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■決裂に終わった菅・小沢会談「不毛なケンカ」は年明けも続く
12月20日に、菅直人首相は小沢一郎元首相と会談。両者譲らずに決裂。小沢問題は年を越すことになりそうだ。
菅首相は、窮鼠猫を噛む心境なのだろうか。“小沢切り”に政権浮揚の最後の望みを託しているように見える。
だが、既に指摘したように、この半年の内閣支持率の低下は、小沢氏の責任よりも、菅首相自身の失敗の責に帰す度合いがはるかに大きい。
報道によると、2人の会談は、首相がきわめて感情的、高圧的な態度であったらしい。
特に、小沢氏の発言のコピーを秘書官にもってこさせて詰問するに至っては、まるで検察の取り調べをほうふつとさせる。とても同志、それも世話になった同志に対する態度ではない。
この会談によって、首相と小沢、鳩山(由紀夫)両氏の関係は修復不能の域に達してしまった。
これでわれわれは、年明けから、この不毛なケンカの後半戦につき合わされることになる。結果的に、日本の政治をさらに混乱されることになろう。
■「退陣」こそが、菅首相にとっても最善の道だ
どうすればよいか。それは誰にもわかっている。
菅首相が、「私も退陣するから、あなたは離党して下さい」と言えばよいのだ。
現在の混乱の原因は、すべて参院選の大敗にもかかわらず菅首相が続投したところにある。
私は本欄で、参院選で不信任されたのだから、菅首相は、橋本龍太郎元首相や安倍晋三元首相のように即座に退陣すべきことを主張した。しかし、菅首相は、何と開票途中に先手を打って続投を宣言したのである。
私が退陣を促したのは、それが日本の政治にとって、また民主党にとって最善の道であり、何よりも菅首相が再評価され、出直す可能性を残す唯一の道だと信じたからだ。
世間は、潔い人を決して見捨てない。首相はまた一兵卒に戻って再起を目指せばよかったのである。
■“小沢不人気”ばかりか“民主党不人気”を政権維持に利用?
首相が、長年の同志である鳩山前首相と決裂したことも問題だ。鳩山氏の胸中は煮えくり返るようなものだろう。ようやく菅首相の本質を知ったような想いかも知れない。
鳩山政権当時、菅氏は「鳩山さんには4年は首相をやってもらいたい」と言いつつ、普天間問題などを手伝うことをせず、ひたすらつぶれるのを待っている印象を受けた。だから、支持率低下の多くの部分が、首相に対する人間的不信感によるものといってもよい。
菅首相は、“小沢不人気”を利用して政権を維持してきたが、ここに来て“民主党不人気”を利用しているように見える。
支持率低落があまりに激しいから「今解散総選挙になったら困る」という民主党議員の不安が、菅首相の最後の消極的支持要因になっているのではないか。おそらく、当らずとも遠からずであろう。
■「不毛の年」だった2010年 来年はどんな年になるのか
さて、本年を振り返ると、残念ながらかつてない「不毛の年」と言わざるを得ない。
普天間問題が象徴的だが、結局「やってみてダメだったから自民党路線に戻る」ということに終始した。税制改革も成長戦略もそう言える。「今までは仮免だったから」では済まされない問題だ。
来年は、ほぼ確実に解散・総選挙の年になろう。来年を実り多い年にするためにも、今年痛切に学んだことを大切にしたいものだ。
◎編集部からのお知らせ◎
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http://diamond.jp/articles/-/10576
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