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検察トップの大林宏検事総長が、大阪地検特捜部の元主任検事による証拠品改ざん事件などの責任をとって、辞任することになった。
検事総長が不祥事で引責辞任するのは史上初めてだ。
厚生労働省元局長の村木厚子さんが無罪となった郵便不正事件では、見立てに合わない物的証拠を元主任検事が改ざんし、当時の特捜部長ら上司が組織的に隠蔽していた。その行為が検察に対する国民の信頼を失墜させた。
組織のトップとしての責任は免れず、辞任は当然である。
大林総長は元特捜部長らを起訴した際の記者会見で、「改革を行うことが私の責任だ」と述べ、職にとどまる意向を示していた。
だが、一連の事件に関する最高検の検証結果と再発防止策がほぼまとまり、体制を一新すべきだと判断したようだ。
近く公表される予定の検証結果には、特捜部の収集したすべての証拠を上級庁の高検が点検するといった対策が盛り込まれる見通しだという。
改ざんが元主任検事の個人的な暴走だったのか、それとも組織に根ざす問題なのか。後者であれば、捜査手法や組織の在り方、検察官の倫理教育に至るまで根本からの見直しを図らねばならない。
法相の私的諮問機関である「検察の在り方検討会議」など、外部の意見も参考にすべきだろう。
検察の再生は、こうした改革を着実に遂行できるかどうかにかかっている。大林総長の後を継ぐ新総長の責任は、極めて重大と言わざるを得ない。
今、かつてないほど検察の対応に国民の注目が集まっている。
尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件では、那覇地検が、逮捕した中国人船長を処分保留のまま釈放した。日中関係の修復に配慮した政治決着だったことは間違いあるまい。検察の独立は保てていたのか、疑問を持つ人は多いだろう。
衝突の模様が撮影されたビデオをネット上に流した海上保安官の刑事処分も控えている。
検察が嫌疑不十分で不起訴とした民主党の小沢一郎元代表は、検察審査会の2度の議決を経て、年明けにも強制起訴される。
今後の裁判で、小沢氏の有罪を立証する役目を担う弁護士に対し、検察がどこまで協力するかも問われることになる。
新総長の下で検察は、一つ一つの課題に誠実に取り組み、判断の過程を国民に説明していく姿勢が求められよう。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20101217-OYT1T01084.htm
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次期検事総長に笠間氏内定 補佐役は異例の同期 :共同通信
大阪地検特捜部の証拠改ざん隠蔽事件など一連の不祥事を受け、引責辞任する大林宏検事総長(63)の後任として有力視されていた笠間治雄東京高検検事長(62)が次期総長に内定、補佐役となる最高検次長検事には笠間氏と同期の小津博司札幌高検検事長(61)が就任することが17日、法務検察関係者への取材で分かった。
最高検のトップ2の同期就任は異例。法相の私的諮問機関「検察の在り方検討会議」は来年3月までに検察改革に向けた提言をまとめる予定で、法務省勤務経験のない“現場派”の笠間氏を、事務次官や刑事局長など法務省の要職を歴任した小津氏が補佐することで組織の立て直しを進める狙いとみられる。
一連の人事の発令は27日付。
2010/12/18 02:02 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201012/CN2010121701000907.html
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