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年の瀬が迫ってきましたが、民主党は、外国人の土地取引について考えるプロジェクトチーム(PT)を立ち上げます。半年ほど前から、この問題で資料を集めてきたこともあり、私が座長を務めることになりました。予算委員会で、森林売買について質問した行田邦子参議院議員に事務局長をやって頂くことになりました。
議論はこれからですが、おそらく問題となるのは、二つのケースです。一つは、尖閣諸島や対馬などの離島の土地の取引。これは、安全保障上の理由から、国境線からの距離などを規定して、外国人の土地取引を規制するべきでしょう。
もうひとつは、最近、北海道などで問題になっている水源となる森林の売買です。国は実態を把握できていないのですが、先日、この分野で警鐘を発してきた平野秀樹氏に話を聞いたところ、相当事態は進んでいるようです。何らかの規制が必要だと思うものの、「水源」をどのように定義するか、企業の場合、外国人とは何を指すのか(経営者の国籍か、外国資本の割合か?)、難しい面があります。
以前、海洋権益の問題をやった時に、資源採掘を規制している鉱業法に国籍要件を入れることを民主党として提案したことがあります。結局、海洋基本法の制定で落ち着き、現在も鉱業法の改正は積み残された問題となっているのですが、こういった安全保障が関わる問題では、届出制を採用するなどして、ある程度、行政的、政治的な「裁量」を残す必要があります。
そういった森林売買の規制を考えた時に、はたと考えてしまうのは、それでは、どうやってわが国の森林を維持していくのかという問題です。取引を規制したところで、手放したいと考えている森林所有者がいる以上、政府が買い上げるわけにはいきませんし、何らかの新たな需要をつくりだしていく必要があります。
奇しくも、今年、私の父親は丹波の山奥、綾部市の実家を手放しました。細野家は元々、貧しい農家でしたので、小さな土地にオンボロな家屋。しかも、最近は過疎化が進み、超高齢化した地域になっていますので、売っても、ほどんどお金にはなりません。これまで、両親が墓参りを兼ねて帰省しては手入れをしてきたのですが、それも限界がきていました。それでも、先祖伝来の土地を手放すのには、両親は相当悩んだようです。私にとっても、綾部は生まれた地でもあり、小学生の時は、夏休みに長期滞在して、海や山に遊びに行った思い出の場所です。
実家の裏には、小さな山があり、その一部が細野家の所有となっていました。私が小学校の三年生ぐらいの時だったでしょうか、祖父に山に連れて行かれ、「ここまでが細野家の山だから、覚えておくように」と言われたこと自体は覚えているのですが、そこには何ら目印らしきものはなく、私には本当のところどこまでが細野家の所有なのか分かりませんでした。地籍も不明確になっていたようですが、父は辛うじて境界を記憶しており、善良な新たな所有者に、裏山も含めて託すことになりました。もちろん、裏山には、価格はつきませんでした。
日本の森林では、戦後植林した樹木が育っており、潜在的な経済価値は大きなものがあります。また、将来的な水不足を考えると、水源としての魅力も見逃すことができません。ただ、うちの実家がそうであったように、管理をする人がいなければ、いかんともしがたい。
歴史的に見ると、森林には住民の入り合いが認められ、共同体によって管理されてきました。むしろ、森林の管理は宗教的な意味合いも持っていたため、そのために共同体があったといった方が適切かも知れません。うちの裏山でも、大昔はマツタケが取れて、共同体にはそれを巡るルールがあったそうです。
残念ながら、すでに、地域の共同体には森林を守るだけの力が残されていません。私が注目しているのが、会社や組合などの職場、学校、NPOなどの共同体による森林の有効活用です。三島市にはフォレストクラブがあり、有志のボランティアが箱根の山の森林管理に取り組んでくれています。
昨年の夏の静岡県知事選挙では、私の提案で、会社や学校で山を管理する「一社一山」「一校一山」の推進をマニフェストに入れてもらいました(類似の運動として、韓国では「一社一村」運動が以前から行われおり、石川前知事の時代から静岡でも取り組みが行われてきました)。学者の時代から、川勝平太知事はこうした運動の必要性を訴えており、今は知事として旗振り役を担って下さっています。
「一社一村」運動に興味を示す企業は徐々に出てきているようですが、「一校一山」の実現はなかなか難しいようです。たしかに、教師と子供だけで山を管理するのは現実的ではないのでしょう。コミュニティスクールができて地域住民が参加してくれれば可能ではないか?そこで、演劇や音楽が行われ、人々の憩いの場になれば、言うことないが・・・。最近、そんなことを考えるようになりました。
PTでは、単に規制だけではなくて、民主党らしく、森林の活用や共同体についても幅広く議論できればと思っています。
http://blog.goo.ne.jp/mhrgh2005/m/201012
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