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菅派の粗脳丸出し「思いやり予算交渉史」考(れんだいこ)
http://www.asyura2.com/10/senkyo102/msg/247.html
投稿者 判官びいき 日時 2010 年 12 月 15 日 20:15:18: wiJQFJOyM8OJo
 

2010.14日、菅政権は、小沢どん政治訴追に対する強硬策で世間の気を引きながら、その裏技で、「思いやり予算」対応で新たな米奴ぶりを歴史に遺した。これを確認するのに菅派の粗脳が丸出しとなっている。許し難いので、これを確認しておく。「思いやり予算」とは要するに、米国の対日防衛負担費の別枠負担を云う。それまでの負担を仮に通常負担とすれば、新たな負担が強いられ、これを受け入れた第二負担である。

歴史的に見て米軍駐留と同時に始まったものではない。1976年ロッキード事件で田中−大平同盟が解体されて以降、国際金融資本の増長により産み出されたものである。国際金融資本は、1978年頃より、田中派解体の引導役を果たした金丸−竹下派を上手に持ち上げ、米国による対日防衛費の日本側負担増を求め始めた。

当時の金丸防衛庁長官が、ブラウン国防長官に対し、「駐留経費の問題について、思いやりの立場で地位協定の範囲内でできる限りの努力を払いたい」と返事をし、ここから「思いやり予算」なるものが創出されることになった。同年、「特別協定」を締結した。これが「思いやり予算」誕生のいきさつである。

つまり、「思いやり予算」は極めて政治主義的に導入された違憲違法なものであるということになる。故に別枠の特別協定によって無理矢理に導入された。「思いやり予算」は、アメリカ本国でも「Omoiyari Yosan」と呼ばれている。「思いやり予算」を直訳すると「Sympathy Budget」(同情予算)となる。しかし、Sympathyには「憐れむ」というニュアンスがあるため具合が悪いとして公式な英訳としては「Host Nation Support」(駐留国受け入れ支援)が使われている。

日本側が「思いやり予算」を出し始めると、味をしめたアメリカ側は毎年にわたり経費の増額を要求してきた。「軍事的支援の代わりに資金援助を」との要請が為され、日本政府はズルズルとこれに従い始めた。この間、1987年度の防衛費が初めてGNP比で1%を超えている。その後、防衛費予算は膨張し始めGNP比5%に達し、やがて聖域となって現在に至っている。

「思いやり予算」の1978年に於けるそもそもの始まりに於いては基地従業員の人件費を対象としていたが、1979年からは米軍の施設建築費用を賄い始めた。1991年からは電気代・水道代など光熱費の施設維持費用などにも使われ始めた。1996年からは訓練移転費(日本側の要請によるアメリカ軍の訓練移転のための経費)などを含むようになった。「思いやり予算」はかく湯水の如く打ち出の小槌でバラ撒かれつつ今日に至っている。

現在、「思いやり」予算を使った施設建設は66基地でおこなわれ、その項目は「家族住宅」、「学校」から「航空機掩体(えんたい、耐爆シェルター)」、「桟橋」などの戦闘作戦支援施設まで64項目にわたっている。1979年度から始まった基地建設費(提供施設整備=FIP)が2000年度までの22年間で1兆6000億円、2008年度までの30年間で約2兆1283億円に達すること、全国66の米軍基地で1万2872件の施設が建設・改修されていること等々が判明している。

ところで、米軍駐留を受け入れている同盟国で、かような「思いやり予算」を支出しているのは日本だけである。当然、これを税金で賄っている。他にも在沖縄海兵隊訓練移転費が1997〜2008年度までに109億円。「思いやり予算」以外のものとして、1・SACO(沖縄に関する特別行動委員会)経費が1996年度より、在日米軍再編経費が2009年度より計上され屋上屋を重ねるように新たな費目を次々と生み出している。他にも防衛省以外の他省庁予算があるが実態不明となっている。これが日米運命共同体論の裏舞台である。 

