考えものだが、建前論が理想論並に現実離れしている場合、その建前論は虚偽論に限りなく近いものになってしまう。建前論がどれ程嘘なのかと云う事実は、学べば学ぶほど判ってくる。しかし利口なやつは、その事実に目をつぶり、したたかに生きる方が得策と判断すれば、口を拭った生き方を選択する。
つまり、建前論を逆手にとって生きて行くのだ。その狡猾な生き方が出来るのは国民の中でも極少数で、選ばれたエリート達のみである。象徴的には東大などエリート大学を卒業した連中が構成する高級官僚組織へと変貌していく。彼等の多くは、必ずしも大金持ちになるわけではないが、現役時の権力の掌握と行使。老後の小金持ちと社会的ステータスと叙勲などを生甲斐にする。
戦後の復興時には、高級官僚の組織は米英駐留軍と効率の良い働きをし、日本の戦後復興に大いに貢献した。しかし、あくまで過去形である。東西冷戦の崩壊とともに、GHQ以降の米国支配、その支配を効率よく実行する高級官僚組織の実相は、徐々に変質した。
誤解を怖れずに大雑把に問題を捉えるなら、資本主義にとって、好きライバルであった社会主義と云うイデオロギーが崩壊した事で、唯一残された資本主義自体が方向性を失った。その象徴が米国資本主義の衰退である。
この衰退には様々な要因があるが、資本主義経済の根っこにある利潤追求と云うミッションを追求するあまり、実は自ら自殺的行為にまで走ったのだと思われる。 その典型が製造業における、安価な労働力を求める生産拠点の海外拠点化である。貧困と膨大な人口を抱える海外に生産拠点をシフトすることで、目先の利潤追求機能を大幅に向上させた。
*最近、菅政権は製造業の空洞化などの理由で法人税の減税を閣議決定しているが、日本の法人が米国企業の二の舞を演じるほどバカではない。早い話、あれは経団連の脅しに過ぎないのに、おバカな政策減税そのものであり笑ってしまう。
知的財産権と云う枠組を世界的に構築し、その囲い込みで利益の上前を撥ねる悪知恵競争にうつつを抜かしたのである。そして、有り余った財力を金融資本主義と云う悪魔のような「打ち出の小槌」の遊びに興じ、最終的にはリーマンショックとサブプライムローンに行きつくのである。
その間に、BRICsなど米国金融資本主義が巧みに利用していた積りの地域が、膨大な国土や資源や人口を背景に、製造業を中心とする資本主義経済のメインプレーヤーとして台頭してきた。
知的財産権など抽象的パワーと実体経済を支えるBRICsのパワーでは、思いの外、後者が強い事が今知らされている。また、この安価な労働力が魅力であった国々の人口が、今後モノを購入するマーケットに変身する事態となっている。
製造業の拠点を失った先進国は、知的財産権や金融で楽をして利潤の追求を目論んだのだが、博打打ちのような金融資本主義経済はマネーをネズミ算的に肥大化させる経済であり、最終的にネズミ講の世界に嵌り込んだのである。それが米国経済の現実である。
色々目先を誤魔化す経済指標を発表しているが、明らかに捏造情報だ。 米国の国力は完全にマヒしている。それ故に、軍産複合的製造をもって、資本主義の原点、製造を復活させようと躍起なっている。勿論、軍産複合産業からの派生的商品群も多いので、平和的製造もあるが、基本は武器の輸出で生きようと試みている。
つまり、地球上に全面的平和が訪れることイコール米国製造業の完璧な崩壊が約束されているジレンマを抱えているのが、米国経済であり、オバマの苦しみなのである。
謂わば「理想と現実」と云う事だが、日本などの政治の「理想と現実」に比べ非常に深刻なバッティングであり、極めて物騒なバッティングだ。
何せ「理想」では「核兵器なき世界」の実現を掲げ、対話と交渉を通じた国際紛争の解決を目指すと発言しただけでノーベル平和賞を受賞したオバマ大統領だが、「現実」では軍産複合体が潤い続けるイラク、アフガン戦争を抱え、理屈は別にして米国民の銭を吐き出している。勿論、それだけでは足りないので、支配国である日本の国民の銭も吸い取られている按配だ。
数年後には、戦費を賄いきれなくなるばかりか、誤魔化し経済指標の捏造にも齟齬が生まれ、マジ破綻の現実を目にする可能性は大いにある。仮にマジ破綻が起きない場合は、地球上の何処かで、華々しい戦火が火ぶたを切っている時だろう。その場所が、東アジアでない事を祈るのみだ。
否、米国の真正経済破綻は日本の富が30%程度、自動的に消滅する。財政赤字がどうのこうののレベルを吹っ飛ばす事態かもしれない。いやはや、どちらに転んでも、悲惨な現実が待ち受けていると云う事だ。
にも拘らずだ、菅民主党政権は米国に恭順の意を表わし、政権の安泰を担保して貰おうと隷米の姿勢を崩していない。官僚組織も経済界も野党もマスメディアも米国賛歌を止めるにやめられない「蟻地獄」に嵌っている。現在動いている政局が、どのような方向で決定されるか判らないが、「蟻地獄」志向の既存勢力が幅を利かせている状況は暫く続くだろう。
しかし、資本主義の機能が疲労現象を起こし、また時代の要請を充分に満たしきれない状態になっているのも事実だ。利害損得を抜きにして、世界で起きている大きな潮流に眼を向ければ、欧米が世界を牽引する役目は、ほぼ終わったと観るのが正論だろう。
耳が痛いかもしれないが、経済大国を謳歌した我が国も、「経済大国日本」と云う金科玉条看板を自ら小さなものにしていく勇気も求められているような気がする。その点では欧米と日本は同様なのだ。
まだ衣食住のマーケットで莫大な市場を形成する国家と国民がゴマンといる現実から目をそむけてはいけない。彼らのニーズは生命維持のレベルなので、自然発生的マーケット。このマーケットは強いのだ。
まだまだ豊かさが充分ではないと思う人々もいるだろうが、世界の潮流は先進国に味方していない。その辺は経済学だけではなく、哲学・社会学・生物学的に理解すべき領域だ。簡単には納得しないだろうが・・・。
それに既得権益勢力が現在享受している「権益秩序」を破壊し、構築し直すのだから、既存勢力はすべて何らかの抵抗を試みる。前述の既存勢力には労働界まで含まれるから、そこからの脱却は容易ではない。しかし、世界の潮流は、望まざるとも刻々とその地位の移動を求めてくる。
その時までに「普通の独立国」になっていないと、比較的早い段階の米国の衰退につきあわされる羽目になる。 ここ数年で、日本は自立する精神で脱隷米を真剣に考えなければならないのだろう。
戦後の秩序の多くを改革する事だから、国民の多くがそれなりの痛みを感じるだろう。しかし、その痛みを怖れるあまり、「秩序維持」に執着して、危篤に陥らない道を選ぶのが賢明だ、と最近は強く感じる。
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