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2010年12月20日 掲載
大連立ウイルス蔓延
●権力のウマミが忘れられない…
落ちぶれ自民党内に「大連立ウイルス」がはびこっている。菅政権の支持率ガタ落ちで、急浮上している大連立構想に飛びつき、再び権力のウマミを味わいたいと期待を抱く連中が跋扈(ばっこ)しているのだ。
きっかけは今月8日、渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長が谷垣総裁を訪ね、大連立を進言した会談だ。
「常識では考えられないことですが、この会談が2人だけで行われたのです。普通は、第三者を入れ、発言をチェックする。その配慮がなかったため、会談後に『谷垣総裁が前向き』だとか、『渡辺氏が“副総理でどうだ”と提案したら(谷垣が)“総理なら受けていい”と答えた』などという話が流れてしまったのです。これに党内の中堅以下は猛反発した。あわてたのは谷垣。『そんなことは言っていない』と打ち消しに必死でした」(自民党関係者)
普通なら、これで話は立ち消えになる。ところが、事態は別の方向に進んでいる。ベテラン連中がすっかり、その気になっているというのである。当選7回の議員は16日、周囲にこう漏らした。
「安全保障や消費税を名目に大連立すればいい。自民党は完全野党にはなれない」
語るに落ちた、とはこのことだろう。
「大連立を志向というか希望しているベテラン連中は、『救国』『国家危急』といった大げさなフレーズや政策論を持ち出しますが、しょせん名目、大義名分でしかない。ホンネは権力のウマミに再びありつきたい、自分たちが生き残りたい一心なのです。森元首相、古賀元幹事長、二階元経産相らが代表格ですね」(前出の関係者)
こうしたロートル連中の暴走には、中堅・若手が猛反発。「菅政権を衆院解散に追い込み政権奪還だ」と息巻いているが、こちらもホンネはどうも別らしい。世代交代のけしかけ役ともいうべき山本一太参院政審会長(52=当選3回)は大連立の動きに「長老の影響力が残る。反対だ」と繰り返している。大連立を口実に、ロートル連中がのさばることにガマンがならないのだ。
こんな醜態をさらけ出しているようでは、菅政権の自爆がいくら続こうが、自民党復帰コールが起こるはずがない。
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