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民主党の小沢一郎元代表の政治倫理審査会(政倫審)出席を巡る問題は、13日の党役員会で「一任」を受けた岡田幹事長が、小沢氏に再度、政倫審出席を要請することとなった。
小沢氏は拒否する構えだが、執行部の「次の一手」は不透明で、混迷は深まっている。小沢氏を支持するグループは、小沢氏の政倫審出席を実現させようとする菅首相や岡田氏への反発を強めており、党内対立は抜き差しならない状況になりつつある。
13日の役員会前、民主党内では、「大もめになる」といった観測が流れたが、実際の議論は淡々と進んだ。
岡田氏は冒頭、「小沢氏に何回もお会いしたが、(政倫審出席を)判断していただけない。党として姿勢を示したい」と述べ、「小沢氏に自ら政倫審へ出席してもらいたい」との意向を、役員会の見解とすることに理解を求めた。山根隆治企業団体対策委員長は「幹事長の高度な政治判断だから、『一任』すべきだ」と岡田氏の「応援」に回った。
これに対し、平田健二参院幹事長は「小沢氏を政倫審に呼ぶことには反対だ」と述べたが、反対論をぶったのは平田氏だけだった。
輿石氏は「小沢氏に(政倫審に)出るべきだと伝えた上で、幹事長に一任してはどうか」と語り、今回は「まとめ役」に回った。
結局、役員会は輿石氏の提案で、岡田氏への「一任」が決まった。
岡田氏が強硬姿勢を貫こうとしたのは、首相の後押しがあったためでもある。首相は13日夜、惨敗に終わった茨城県議選について、「政治とカネの問題で十分なけじめがついていないことも(敗因に)重なった」と述べ、小沢氏にも責任があるとの考えを示唆した。
一方、輿石氏は12日夜、小沢氏と鳩山前首相と会談した際、小沢氏から「岡田氏に会ってもいい」との言葉を聞いていた。13日の役員会の前には岡田氏と会談し、「『一任』なんか取りつけても、自分が苦しむだけだぞ」といさめたが、岡田氏はかたくなだった。
とりあえず岡田氏の顔を立てて急場をしのぎ、「岡田・小沢会談」の行方を見た上で改めて対応を考える――。輿石氏はそう判断したとみられる。
ただ、「一任」の解釈を巡っては党内で見解が割れている。岡田氏に近い執行部の1人は「小沢氏が政倫審への出席を断った場合、岡田氏は、政倫審に対して小沢氏の招致議決を求めることが出来る」としている。
これに対し、別の役員会出席者は「小沢氏が拒否した場合の対応までは、岡田氏に任せてはいない」と強調する。党内からは「玉虫も驚くほどの玉虫色の決着だ」といった声も出ている。
実際、輿石氏は役員会後、鳩山前首相に電話し、「これで小休止だ。役員会でこの問題はもう協議しない」と伝えた。(政治部 栗林喜高、海谷道隆、田島大志)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20101213-OYT1T00913.htm?from=main1
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