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菅直人首相は、2011年度税制改正案で「大企業法人税減税・国民所得増税」に踏み出し、消費税アップへの足がかりをつけるなど「景気浮揚・雇用拡大に冷や水」をかけるピント外れの政策に血道を上げている。これは、国民よりも財務省、日本経団連に色目を使う以外の何ものでもない。また、小沢一郎元代表を「衆院政治倫理審査会」に無理やり招致させて、3度目の内閣支持率浮揚を図ろうと必死である。
これは、古来からある「人柱政策」の延長線上にある陰湿な手法である。人身御供により、神(国民)の歓心を買おうという企みにすぎない。「衆院政治倫理審査会規程」は、次のように規定している。
「第一条 政治倫理審査会(以下「審査会」という。)は、政治倫理の確立のため、委員の申立て又は議員の申出に基づき、議員が行為規範その他の政治倫理の確立に資するものとして議長が定める法令(以下「行為規範等」という)の規定に著しく違反し、政治的道義的に責任があると認められるかどうかについて、これを審査するものとする。
第二条 前条の審査の申立てをするには、審査会の委員の三分の一以上からすることを要する。
2前項の申立てをする場合においては、申立書に議員が行為規範等の規定に著しく違反していることを明らかにした文書を添えて、これを審査会の会長に提出しなければならない。
3審査会が第一項の申立てに係る事案を審査するには、出席委員の過半数による議決を要する。
4第一項の申立てがあつたときは、会長は、速やかに、審査会を開かなければならない。
第二条の二 審査会は、政治倫理に関し不当な疑惑を受けたとして議員から疎明資料を添えて第一条の審査の申出があつたときは、当該申出に係る事案を審査しなければならない。ただし、審査会は、明らかに当該事案を審査する理由がないと認めるときは、当該申出をした議員にその旨を通知して、審査しないことができる」
ここで、大なのは、「申立書に議員が行為規範等の規定に著しく違反していることを明らかにした文書を添えて・・」という行である。小沢一郎元代表の行為の何が「行為規範等の規定に著しく違反している」のかを具体的に書かなければならない。東京第5審査会から「起訴相当」と議決されたことなのか、「起訴相当」の対象にされた行為なのか。いずれにしても、審査対象は、小沢一郎元代表が言うように司法の手の中にあるので、政倫審に招致されても答えることはできない。
これが東京第5審査会から「起訴相当」と議決される以前の段階であれば、政倫審に招致されたり、証人喚問されりして、疑惑に対して答えることはできただろうが、いまや無理な状態にある。それどころか、そもそも、「疑惑」が立法府で問題にされる前に、東京地検特捜部が、刑事事件捜査の基本原則である「任意捜査」を省いて、いきなり強制捜査に踏み切ったことに、今回の政倫審問題、証人喚問問題の異常さがあり、「検察ファッショ」に立法府が負けたという由々しき事態のなかにあるのだ。このことに国会議員も、国民も、マスメディアも早く気づかねばならない。
マスメディアのなかで、このことを指摘していたのは、テレビ東京の番組「週刊ニュース新書」の番組ホスト・田勢康弘さん(日本経済新聞コラムニスト、進行役・大江麻理子テレビ東京アナウンサー))が12月18日(土) 午前11時00分〜午前11時55分から「追い込まれた?小沢一郎氏の次なる一手」とのタイトルで、ゲストの松崎哲久衆院議員(小沢支持派)と対談していた。
このなかで、「申立人は、小沢さんの何が行為規範等の規定に著しく違反していることとして取り上げようとしているにか、さっぱりわからない。菅政権の支持率を上げる3匹目のドジョウにしようとしているだけではないか」という趣旨の厳しく批判していた。まさに冷静な分析に基づくコメントであった。政権交代の最大の功労者・小沢一郎元代表を「踏み台」にして生き延びようとしている菅首相の姿が、いかにもみすぼらしい。
沖縄米軍普天間飛行場の辺野古移設問題では、沖縄県民を「踏み台」にして、米国に媚び諂い「下僕」さながらの外交姿勢により、これまた政権延命を図ろうと汲々としている。鳩山由紀夫政権の副総理のときは、何の手も貸さず、鳩山前首相を見殺しにして、他人事として恥じるところが少しもない。身勝手な首相である。
菅首相の言葉は、1から10まで、否、100まで「ウソ」と見て差し支えない。口では「県外、海外がベスト」と言っていても、心の底では、舌を出している。「辺野古移設はベター」と詭弁を弄して、沖縄県民に強制しているのである。それどころか、菅首相は、以前にもっとひどい発言を平気で行っていたのを忘れてはならない。
産経新聞ニュースが2010年6月15日、「菅首相『基地問題どうにもならない』『もう沖縄は独立した方がいい』と発言 喜納参院議員が暴露」との見出しで、次のように報じていた。「東京・新宿駅西口(鈴木健児撮影) 菅直人首相が副総理・国家戦略担当相だった昨年9月の政権交代直後、民主党の喜納昌吉参院議員(党沖縄県連代表)に対し、『基地問題はどうにもならない」「もう沖縄は独立した方がいい』などと語っていたことが15日分かった」
菅首相は、米国に捧げる人身御供にしようと、ハナから沖縄県民を見捨てていたのある。いまさら、沖縄県内の基地を視察したところで、政権延命のためのパフォーマンスとして映らないし、受け取られない。米軍基地周辺住民への同情も、所詮は「女郎の空涙」なのである。
http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken
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