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ナオミ・クラインの言う「ショック・ドクトリン」(経済的恐怖を利用した統治・抑圧・政権転覆)というご指摘を頂いた。ナオミ・クラインのほかにノーム・チョムスキーやアルンダティ・ロイ及びグレッグ・バラスト並びに伊藤千尋各氏の本を思い出した。9.11のあと、これらの本で多くを学んだ。
経済的恐怖を利用した統治・抑圧・政権転覆と言うと、戦後の核兵器の恐怖を利用した東西冷戦という世界の囲い込み競争から始まって、共産主義をドミノ現象で恐怖させたがベトナム戦争に敗退。スターリンが震え上がった水爆の恐怖もベトナム民衆のレジスタンスには通じなかった。
その米国で国民の自国政府に対するレジスタンスが沸き起こった。国民を効果的に統治する手段はシカゴ大学のユダヤ系経済学者の理屈に見出された。それをいち早く統治に活用したのはサッチャーであった。
英国病におかされた国民を経済的な恐怖に陥れることによって怠惰から追い出そうと考えた。人生に失敗しても困らない社会福祉が諸悪の根源であると。そこであみ出されたショック療法の標語が自己責任であり、救済の無い敗者という恐怖である。
サッチャーの改革は大英帝国の栄華と財産という白日夢から国民を目覚めさせたが、国家経済は袋小路に陥った。目覚めはしたが、誰も挑戦しない。夢も無くなった。
没落した大英帝国を一時的に救ったのは日本を始めとする金持ち国からの投資であった。投資を流入させるために、市場原理と新自由主義を採り入れたのは、ほかならぬ労働党のであった。そしてブレア政権が誕生する。
その前のサッチャーと同時代の米国大統領はハリウッドの三流俳優にして極右思想を持って、ハリウッド労働組合委員長として赤狩りに活躍してのし上がったレーガンである。米国は黄昏たとはいえ、強力な産軍複合体が国家経済の30%を支配して強力であった。
レーガンは米国の経済的衰退を地球的規模の軍事的威圧の実行によって救済しようとした。ただし、単純な軍事的侵略ではなかった。民主主義や自由主義の看板が汚されるからである。彼は経済的恐怖と軍事的恐怖の効果的な併用を計画し、暴力的な諜報活動を尖兵とした。
そして、ニカラグアを始めとする中南米各国政府を経済的及び軍事的恐怖によって転覆させることに成功した。だが、彼には強敵が存在した。彼自身の体に巣食う癌である。それに加えて、内政、特に国内経済の回復が思わしくなかった。これには日本の台頭も影響していた。
大統領の後半、弱気となった彼は自責の念にかられたようである。国民に対する経済的恐怖により統治を幾分か緩和し始めている。彼の後を継いだ共和党の大統領は、従って、共和党らしさを失うことになった。ハムレット状態であった。
ここで、米国がリンカーンからルーズベルトに至る民主的国家に回帰したのなら、今日の世界は全く異なる、落ち着いて生活でき、努力すれば報われ、再挑戦を暖かく見守る雰囲気に覆われていたであろうと残念である。
米国共和党大統領がハムレットを演じている間に、解き放たれていた強欲資本主義が政界を闊歩し始めた。その尖兵が世界銀行でありIMFである。資本主義的には貧しくとも幸せであった圧倒的多数の人々がソフトパワーによる経済的恐怖で飢餓に陥った。
地球に怨嗟が満ち溢れた。米国の富める人は、自己の住居を鉄条網か高い塀で囲み、入口にライフルを持った警備保障会社の雇われが監視する生活が始まった。それでも、彼らは悔い改めなかった。‥‥‥そして、9.11
9.11のあとの地球は至る所、軍事的な地獄であった。そうで無い所も経済的な地獄および心理的抑圧の地獄と化した。その結末が数十兆ドルのとも言われる負債バブルの金融恐慌である。
日本は‥‥‥‥‥長期経済停滞という由緒正しい因果に浸って、少なくとも外国を侵略せず、戦争も直接には行わず、しごく平安な10年を過ごした後に、悪魔がやってきた。誰と言うのも汚らわしい悪魔が。
日本人の美徳−おくゆかしさ−がその時も、今年も、いかんなく発揮されている。国民の多くはB層と揶揄されても自分の事とは思わず。復活した悪魔の囁きに感応して、悪魔の言動にけらけら笑いさざめきながら、「無言」の声援を送っている。
これが、今年1年の状況である。
悪魔よ去れ。恥じ自らをくらませろ。君ら悪魔は全てを食らい尽くした。最早、食らうものとて無い。そして、少なくとも歴史的輪廻において、君らは邪悪なミスキャストであることに多くの国民が覚醒している。
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