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『「ジャーナリスト同盟」通信』2010年12月23日　本澤二郎の「日本の風景」（６３７）から下記を転載投稿します。

＝転載開始＝

＜外務官僚の暴走＞　

　５７年の岸―アイク日米首脳会談で在日米軍の削減が合意されたのだが、其の背後で外務官僚の暴走が蠢いていた事実が、外交機密文書の公開で１２月２３日に判明した。「天皇の官僚」の代表格の岸総理と外務官僚によって６０年安保の改定が実現したものである。６０年安保は日本の官僚による悪しき実績なのである。米軍削減を補う秘策が６０年安保だったのである。官僚主導を立証している。

　官僚の手の上で踊る政党・政治家なのだった。驚くべきことは、彼ら官僚は憲法９条の戦争放棄を守ろうとはせず、その逆を行っていたことになる。国民も政党も肝心要のことはラチ外に置かれていたのだ。
　在日米軍の削減は好ましいことであったのだが、外務官僚は「日本の防衛力低下」に不安を抱いた、その結果が６０年安保改定に突き進んだのである。歴史の真実が判明してくると、日本政治が民意・政治主導ではない官僚・霞が関任せであることが、次々と発覚してくる。
　憲法９条に誇りを持つ国民とそれを否定する官僚と軍事力ビジネスに目のない財閥と右翼連合の二分化している日本に気付くべきだろう。

＜警察官僚の失態＞　

　ほとんど無関心事項の一つに捜査当局作成のテロ対策資料流出事件がある。それがインターネット上に流失し、一部の関係者はよろめいているという。しかも、それが本になって一般公開するというので、さらに関心をよんでいるのだという。もう２か月前の事件である。
　昨日の報道では、その流出資料を警視庁はしぶしぶ事実を認めたのだという。できれば嘘を突いて責任を回避しようとした。しかし、それが出版されることで逃げられなくなった。やむなく事実を認めるということのようだ。
　これも官僚手法の典型である。
　日本の政治体制資質の根幹に触れる事件だが、政党・政治家には理解できていない。ジャーナリストも。現在の日本を象徴している。
　いずれにしても、民主主義は透明政治でなければ成立しない政治体制である。こんなことでは独裁国と同じである。ワシントンを見習うな、といいたい。秘密解除は本物のジャーナリズムの使命である。

＜韓国の暴走＞　

　韓国政府の暴走にも困ったものである。北朝鮮の反撃がないと確信したあと、大規模な軍事演習をしている。韓国民向けである。韓国内の平和・軍縮の流れを吹き飛ばそうとしているのであろう。
　財閥大統領のやりそうなことである。こうして血税を軍事費に回せると認識しているのであろう。日本のメディアもそうだが、今の韓国メディアも悪質だ。財閥の意向に従っているのであろうが、市民の反発・平和軍縮の活動を全く報道しない。これでは北朝鮮報道を非難できないだろう。
　日本のマスコミも、特にテレビは北朝鮮に不利な報道に努めている。南北対立を煽っているのである。南北双方の言い分・行動を客観的に伝えようとはしていない。
　日本も財閥スポンサーの意向を映像や活字にして北朝鮮脅威論の花を黒く報道している。其の効果は、日本の防衛大綱見直しという危険路線を正当化させているのである。財閥利権なのだ。

＜ドル暴落の不安＞　

　ワシントンは世界大不況に打つ手はない。代わりにドル札を、輪転機を回転させて大量に印刷している。ドル下落政策の強行である。見越して原油など資源の値段は急騰している。
　金融バブルが崩壊、そしてさらなるバブル政策である。ドル暴落へと突き進んでいる。日本や中国は羽の生えたドル札・ドル国債を大量に持たされている。どういうことになるか、小学生でもわかるだろう。
　日本・中国は真剣に考え、ワシントンに対して共闘して暴走を止める時期ではないのか。世界が沈没する事態になるのだから。既に石油暴騰がニューヨークで始まった。ゴングは鳴っている。
　オバマ再選ストップという次元ではないのである。円も急騰し、日本の輸出企業は総崩れになる。それでもアメリカ経済は再生しない。
　そうして国内政局を眺めると、菅や岡田・前原が主導権握りに小沢排除なる不条理な権力抗争をしていることが、いかに空しいことかわかろうというものだ。違うか。

