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010/12/15
「豪政府独立機関 FTA神話を打ち砕く 米国等との既存協定に利益なし 政府は貿易政策見直しを」 農業問題
豪政府独立機関 FTA神話を打ち砕く 米国等との既存協定に利益なし 政府は貿易政策見直しをから転載します。
オーストラリア生産性委員会”(Productivity Commission)*が12月13日、オーストラリアが今までに結んだ自由貿易協定(FTA)は考えられているような利益をまったくもたらしておらず、却って多大なコストを生み出しているという1年にわたる調査の結果を報告した。
*オーストラリア人の経済・社会・環境福祉に関する政府の独立研究諮問機関。
この研究報告は、多くの地域貿易協定において、「加盟国間の貿易が拡大したとか、域外よりも急速に拡大したという経験的証拠はないとしている」と分析した2003年8月のWTO報告(WTO世界貿易報告、地域貿易協定に懸念,03.8.22)の結論を再確認するものだろう。
報告は貿易政策と地域貿易協定締結プロセスの全面的見直しを勧告している。
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これは、二国間または地域貿易協定は必ずや貿易拡大と経済成長に寄与するという神話に取りつかれ、にわかに地域貿易協定に前のめりになった日本政府(日本に重症FTA(EPA)フィーバー 戸別所得補償も農山漁村再生ではなくFTA推進のため,10.9.29)への耳をつんざくような警鐘(それでも、権力闘争に明け暮れる政府・与党の耳には届かないだろうが)でもある。
報告によると、オーストラリアが過去に結んだ6つのFTA(対ニュージーランド、シンガポール、タイ、米国、チリ、ASEAN)が貿易上の利益を生み出したことを示す証拠はほとんど何もない。
協定外の国から輸入される製品で作られた商品の販売を困難にする複雑な規則(原産地規則)により、貿易が実際に減少しているものさえ見られる。
これら原産地規則が課す可能性のある追加コストは、各輸出船荷の価額の8%にのぼる。
その他、米豪FTAに盛り込まれた著作権条項や製薬企業の権利拡大がオーストラリアに多大な追加コストを生み出したことも指摘されている。
オーストラリアは現在、中国、マレーシア、日本、インドネシア、湾岸協力会議(GCC)、太平洋諸島フォーラムとのFTAを交渉しているが、報告は、さらなるFTAに合意する前に、貿易円滑化、投資保護、基準相互認証など、より低コストで同等、あるいは一層大きな利益をあげることができる他のオプションがないか考えるべきだと勧告している。
Bilateral and Regional Trade Agreements:http://www.pc.gov.au/projects/study/trade-agreements/report(2010.12.13)
日豪FTAに対する日本政府の積極的姿勢を歓迎したエマーソン貿易相も(前原外相 全品目自由化を基本に来年早期に日豪EPA交渉再開)、膝元からのこの報告を歓迎、将来のオーストラリア貿易政策のフレームワークの見直しを告げている。
Productivity Commission report on bilateral and regional trade agreements:http://trademinister.gov.au/releases/2010/ce_mr_101213.html(2010.12.13)
[日本のマスコミが海老蔵、小沢一郎をめぐる政府・与党のゴタゴタははいやと言うほど伝えても、こんなニューズを伝えることありそうにない。この報告の意味さえ理解できないかもしれない。神話は無傷でまかり通るのだろう]
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前原外相 全品目自由化を基本に来年早期に日豪EPA交渉再開
オーストラリア訪問中の前原外相がエマーソン貿易相と会談、「すべての品目を自由化交渉の対象とするとした包括的経済連携に関する政府の基本合意*を踏まえ、「真剣な国内調整を進める」と強調。政治主導でEPA交渉妥結への突破口を切り開くと述べた。エマーソン貿易相は歓迎の意を示した」そうである。
*http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2010/1106kihonhousin.html
日豪EPA交渉、来年早期に再開 前原外相、豪貿易相と会談 日本経済新聞Web 2010/11/23 13:05
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819499E0E1E2E29B8DE0E1E3E3E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2
もはやTPP阻止などと悠長に構えている場合ではない。現政権は、日本農業はぶっ潰すことしかないとでも考えているようだ。この政権の下では、TPPを待つまでもなく、日本農業は破滅する。 こんな政府・外相を野放しにする民主党議員・党員も何を考えているのだろうか。この党には、党内で発言できるほどに農業が分かる人が一人もいないのだろうか。このままでは地方の反乱は避けられない。
22日の政府と全国知事会議の協議で、知事会議側はTPPへの危機感を表明した上で、「農業の再生と開国をどう両立させるのか。食料安全保障についてどう考えるのか。農業に対する具体的な政策が示されていないため、農業関係者を中心に不安が広がっている」と指摘。農業の体質強化に向けた対策に加えて、多面的機能を維持するための地域政策や環境政策もセットで示すよう注文を付けた」。これに対し、管首相は、「貿易(自由化)の問題に関わらず、若い人がもっと参加できる農業や(農産物などの)付加価値をうまく農業者に取り込めるような施策を展開したい」と答えたそうである。
知事会議 TPPに危機感/山口県知事首相に要望 地域政策構築 日本農業新聞 2010年11月23日 2面
Web:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=2565
答えになっていない。それでも、農業についての質問に答えるにはこれだけ「覚えておけばいいんですから」、「首相とはいいですね」。辞めた法相とどこが違う?