この間、田中派解体の功により重用され、「思いやり予算」導入の立役者となった金丸は、1992年、東京佐川急便からの5億円ヤミ献金問題で失脚する。例によって東京地検特捜部が動き、政治資金規正法違反で略式起訴され、東京簡易裁判所から罰金20万円の略式命令を受ける。これをマスコミが激しく糾弾し、1993年、東京地検が金丸を脱税容疑で逮捕する。自宅へ家宅捜索を行ったところ、数十億の不正蓄財が発覚する。捜索の中、時価1千万円相当の金塊が発見されたと云う。

1996年、失意のまま脳梗塞で死去している。要するに、用済みで使い捨てにされたと云うことになる。竹下は死して「その罪、万死に値する」なる文句を遺した。これが角栄政治訴追に呼応した裏切り派の末路である。竹下−金丸連合の使い捨てをほくそえみつつのうのうと大勲位の座を維持し続けているのが中曽根である。

お調子者の中曽根のお株を奪う米奴盲従派で奉公し続けたのが小泉である。この功績により、中曽根と小泉は名宰相の誉れを得ている。マスコミメディアがこれを喧伝し続けている。今日、この勢力が日本政治を牛耳っている。

対照的なのは鈴木善幸であった。暗愚の宰相と云われた。戦後保守系ハト派政治は善幸で終わる。1950年代半ばから1980年代初頭までの25年間、戦後保守系ハト派が日本政治を舵を取ることにより戦後日本は未曽有の正成長を遂げた。これを逆に云えば、1980年代以降から今日までの30年間にわたる日本は、戦後保守系タカ派に日本政治が牛耳られることにより正成長時代の国富をすっかり食い潰してしまった。それどころか、先進国中随一の国債累積債務をしょい込み、更なる債務増の道へ誘われつつある。日本の経済構造を下支えしてきた中小零細企業がバタバタとなぎ倒されている。現代は、こういう狂気の時代の渦中にある。

もとへ。2000年代の小泉政権時代、「思いやり予算」を含めた防衛費、戦争支援金が湯水の如く使われたのは周知の通りである。この時期、「思いやり予算」自体は2000億円強で高目安定で推移しているが、他にも地位協定分の負担額等があり、全体額の全貌は明らかにされていない。2004年度の在日米軍駐留経費負担額は約2441億円となり、額の多さから、日本は「世界一気前のいい同盟国」、「重要な戦略的貢献となっている」と褒められ、「日本の良い子ぶり」が評価されている。

「思いやり予算」は1999年の2756億円が最高額で、その後は毎年削減され続けた。しかし、2004年度の思いやり予算は2441億円であるが、他に地位協定分の負担額として1820億円計上されているので、この時点が実質的なピークと思われる。2006年度予算では2326億円(内、特別協定分1338億円、前年度比2.22%減)が計上されている。米国防総省の「基地構造報告」2007年版によると、在外米軍基地の資産価値で、在日米軍基地は上位3位までを独占している。

訓練施設や航空機、艦船の修理機能、米兵の居住環境など、どれをとっても最高水準にある。「思いやり予算」効果であろう。小泉政権下の日本政府は、米国政府の要請を受け、更に米領グアムでの海兵隊基地建設費を負担しようとし始めた。背景に米軍再編に絡む沖縄からの移転があったが、これにより「思いやり予算」が国外の米軍基地建設費用まで及ぶことになった。「思いやり予算」には歯止めがないと云うことが分かる。

この計画の内訳を見ると、件数で家族住宅1万1363件、兵舎230件と住宅関連が約9割を占めている。家族住宅は建築費だけで1戸あたり約4800万円で日本の平均的な住宅よりはるかに割高なものになっている。狭いものでも約100u、最大で約230uに達する家族住宅になっている。その他学校や娯楽施設、病院、運動場、艦船や航空機などの修理施設、戦闘機の格納庫や耐爆シェルター、滑走路、原子力空母が接岸できるバース(係留施設)など68項目に及んでいる。

2009年度予算で初めて建設費346億円が計上された。2006.1.23日、麻生太郎外務大臣とゼーリック国務副長官が、「思いやり予算」の期間を5年から2年に短縮した新特別協定に署名した。同年3.14日、衆議院本会議で承認され参議院に送付された。これにより、暫定的に内容を変えず2年毎に延長することになった。

