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13日、東京都議会総務委員会は「東京都青少年健全育成条例」を可決した。付帯決議で「慎重な運用」を盛り込んだというが、それなら慎重に運用できるような条例に修正するのが一番だ。2009年政権交代の序曲は、7月都議会議員選挙の民主党の地滑り的勝利から始まった。肝心の政権の方も、ダッチロールを重ねている。「無駄な公共事業の見直し」でも、最初の金看板の八ッ場ダムで玉虫色になり、そして国営諫早湾干拓事業では、福岡高裁「開門命令判決」を「まさかの上告」が取り沙汰されている。
都議会で採択された付帯決議を読んでいないが、決定的な拘束力を持つものではない。
今回の「青少年条例改正案」自体が、基本的には「当局におまかせ」という構造になっていて、「慎重に運用します」と言われれば「ああ、そうですか」と言う以外になくなる。
いきなり、濫用と指摘されるような下手な真似はしないだろうが、「マンガ・アニメ等」の視覚描写物は青少年・治安対策本部の監視下に入る。
問題は「萎縮」であり「自粛」だ。都青少年条例が可決・成立した時にまず起こるのは、「これは大丈夫だろうか」とマンガ家や編集者、出版社が不安になり、「条例に引っかかるならやめようよ」と自主規制することだ。1999年、児童買春・ポルノ規制法案が議員立法で成立した時に、「マンガ・アニメ等」が含まれていたのを「被害実態がない」という理由で削除したのに大手書店が、マンガ本を棚から引き上げるという過剰反応を生んだ。昨日まで東京で上映された「笑いの内閣」のパロディ演劇『非実在少女のるてちゃん』の内容も、「都条例に反対するのは反社会的」という理由で劇場使用を不許可にされるという事件も過剰反応のひとつだ。
今、紹介した2例は「当初は話題になったが最終的には法律から削除されたマンガ規制」と「都議会で継続審議になった後、廃案になった青少年条例」についてであり、いわば当局の影に怯える形となったケースである。実体のない影ですら影響を与えるのに、条例が成立してしまったら大きな影響を与えるのは間違いない。「制約があるから描けないなんて作家じゃない」(石原慎太郎都知事記者会見)というのは倒錯の極致で、「主体的な表現者の判断で描かれる作品」が自由な表現に値するのであり、「いつか当局に因縁をつけられるかもしれない」という意識を持ちながら描かなければならない環境は、抑圧的だ。
しかも、犯罪となる行為を処罰する時には、あらかじめ法律(条例)で定められた犯罪行為の内容と処罰を国民に明示しておくことが前提だ。今回の青少年条例は、出版物自体を検閲して差し止めるという直接的な規制ではなく、出版社に自主規制を求め、東京都が該当出版物等を「不健全図書」に指定するフレームだが、仮に「不健全図書」に指定された場合には、これまでも雑誌等は廃刊になるケースが多かった。いわば、出版の生殺与奪は当局の手の中にという構図になる。
しかも、石原都政と対決構図をつくり最大会派となった都議会民主党が「付帯決議」があったとは言っても「賛成」している。都議会議員選挙は、昨年あったばかりで次期選挙は2013年まで待たなければならない。今後の都議会の議席構図は液状化している政治状況で予想がつかないが、この条例に反対した共産党・生活者ネットが残念ながら少数派であることを踏まえると、今後長期にわたって出版・表現物の上位に「青少年・治安対策本部」が君臨することになる。あまりにも、影響が大きい。
11日、ビデオニュース・ドットコムの神保哲生さんを招いて「政治の言葉をどう伝えるのか」(第2回保坂のぶとフォーラム)を開催した。本日の結果を予想しつつ「東京都青少年条例」問題を取り上げ、また「諫早干拓」「八ッ場ダム」等の「公共事業」や、「捜査の可視化」などについて約3時間、語りあった。神保さんの協力で、インターネット生中継を行なうことが出来て、「UST」と「ニコ生」で2000人以上の人が見てくれた。アーカイブでも視聴可。
→(ビデオニュース・ドットコム)http://www.ustream.tv/recorded/11372511
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