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大都市圏を除いて、地方の市町村議会の議員報酬は決して高いものではない。月給にして20万円行かない場合が結構多くあるはずだ。ただ、アメリカやヨーロッパでは年収が60万円とか80万円ほどの場合も結構多くあると言う。なぜ、こんな差が生まれてしまったかと言えば、議員職の位置付けが異なったからだ。日本では市町村議会の議員も政治家の端くれとしてプロの政治家という位置付けがされる。そして、基本的に外に職業を持たないから、年間を通しての給与が必要になり生活給としてある程度の金額が出されることになる。 問題は多くの場合、議員としての実際の仕事とその報酬が釣り合わないことだ。視界が市の行政範囲に限られてしまい、本来なら単に市長の決済で全て決着が付くだろうことを市議会議員がいろいろと関与している場合がほとんど全てと言っていい。市道の整備から幼稚園などの認可、市立学校の校舎の建て替えまで、本来なら市役所の課長レベルの決済で判断がされてもいいようなことが議会でいちいち論議される。 欧米の年収60万円レベルの議員は基本的にこういった種類の議題について市民感覚を反映させるために仕事をしている。だから、月に一回程度行政から送られてくる議事についての資料に目を通して、近隣の住民の意見を取りまとめ、年に数回の議会でそれを述べて評決の判断をする。この程度だから、年収60万円ほどというのは至極妥当な線だ。 矢祭町は元々議員の家業化が進んでいなかったはずだ。別の職業を元々持っていた人達が議員になり、町長になりしていたわけで、だからこそ、議員報酬の日当化も可能になったのだ。 もし、議員報酬以外に収入の道がない議員がほとんどの議会で日当化を進めようとしてもそれは無理というものだ。ただ、歳費だけで1000万円以上という一部の市議会議員報酬は高すぎると言えるだろう。しかし、反面、年収が300万円とか400万円レベルでは、それだけで暮らしていくのはかなり大変だ。 そのため、一部の国ではフルタイムの議員とパートタイムの議員を分け、フルタイム議員にはかなり高い報酬を支払い、パートタイム議員にはそれこそ日当制の給与に近いものを支払っている。このことは、確かテレビ報道か何かあったのだと思う。フルタイム議員にはレポートの作成が義務付けられていて、かなりハードな政治活動というか、日常的な政策研究が行われることになっていたと思う。 日本では、年収60万円ほどのパートタイム議員制度は少なくとも当面実施はできないと思う。理由は議員報酬しか収入の道がない方が多いからだ。 それより、年収500万円かそれ以上を保証して、市議会議員や県会議員にもっと働いてもらうことだと思う。それはズバリ市議会議員こそが国政レベルの政治を市民と語れるからだ。これは今年の4月春日部市議選挙でも主張したことだが、消費税や所得税の仕組み、それが経済に与える効果、世界の国々でどのような形の消費税が課せられているかなど、今現在は国政レベルでしか検討されていないことを市議会議員が市民と日常的に語り合うべきなのだ。 現状では、例えば消費税がインフレと同時進行する税金で他の税金の多くがインフレ時には目減りするのに消費税はインフレ時にもインフレとシンクロして高額化するということさえ、一般市民は理解していない。年金が物価スライドであっても一年遅れの値上げになるからインフレ時には目減りすることも理解されていない。 それどころか、行政は意図的に政治の現実の効果を市民から隠し、日本をアメリカの植民地として作ってきたとしか見えない面が多々ある。ただ、一般市民はそういった現状にまだ気が付いていない。自分でもこう言ったことに気がつくのは、行政相手に訴訟をやり、明らかな社会悪が放置され、それどころか反対にそういった社会悪を告発する側が色々な形で迫害されることを身を持って経験してからだ。だから、一般市民が現状を知らなくてもそれは致し方のないことだと思う。ただ、このまま行ったら確実に犠牲になるのは一般市民であり、一般市民で済むことなく、いわゆる支配階層のほとんども困窮階層に叩き落とされてしまうのはほぼ確実だ。 今はまだ社会全体が悪化してはいない。しかし、一気に社会全体が崩壊する仕組みは既に作られている。