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WTO世界貿易報告、地域貿易協定に懸念
農業情報研究所(WAPIC)
03.8.22
WTO事務局は14日、『2003年世界貿易報告』を発表したが、その分析の焦点の一つを地域貿易協定(RTA)の問題に当てている。それは、RTAの急増がもたらす悪影響を懸念、地域主義の利益を獲得し、多角的貿易システムを一層有効にするためには、守るべき二つの基本的な政策ルールがあると強調した。恣意的な自由貿易協定(FTA)の氾濫には、筆者もその危険性を再三指摘してきたが、これに歯止めをかけられるのは、その基本原則である「無差別原則」の例外としてRTAを認めてきたガット/WTOしかない。その意味で、WTOの今回の報告を歓迎したい。
報告は、過去10年の間にRTAが急激に増加し、2003年3月現在、RTAに参加していないのは香港・中国・マカオ・モンゴル・台湾だけとなり、しかもモンゴルを除くこれらの国(地域)はいずれも特恵協定を交渉中であると指摘する。その動機や理由は、1)多角的協力の可能性が欠如するか、弱まっている、2)各国政府が多角的協定で実行可能な以上の協定を、より早く、かつ低いコストで獲得しようとする、3)RTAからの排除を避けるための防衛的必要性からRTAに掻き立てられ、RTAがより広大な協定での交渉能力を高める手段とも受け止められている、4)政治的に、地域安全保障を固める手段としても使われている、など多様であるという。
もちろん、RTAの直接的な中心目的は、加盟国原産の商品に関税特恵、あるいは無税扱いを与えることにより、加盟国の貿易を増大させることにある。しかし、これが現実に達成されているかどうかについては疑問がある。報告は、利用可能なデータによれば、多くのRTAについて、加盟国間の貿易が拡大したとか、域外よりも急速に拡大したという経験的証拠はないとしている。その理由はいくつか考えられるが、先進国の場合には、多くの品目の最恵国待遇関税が既にゼロになっているということがある。原産地規則の要件を満たすためのコストが特恵により与えられる利益よりも大きく、貿易業者が特恵待遇の享受を断念する場合もある。また、高レベルの保護を受けている最もセインシティブな部門は自由化の例外とされる場合が多い。報告はこれらの点を指摘している。
地域主義は多角的貿易自由化を加速する「触媒」になり得る(米国はそう主張している)ことは認めるが、地域協定の増加は多角的自由化の脅威にもなると警告する。地域協定の増加は貿易転換(より競争力のある域外国からの輸出が競争力の劣る域内国からの輸出によって代替されること)の危険性をほぼ確実に高めるし、様々な多数の原産地規則や基準の適用は、国際貿易を一層複雑で、コストのかかるものにする。地域協定の増加は貿易ルールの透明性を損ない、WTOの基本原則の脅威にもなる。多角的自由化が進めば特恵マージン(多角的協定に基づくより高い障壁のレベルと地域協定に基づくより低い障壁のレベルの差)は縮まるから、多角的自由化を妨げ、地域協定への執着を強める。地域協定の増加は多角的交渉への注力を逸らし、そのためのエネルギーを削ぐことにもなる[米国でさえ急増するFTA交渉・管理のための人員・能力の不足に悲鳴があがっていると言われる状態だから、途上国ではなおさらだ―WAPIC注]。
このような問題については、筆者も既に指摘してきた(参照:北林寿信「地域経済統合の現状と展望」『国際農林業協力』、03年4/5月号)。
ではどうすればよいのか。報告は、政策ビヘイビアの二つの基本的ルールが地域主義の利益を固め・作り出し、より有効な多角的貿易システムを促進することを助けると言う。第一のルールは、各国政府が、遅かれ速かれ多角的協定に拡張することを望まない地域的約束を行なうことを控えることである。第二のルールは第一のルールを強固にするもので、地域的約束を無差別的・多角的に適用するタイミングと条件を細密に定め、その実施を監視する協議システムに合意することである。
ガットは地域協定が満たすべき条件・基準を定め、協定を審査する制度も持っていた。しかし、実際には成立した協定を追認してきたにすぎない。ウルグアイ・ラウンドでは、曖昧な基準をより明確なものにし、審査制度も強化した。それでも基準は曖昧なままで、加盟国の対立によりWTOの審査制度も機能していない。この現状はとても改善できそうもない。報告が二つのルールを提起するのはそのためであろう。確かにそうあるべきだ。
しかし、このこと自体、どのように実現するのか。そもそも多国間協定に期待できないことを実現しようとして地域協定に走っている「各国政府」が「遅かれ速かれ多角的協定に拡張することを望まない地域的約束を行なうことを控える」ことはあり得ない。日本は「防衛的必要性」に迫られてメキシコやタイとのFTAに駆り立てられているのだとしても、メキシコやタイはWTOでは望めない成果を期待しているのは間違いない。日本がWTO交渉では約束したくないことをこれらの国とも約束しないとしたら、そもそも交渉が成り立たない。このルールはFTAに走る主要な動機を奪うことで、FTAに向かう奔流を止めるであろう。しかし、すべての国がこれに同意し、実行するのでなければ、今度は「防衛的必要性」からのFTAへの流れを止めることができない。
FTAは、政治的・経済的価値観を共にする国々の国際的ネットワーク構築によってテロ撲滅を図ろうとする米国(ブッシュ政府)の戦略達成のための究極の武器となっている。米国にとって、FTA(それは関税同盟と並び、RTAの主要形態の一つをなしている)は、政治・経済の全側面における「米国基準」の押し付けのための「要」の手段である。その「無差別的・多角的」適用は、ブッシュ政府にとって差し迫った課題でもある。米国が提案されたようなルールに「合意」することがあり得ようか。どうすればよいかはわかっても、どうしたら実現できのか、答えを見つけるのは難しい。
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