　岡田には失望した。所詮は通産官僚の頭脳しか持ち合わせていなかった。前原よりはましかもしれないが。

　経済危機は戦争を誘引する。深刻な事態は止まろうとしていない。国民の覚醒を願うばかりだ。本日、天皇が７７歳の誕生日を迎えた。宮内庁官僚作成の文章を読むのも大変な仕事であろう。宇都宮徳馬さんではないが、同情したい。

２０１０年１２月２３日記

＝転載終了＝

コメント
01. 2010年12月23日 16:57:13: 6IvpXF5ScM 　コメントはもっともらしいが、ドル防衛どころか輪転機で刷りまくることに対抗して、日本は生産性を度外視して円を刷りまくればインフレと円高が解消できるのにその提言がない。アメリカの属国である日本は宗主国の許しがないためそれができないでいる。 　円を刷りまくって、ドルを買い漁り世界の資源を買いまくればよいのにだれも声を上げない、それはマスコミがアメリカ（ユダヤ）とユダ金の下僕官僚の指示で黙っているだけだろう。アメリカがキー・カレンシーの思い上がりでドルを刷りまくっているが、そのしわ寄せを円が一人で負わされている。こんな不正や簡単な解決策に世論が無関心なのは不思議で仕方ない。
02. 2010年12月23日 18:12:14: b5xhB2CGnc >>01 > 日本は生産性を度外視して円を刷りまくればインフレと円高が解消できるのにその提言がない。 「インフレと円高」は「デフレと円高」の間違い？ > アメリカの属国である日本は宗主国の許しがないためそれができないでいる。 「宗主国の許しがないためそれができないでいる」の具体的な証拠を示して貰えませんか？ 多分そうだと思いますが。
03. 佐助 2010年12月23日 18:31:01: YZ1JBFFO77mpI : GnuRgcG5J2 刷り捲くっています ＦＲＢはもちろん日銀,総額3兆6000億円の国債買い現先オペを通告から10兆円規模の政府支出をして刷り捲くるも効果はでていません，日銀は刷り捲くっていますよ，ただし民主党の大塚氏は少ないのではないかなどチンプンカンプンな発言を繰り返していましたが，政府がバラマキしても需要より供給（生産能力）が上回っているためと後進国のインフレ投機バブルに注ぎ込まれてしまう為にバブルは破裂は加速するだけです。いまのところ世界の信用縮小恐慌を止めるためにキンとドルのリンクを宣言するしか知恵がありませんがここまで落ち込んだら沈静化させることが大切だと思います。日本と中国は米国債を多数抱えていますし対米従属が第一なので米国に先駆けてやることはできない。米国次第でしょう。ただ小沢氏が提案している財政出動するには先行研究とか最新鋭のインフラ投資が望ましく,第二次産業革命(電子蓄電発電システムや太陽光発電など)の推進による活性化がヒントになろう。 検事のデッチ上げ・大マスコミのリーク捏造,大合唱煽り・何の罪もない同志，真っ白な同志，同志を売る行為に驚き，仙菅政権の人格として失格にまた吃驚・国民を馬鹿にした狐七化け狸は八化けの政局・トリック増税隠蔽騙し合いの術そしてまもなく金融危機の第二幕が訪れる。 まもなく米ドルはどうせ暴落する。ＮＹの株価も、米国債の値段も、粉飾の価格吊り上げが限界に来て暴落する。つまりドル、株価、債券（国債）の３つともが目出度く暴落する。金利ゼロから円は大量に後進国の建設ラッシュに寄与した，投資を進めインド・ブラジル・中国などでバブル成長が加速した。そしてまもなくパンク(破裂)する。それでも農業，内需はこけても貿易縮小してはならぬと政府自ら大マスコと一緒になって法人税減税して海外投資を煽る。関税をゼロにしてどこに輸出するのだろう，なんかもうヤケクソの政策にしか見えない，ほんまに可笑しな国になってしまったものだ。 