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2010年12月18日 掲載
証拠改ざんの“A級戦犯”
●退官3カ月後にサッサと再就職
特捜検事の証拠改ざんなどの不祥事で、ようやく検察トップの大林宏検事総長(63)が引責辞任することになったが、もうひとり、詰め腹を切るべき人物がいる。大林の前任者の樋渡利秋前検事総長(65)である。
樋渡は運良く、証拠改ざんが明るみに出る直前の今年6月に退官したが、そもそも証拠改ざん事件の“A級戦犯”だ。大阪地検特捜部の組織ぐるみの不祥事隠蔽を招いた、厚労省の村木元局長の郵便不正事件の乱暴な捜査に最終的なGOサインを出した張本人である。
捜査当時のトップではなかった大林より罪は重いはずなのに、責任は不問に付されたまま。そればかりか、早くも悠々自適のセカンドライフを送っている。
「退官から3カ月後の今年9月に東京第一弁護士会に登録。東京・六本木ヒルズにある『TMI総合法律事務所』の顧問に迎えられました。TMIは、青色LED訴訟の1審判決で200億円の損害賠償を勝ち取った升永英俊弁護士が所属するなど、企業法務や知的財産のエキスパート集団。樋渡氏に支払われる顧問料も、相当な額に上るはずです」(司法関係者)
不祥事の矢面に立つこともなく、まんまと逃げ切り、恐らく今後はバラ色の“天下り生活”が待っている。その上、ベラボーな額の老後資金まで我々の血税で面倒を見ているのだ。公務員の給与制度に詳しいジャーナリストの堤和馬氏がこう指摘する。
「樋渡氏は1970年4月に任官。06年5月に法務事務次官を務め終えた時点で、8000万円以上の退職金が積み上がっていました。その後、広島高検検事長、東京高検検事長を歴任し、検事総長まで上り詰めました。この4年間は国家公務員の特別職にあたるため、退職金の計算は別枠でザッと600万円程度です。退職金の総額は9000万円近い。しかも、検事総長の年収は約2900万円に上るなど、特別職の在任中の給与は国務大臣に匹敵します。4年間で1億円以上を稼いだ計算ですから、老後の心配はいりません」
樋渡も不祥事の責任を取って、せめて退職金を国庫に返納したらどうなのか。
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