2006.4.25日、在日米軍再編の米側担当者であるローレス国防副次官は、ワシントンにある国防総省で記者会見し次のように声明している。概要「日米間のこれまでの調整により、米国の沖縄海兵隊のグアム移転に関する在日米軍の再編にかかわる日米分担額が確定した。経費の総額が約300億ドル(約3兆4300億円)、そのうち日本側負担が計約260億ドル(約2兆9900億円)、米側負担分は41.8億ドル(約4800億円)に上る見通しである。

100億ドルのグアム移転経費については、23日の日米防衛首脳会談で、日本側の負担が59%とすることで決着した。公平にまとめられた取引だと思う。米軍普天間飛行場移設経費など日本国内の再編・移転費は今後6〜7年で約200億ドルとなり、全額が日本の負担となる。これに23日の日米防衛首脳会談で決着した海兵隊グアム移転費の日本側負担60.9億ドルが加わる。同盟に対する日本側の投資は膨大な金額だ。日本側は海兵隊のグアム移転費だけでなく、かなりの出費をする。財政支出上の義務は多くが2012年までの時期に入っている」。

要するに、「思いやり」レベルではなく「至れり尽くせり」であることを、ローレス国防副次官が自慢げに語っていることになる。これに、沖縄の普天間飛行場移設問題が絡み始める。米軍キャンプ・シュワブ沿岸部の代替施設建設案が浮上し始め、「至れり尽くせり予算」で賄うことが確認された。かくて、日本は、当初見込んでいた2兆円超を大幅に上回る3兆円近くの負担を強いられることになった。

ローレス国防副次官発言は、国内分の具体的な内訳には触れていない「控えめな試算」としており、日本側負担の総額は3兆円を超える可能性がある。当時の安倍晋三官房長官は、記者会見の席上、米軍再編に伴う日本側の負担が計約260億ドルにのぼるとの見通しをローレス米国防副次官が示したことについて次のように述べている。「どのような内容か承知していない。印象としては途方もない金額なのでコメントを差し控える。国内の費用については基本的にしっかり精査していく」。しかし、安倍がどう述べようと「至れり尽くせり」は進行中である。

こういう「思いやり予算史」に対して、民主党はどういう立場で臨んでいるのだろうか。2008年、野党時代の民主党は、米軍基地を抱える他国より日本の負担水準が高く、ゴルフ場など娯楽施設への支出があることを問題視し、思いやり予算の根拠となる現行特別協定の国会承認に反対した経緯がある。ほんのささやかな抵抗でしかないが、反対の姿勢だからまだ良いと云うべきかも知れない。

2009年政権交代の二番手政権として登場した菅政権の「思いやり予算」政策を確認しておこう。2010.8月末の11年度予算概算要求で、防衛省が思いやり予算を一般国民の意見を参考に予算配分を決める「政策コンテスト」の対象とした。これに対し、米側は「重大な懸念」を表明。防衛省は、思いやり予算が「聖域」として全額確保されるとの見通しを伝えたが米側は疑心暗鬼に陥った。ここから、米側の巻き返しが始まる。我々は、いとも簡単にねじ伏せられる菅政権を見ることになろう。

同年11.4日、日米両政府は外務省で外務・防衛当局の審議官級協議を行った。思いやり予算改定をめぐり、日本側は在日米軍基地のエコ対策に伴う費用増を受け入れる一方、光熱水費を削減して総額を現行水準(平成22年度で1881億円)に維持する方針を伝えた。だが、総額で上積みを求める米側の姿勢はなお強硬で、協議は平行線をたどった。

あらましの合意ができ、11.13日、菅首相とオバマ大統領会談が設定された。米側は「最大の成果だ」と共同発表を求めたが、日本側は国内の調整が済んでいないことを理由に拒否した為、共同発表には至らなかった。11.22日、政府は、平成23年度予算案に盛り込む1兆円超の「元気な日本復活特別枠」に関する要望事業を絞り込む「政策コンテスト」の対象となっている思いやり予算について4段階評価で最上位の「A」とする方針を固めた。これにより、防衛省の要望額1859億円に対し、菅首相の最終判断を経て満額回答となる見通しとなった。