金持ちが海外に逃亡すると煽るものがいる，よいではないか逃げてもらって結構、では我々貧乏人にも経営のチャンスが訪れるではないか，人が苦労して作り上げたものを取り上げ，自分がやったように見せかけるノウハウには呆れる，抱き付き油断すると取り上げる人間性には呆れるばかりである。おまけに尖閣ビデオの未公開と対中非難を抑える事と引き換えになにか行われたとも聞く，雇用雇用と叫びながら明日つぶれるかもしれない第三の国を見習えと大騒ぎ，ビジョンも哲学もないものに何が出来る。ただ只管守り続ける悪徳利権権益，セフテイーネットを破壊させ言うこと聞けと怒鳴る。 私は仙菅総理に言いたい 人を以って鏡となす，他人の行動を手本として，自分の行いを慎み，戒めにせよ 人のふり見て我がふり直せ・・・・人こそ人の鏡 人を謀れば人に謀らる 他人を陥れようと計画する人は，何れ自分も誰かに謀らて酷い目にあうものだ 人を呪わば穴二つ・・・・・人を呪わば穴七つ・・・・・人を呪えば身を呪う 人を謀れば人亦己を謀る 自分の至らなさをよく反省せよ・・・・・人を怨むより身を怨め
04. 2010年12月23日 18:40:59: 6IvpXF5ScM ＞０２氏へ 「デフレと円高」が正しいので訂正します。 ＞「宗主国の許しがないためそれができないでいる」の具体的な証拠を示して貰えませんか？ 多分そうだと思いますが。 証拠はありません。日本が独立国出ない証拠は、当然アメリカは自国の通貨レートを変える権力がありますが、日本は1000兆円に迫る借金があるのにこの円高です。坂本竜馬も「船中八策」の中で、バイラテラルな国交関係では通貨レート決定権は平等でなければならないとすでに今の日本の現状を見越しています。 中国は独立国で元をドルとペッグしてほとんど元を政策的に元高にするアメリカの要求は突っぱねていると思います。 アメリカのＦＲＢは政府機関ではなく、純然たる民間会社です。ＦＲＢは政府のいうことは聞きません、通貨発行権は政府や大統領にあるのではなく、アメリカの民間権力機構が正式に保有し、彼らの利益の追求のために通貨金融政策は決まるのではないかと思います。 日本は、政治に主導させないために日銀の独立性などと、とぼけていますが過半の株主は政府のはずです。日銀に政府が政策を要求すべきだと思います。
05. 五月晴郎 2010年12月24日 02:40:01: ulZUCBWYQe7Lk : ZMbmXo037I >>1 経済活動の実質を伴わないカネだけを刷り散らかすと、あとあと大変になる。３年くらいたって激しいインフレになる。アメリカと一緒に堕ちていくのは忠義の道だというなら別だが。
06. 五月晴郎 2010年12月24日 02:47:32: ulZUCBWYQe7Lk : ZMbmXo037I >>4 ＞日本が独立国出ない証拠は、当然アメリカは自国の通貨レートを変える権力がありますが、日本は1000兆円に迫る借金があるのにこの円高です。 それをより正確に言うなら政策金利を決められないことが先ずもって一番だろ。アメリカが政策金利をゼロにするから日本もしろ。これ。アメリカにものが言える中国やオーストラリアは利上げしてる。
07. 2010年12月24日 21:34:07: QmyrjoZuIs 財務省は金融資産を隠して「粗債務」だけで財政危機だとウソを付く。 国際的には粗債務ではなく純債務を使って財政を見ているのだ。 粗債務から政府が保有する金融資産を引いたものが純債務である。 粗債務（一般会計＋特別会計）ー 純資産（社会保障基金＋内外投融資＋外貨準備）＝純債務 とすると800兆円を超える債務と云われる債務は約1/3程になる。 以前税制調査会長をやった加藤寛さんも産経の正論でいたずらに財政危機というなと云っている。 財務省にだまされないように、経済音痴の空き缶にだまされないようにしたい物だ。

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