それは財政赤字であり、全国に50基以上ある原発であり、全国的に整備されつつある地デジ放送網だ。または、さまざまな教育制度であったり、税の軽減措置であったりする。ともかく、今の社会はほとんどあらゆる形で植民地化のための支配ができるように仕組みが張り巡らされている。そして、今の政治家はそれを打ち破ることが残念ながら出来ていない。 イラクはフセインによる独裁体制がアメリカに付け入る隙を与えた。アフガニスタンはタリバン勢力がその準備をしたと言っていい。特にアフガニスタン国内にあった巨大な石窟仏像の破壊をやったときタリバン組織内のアメリカ軍産複合体スパイがアメリカによるアフガン支配への道を決定的に拓いてしまったはずだ。イラクやアフガニスタンが米軍支配されるまでの期間はほんの数年だ。変化は早い。日本もその時が来たらほんの数年で今のイラクよりもひどい状況に叩き落とされる可能性が大いにある。 つまり、現状の政治体制は今の隠れた植民地化を防ぐことができていない。だから、その意味でも、市議会議員レベルでの国政参加が必要なのだ。いわゆるエリート層が正面を切って植民地化に対抗できないので、一般市民レベルを組織化して対抗するしかないということだ。そうなれば、今の体制下である程度の利益を受けている人々はその特権を剥奪されたり、または、より重い税金負担を求められたりすることがあるので、反対の動きをしたいと思うかもしれない。しかし、今きちんと対処しないと、本当に社会全体が崩壊するはずだ。明治維新のとき、多くの武士階級が没落したが、もし、明治維新を行わなかったらイギリスかフランス、または、アメリカによって植民地支配されてしまった可能性は高い。 そこで、次のような制度を提案したい。国政選挙の地区ごとに、国会議員をリーダーにして政策討議組織を作るのだ。強制的にその地区選出の全地方議員はその国会議員の政策討議組織に属することになる。つまり、政党は関係ないことになる。基本的に国会議員一人と県会議員が数人から十数人、そしてそれに加えて市議会議員が数十人から百人程度でひとつの政策討議組織ができることになる。この組織が少なくとも毎月各市町村で公開の政策討議を行うのだ。国政レベルの政策の説明は当然その地区の国会議員が県会議員へ行うことになる。県会議員が市議会議員へブリーフィングをしていく形になる。ただ、こういった政策が良いというものではなく、この政策はこういった意味があり、市民生活にはこういった影響を与えるという形での情報提供だ。政策討議組織だから、どの政策を採用するかは、あくまで別の話になる。そして、例えば、A市では毎月第1、第3日曜日に市民会館で3時間程度の市民参加自由の公開討論会を開くようにする。国会議員はそれにすべて参加することはとてもできないだろうが、選挙区全体で月に一回程度は参加できるだろう。ここで討議するのは基本的に国政レベルのことだが、県や市レベルのことを討議することも当然出来る。政党はそれぞれの活動をこの政策討議組織とは別に行うことになるが、障害にはならないはずだと思う。 2007年に青年会議所の全国組織が国政選挙の立会演説会、または合同討論会を選挙期間中にやろうというキャンペーンをやっていたが、その後沙汰止みになっている様子だ。これも植民地化の圧力があったからだろう。結局、一般市民は目先の利益だけを追うように強制され、結果的に社会全体が劣化していくことに手出しができないようにされている。今の県会から市会議員には、そういった組織に組み込まれていて、目先の利益しか見えないようにされてしまっている方たちも多くいる様子だ。しかし、このままでは、単に植民地化され、食い荒らされて捨て去られてしまうだけだ。 地方議員も一般市民も本来なら十分に判断能力も理解力もあり、きちんとした情報を得ることが出来れば、現状を改革していくことができるのだと思う。そのためには、今すでに出来上がっている地方議会制度を利用して、上に述べたような政策討議組織を作って、活かしていくことも一つの手段だと思う。 *6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<268>>
地方議員の報酬についての考え方(市議会議員こそが国政レベルの政治を語れ!)
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