この間並行して、北朝鮮による韓国哨戒艦沈没事件、尖閣諸島の漁船衝突事件、北朝鮮の延坪(ヨンピョン)島攻撃事件が発生し、日中関係の領土紛争、朝鮮半島情勢の緊迫化が始まる。菅政権は、日米同盟重視の御旗を高く掲げ、思いやり予算丸のみに舵を切る。2011(平成23)年度以降の思いやり予算について、2010(平成22)年度の水準(約1881億円)を2011年度から5年間維持することで米国と合意したと発表した。

現行の3年間は5年間延ばし「5年間現状維持」となった。官房長官は、記者会見で、「在日米軍は日米安保体制の抑止力の中核だ。日米同盟を一層安定的に運用していくという両国のメッセージだ」と述べ意義を強調した。北沢俊美防衛相は、記者会見で「日米とも極めて厳しい財政状況の中、同盟の趣旨をしっかり理解しながらやっていくためには総額維持は妥当だ」と述べた。政府は来年1月にも負担に関する特別協定に署名した上で、22年度中の国会承認を目指す。

菅政権は、小手先の小細工を弄している。米軍施設従業員労務費のうち、バーテンダーやゴルフ場など娯楽施設で働く430人分を削減することで「民主党らしさ」(首相周辺)を演出した。しかし、労務費削減には民主党支持の全駐留軍労働組合だけでなく、仲井真弘多沖縄県知事も反対しており、日米のもう一つの懸案である米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)移設問題にも微妙な影響を与える可能性もある。米軍施設の光熱水費も現在76%の日本側負担割合を72%に削減することで合意した。この減額分を、在日米軍の隊舎や住宅への太陽光発電導入や、冷暖房の効率を高める断熱材改修などの「エコ対策費」に振り向け、全体で総額を維持する云々。

少々長くなったが、「思いやり予算」なるものがどういうものなのか、菅政権が米側に如何に軽くあしらわれているかが確認できれば良い。レンホ−の事業仕訳が何の意味もないヤラセでしかないことが分かれば良い。日本よ、本当に大丈夫なのか、首相不在の正月でこたつに入って暫し黙考した方がよいのではなかろうか。

 http://otd10.jbbs.livedoor.jp/1000013618/bbs_plain
 

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コメント
 
01. 2010年12月15日 23:43:41: BtCDNDdI42
アメリカの国防予算が削減され、その分日本側に対するおもいやり予算増額の要求が強行に行われている様に思う。本来基地を提供して居るのであるから逆に賃貸料を貰ってもよいぐらいだ。こんな屈辱的な事をされるのも日本に「自分の国は自分達で守る」と言う意識が薄いからである。もう自国の防衛について本格的な議論をしはっきりとした方向ずけをする時期に来ているのではないだろうか。

02. 一隅より 2010年12月16日 09:57:03: PnbUj1IYwR18o : EDdl3oR2Vp
驚くべき記事をご紹介します。
 ↓

思いやり予算で日米合意 同盟関係修復に配慮 (東京新聞 2010年12月15日 朝刊)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2010121502000039.html
 日米両政府は十四日、来年度以降の在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)の総額について今後五年間にわたり現行水準を維持することで正式合意した。政府は当初、削減の可能性を探っていたが、朝鮮半島情勢の緊迫化の中、米軍普天間飛行場問題をめぐり傷ついた日米同盟関係を修復するためには米側に配慮せざるを得ないとの判断があった。

 ・・・・・・菅政権としては、これ以上の外交迷走批判を回避するためにも、米側を怒らせない判断に傾いた。
(引用おわり)


>「傷ついた日米同盟関係を修復」するため、「米側を怒らせない判断に傾いた」!!!

「怒らせる」とどうなる、誰が困るのでしょう。

無署名記事だし、だれかの談話の聞き取り採取でもない。一応、文面は東京新聞の編集責任でしょう。
でもきっと日本の新聞記者連中、官僚、一部民主党政治家、少なくとも菅、仙谷、北澤の頭の中を反映しているのでしょう。

「怒らせたら・・・」??? 何が怖いのですかね。

面白くも、やがて恐ろしきはなしです。


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