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2010年12月20日
場当たりの菅首相、展望なき「小沢追放」
http://tanakaryusaku.seesaa.net/article/174299327.html
「菅-小沢会談」について説明する岡田幹事長。(20日午後4時、民主党本部。写真:筆者撮影)
民主党が崩壊に向けて坂道を転がり始めた一日だった。午前11時ちょうど、小沢一郎・元民主党代表を乗せた「トヨタ・アルファード」が首相官邸に滑り込んだ。濃いスモークガラスのため車中の小沢氏は見えない。
支持率低迷に苦しむ官邸の主は、危険水域の20%台さえ維持するのが困難な状況だ。「小沢切り」で3度目のV字回復を図ろうというのがこの日の会談のねらいだった。
菅首相は扱いを誤ると大惨事のおそれがある「小沢氏問題」をこれまで岡田克也幹事長に丸投げしてきた。一転自ら説得に乗り出したのは「小沢切りでリーダーシップを発揮した」と見せる演出だ。
首相は小沢氏に政治倫理審査会への自発的な出席を要請した。「拒否されるようであれば党として重大な決定をすることもある」と迫った。
だが小沢氏は「刑事裁判で身の潔白を証明したい」などとして政倫審への出席を拒否した。
1時間半にも及んだ会談は物別れに終わった。大方の予想通りの結果である。
【国民不在の質問に終始する記者クラブ】
午後3時から開かれた役員会は「菅-小沢会談」の相似形だった。
親小沢グループの輿石東・参院幹事長は「小沢さん本人が出ないと言ってる。自民党、公明党は(招致の)議決に欠席する。(政倫審が開かれない可能性が高いのに)どうするんだ?」と反対した。
岡田幹事長は「自民党、公明党を説得する」と答えたという。来週まで経過を見るというのは説得工作に要する時間を指しているのだ。
役員会で一定の方向が出るのではないか、と注目が集まった。役員会の後、午後4時から始まる幹事長記者会見にはメディアが大挙した。夕方のニュースに突っ込もうとするテレビのクルーが目立つ。
記者団からの質問はあいも変わらず小沢氏を追い込む趣旨のものばかりだ。要約すると「いつまで結論を出すのか?」「処分はあるのか?」「野党は証人喚問を要求しているが?」となる。
記者クラブメディアの質問は菅政権と同じで国民のことなどこれっぽっちも考えていない。無能な菅首相と大手メディアが抱き合い心中をやるのは勝手だが、国民を巻き込んでほしくない。いたたまれなくなった筆者は次のように質問した―
「国民の怒りは『小沢さんの政治とカネ』よりも菅政権の不手際に向いている。仮に小沢さんを政倫審に出席させることができたとしても、国民の民主党に対する不安は拭えないと思うのだが?」。
岡田幹事長は「政治とカネがすべてではないがそれも一部にある。小沢さんの問題を保留していては民主党への信頼は生まれない」と答えた。(民主党ホームページに動画が掲載されているので視聴して頂きたい)
【何が起きても不思議ではない】
長らく菅直人氏に仕えたあげく裏切られた、ある民主党関係者は次のように解説する―
「12月は仙谷官房長官と馬渕国交大臣への問責を『小沢・政倫審』で交わすことができたが、1月はそうは行かない。通常国会前の議運の召集は官房長官の役目。だが参院で問責を受けている仙谷さんが参院の議運に出るわけにはいかない。そうなれば内閣人事の入れ替えで凌ぐだろう」。
この関係者は、1月にもありうる小沢氏の強制起訴を受けて、菅政権が離党勧告する可能性もあると話す。さらに次のように付け加えた。「社民党に帰ってきてもらう一方で自民あるいは公明の抱き込みを模索する。『その場しのぎ』で何でもする菅さんだから、これから何が起きても不思議はない」。
菅直人という仮免ドライバーは交通事故を幾度も起こし多くの国民を不安に陥れた。今度は民主城の仮城主ということを忘れ、城を建ててくれたかつての主を追い出そうしている。追い出した後の領民の生活など全く考えないまま・・・。
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