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最近、週刊誌はほとんど立ち読みもしないのだが、「週刊現代」が反小沢、「週刊ポスト」が「日刊ゲンダイ」や「週刊朝日」と同様の小沢信者御用達の立場をとっているらしい。「週刊現代」と「日刊ゲンダイ」、「週刊朝日」と「朝日新聞」のねじれは、講談社グループも朝日新聞グループも、ともに反小沢からも小沢信者からも金を巻き上げるために「リスク分散」を図っているものだろう。
新聞休刊日のために、明日発売の「週刊現代」、「週刊ポスト」の広告が今朝の朝日新聞に出ているが、「週刊現代」は菅直人の年明け退陣で、後任は岡田か前原、というのがトップ記事だが、「週刊ポスト」は大前研一が唱える「新・無税国家論」をトップに据えている。
広告の見出しを見ると、大前は「資産課税と付加価値税のみで財政は成り立つ」、「現在の財政下でも所得税、法人税、相続税ゼロは実現可能」だと唱えているらしい。
笑ってしまった。いうまでもなく、大前研一というと、20年前の新自由主義のイデオローグだが、思わず「化石賞」を授与したくなる67歳の大前が、今さらながらに「無税国家論」を唱える。それには、河村たかしが「減税日本」を唱えて名古屋で支持を得ているという流れも関係しているだろう。そして、「所得税の半減と消費税の大幅増税」は、小沢一郎が1993年に「日本改造計画」を書いた頃からの持論で、それはおそらく今も変わっておらず、今年9月の民主党代表選の時にも、小沢は所得税の大減税を公約に掲げる検討をしていた*1。
思うのだが、大前研一や河村たかしや小沢一郎といった人たちは、「租税の応能負担」の原則をどう考えているのだろうか。河村たかし信者の、「税金は罰金だ」という言い分は、究極の新自由主義思想である。大前や小沢の思想も、おそらくそれと大差ないだろう。
そして、前原誠司や野田佳彦といった、松下政経塾出身の政治家たちは、同塾で「無税国家」の思想を叩き込まれたことだろう。その前原や野田らと小沢一郎が激しく対立しているように見える構図が、私には不思議でならない。新自由主義者同士、手を組んでも良さそうなものではないか。
いや、民主党代表選前の政局では、一時、小沢一郎が前原誠司を取り込んだという観測もなされていた。「政策より政局」の小沢一郎なら、何をやっても不思議はない。
今年は、ともに無能を晒した鳩山由紀夫・菅直人の前・現首相ともども、「民主党トロイカ」の限界がはっきり示された年だったと思う。もうそろそろ、この3人には前線から退いてもらわない限り、民主党に未来はないだろう。
*1:小沢一郎は、記者クラブ主催の公開討論会でも大減税の構想を示唆したが、結局これを争点にはせず、代わりにひも付き補助金の「一括交付金」化による財源捻出を争点にしようとした。しかし、「社会保障切り捨て」との批判を浴びて、主張の大幅修正に追い込まれた。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20101212/1292117563
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